2019年の宇宙イベントを先取り!

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2019年の宇宙イベントを先取り!
民間初の有人宇宙船「Crew Dragon」打ち上げの瞬間(イメージ) Image: SpaceX

2019年宇宙の旅は元旦早々、カイパーベルトの謎に迫るミッションで幕開けです!

初の民間有人ロケット打ち上げから月の裏側着陸、小惑星の土採り、火星の穴掘り、太陽に溶けるまで接近する熱いミッションまで、絶対見逃せない宇宙の動きをまとめてみました。カレンダーに〇をつけて2019年も空をウォッチングしてまいりましょう。

いちばん遠い星を見るよ!

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史上最も遠い65億km彼方の天体ウルティマトゥーレに最接近するニュー・ホライズンズ。上空約3,500kmから激写予定(イメージ)
Image: NASA/ジョンス・ホプキンス大学応用物理学研究所/サウスウエスト・リサーチ・インスティテュート

さあ、トップバッターはこれ! 元旦早々、NASA無人探査機ニュー・ホライズンズが人類史上もっとも遠い天体「 ウルティマトゥーレ(未知の世界) 」に最接近します。

最接近タイムの東部時間0:33(日本時間元旦14:33)にはクイーンのギタリストで宇宙物理学博士のブライアン・メイ(NASAの動画に数年前から友情出演中)が、NASAのアラン・スターン氏から依頼を受けて20年ぶりのニューシングル「ニュー・ホライズンズ」をリリース!

ティーザーでは「ニュー・ホライズンズ~♪ 誰も見たことない果ての果て~♬ 」と歌ってますよ。ひゃーアガる!

カイパーベルト天体「ウルティマトゥーレ(2014MU69)」 は太陽から65億km彼方に浮かぶ双子かひょうたん型の星です。直径およそ30km、かたちは不規則。ニュー・ホライズンズは時速 50,700kmという、なんだかよくわからないスピードでその3,500km上空までにじり寄り、1ピクセル30〜70mの解像度で写真を撮りまくって地球に6時間かけてビームします。

冥王星のとき(13,000km上空から撮影)みたいにキレイに撮れるといいですね。双子かひょうたんかもそのときわかるし、ほかにも土壌、表面温度、彗星の特性(氷など)がないかなど調べる予定です!

月の裏側にタッチダウン

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中国の探査機がゴロゴロと!(イメージ)
Image: NAOC

中国国家航天局(CNSA) が12月8日打ち上げに成功した月探査機 「嫦娥四号」が、1月3日には人類未踏の月の裏側に着陸を果たします。

着陸予定地は南半球にある古くて大きい盆地フォン・カルマン・クレーター(幅180km)。探査機と6輪ローバーで表面温度、鉱石、土壌、宇宙線(放射線)量と、人間のノイズが少ない新宇宙望遠鏡設置の適地かどうかなど3か月かけて調べる予定です。

データはそのまま送っても月自体が邪魔になって届きません(月はいつも地球のほうを向いて回っているので、裏側は永久に裏側。地球のほうを向いたときにビーム、というわけにもいかない)ので、5月に打ち上げた通信衛星「鵲橋」 が中継局になって地球に飛ばしてくれますよ。すべて順調にいけば人類初のダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン着陸探査に!

Video: Marc-André Ranger/YouTube

2019年後半にはインド宇宙研究機関(ISRO)も国産GSLVロケットで月面探査機「チャンドラヤーン2号」を月に打ち上げます。 こちらは南極近くに着陸し、6輪ローバーで地形、鉱物、大気(ほぼ皆無ですが)、水や氷の有無などを観測して地球にデータを送る予定です。

Googleの月探査機コンペ「Lunar XPrize」も賞金受賞ゼロで終わってからスポンサー公募というかたちで2018年4月に復活しており、日本からはispace社が月面探査プログラム「HAKUTO-R」着々と推進中です。そちらも目が離せませんね!

はやぶさがリュウグウから土を持ってくるよ!

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小惑星の驚くべき写真(2018年6月26日・はやぶさ2が撮影)
Image: JAXA/東京大学/協力諸団体

3億km彼方の小惑星リュウグウでは、ひと足先に舞い降りローバー2機が元気にホッピング中で、本体のはやぶさ2も着陸のリハーサルを重ね中。早ければ1月には本番着陸を迎えます。

本当はもっと早く着陸する予定だったのだけど、表面が想像以上に凸凹で、1月末に延期になりました。2019年末までにサンプル採取を終え、地球に戻る計画です。成功すれば、こちらも人類初の快挙になりますよ!

Video: German Aerospace Center, DLR/YouTube

民間ロケット初の有人飛行!

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CST-100 Starliner
Image: Boeing

2019年は民間ロケット元年。NASAのロシアへの委託契約が4月に切れるので、その後は久々に民間ロケットで国際宇宙ステーション(ISS)に自由に行き来できる時代になります。

「え?そうなの?」って意外に思うかもしれませんけど、実はスペースシャトル計画が2011年に終わったときからずっとNASAはロシアのソユーズ宇宙船に乗せてもらってたんですね。でもソユーズ宇宙船は知ってのとおり、昨年10月に打ち上げに失敗しちゃって、しばらく飛べなくなってますので(ロシア35年ぶりの自爆であるにもかかわらず緊急脱出の宇宙飛行士2人は7G x 30分の地獄の重力に耐えて帰還し、「超みじけえ宇宙の旅」と冗談を飛ばしながら脱出用カプセルから出てきて恐ロシアを印象付けた)、ますます民間ロケット頼みになってきました。

1月17日にはまずSpace XがFalcon 9で無人宇宙船をISSに飛ばします。成功すれば、6月18日にはいよいよ人間を乗っけて飛びます。民間初の有人宇宙船に乗るのはNASAのDoug HurleyさんとBob Behnkenさん、2人の宇宙飛行士。

ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)も3月にアトラスVロケットで無人輸送機「CST-100 スターライナー」を初打ち上げしてISSに物資を運び、8月の有人飛行ではボーイングのChris FergusonさんとNASAのEric BoeさんとNicole Mannさん、計3人の宇宙飛行士が宇宙を目指します(NASAより)。

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ジェフ・ベゾスのBlue Originも燃えてます
Image: Blue Origin

世界一の金持ちジェフ・ベゾスがドル札を燃やすBlue Originも年内に無人・有人打ち上げ飛行を計画中(日程未定)。さて、民間有人飛行の一番乗りレース、勝つのはだれ!?

眠れる森のオポチュニティ

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眠っているのか、それとも、死んでしまったのか…(オポチュニティは四角の枠の中の小さな白い点です)
Image: NASA/JPL-カリフォルニア工科大学/アリゾナ大学

全火星を覆う砂嵐で活動を休止してしまった火星探査機オポチュニティ。NASAは珠玉の目覚まし音楽プレイリストを祈るような思いで流し、ディープスペースネットワーク(DSN:深宇宙情報網)地上局から周波数と時間帯をめいっぱい広げて観測を行っていますが、ワムのウェイク・ミー・アップ♬を流すだけでは起きてくれないようです…。 いまだに音信は途絶えたまま。もしこのまま復活しなければ惜しまれながら15年のミッションに終止符を打つことに。

火星を掘るよ!

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火星からセルフィーを送ってくれたInSight
Image: NASA/JPL-Caltech

でも火星では探査機キュリオシティが10月に久々に目覚めて稼働中だし、11月にはNASAのもう1台の火星探査機InSightも着陸に成功。1月下旬か2月初旬には地中深くまで掘る作業がいよいよスタートします。地震計を埋めて地殻内部の動きを探り、太陽系の惑星の成り立ちを知る重要な手がかりを得るのが「In」Sightのミッションです。

木星にじわじわ距離を縮めます!

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ジュノーが上空から捉えた雲の写真。まるで一葉のアート。
Image: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Gerald Eichstädt/ Seán Doran

信じられないほど美しい写真で地球を毎度湧かせてくれる木星探査機「ジュノー(Juno)」 。2019年はさらに距離を縮めていきますよ。18回目の近木点通過は2月17日、19回目は4月6日(米時間)になる予定。

太陽もじわじわ距離を縮めます!

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2018年12月8日にパーカー探査機が捉えた太陽上空。コロナ観測に期待!
Image: NASA/米海軍研究所/パーカー・ソーラー・プローブ

太陽風理論で知られる物理学者ユージン・パーカーさん=動画下=の名前を冠した太陽探査機が、ぐるぐる回りながら太陽ににじり寄ります!

Video: NASA Video/YouTube

近日点(一番太陽に近寄る地点)通過は2回目が4月4日、3回目が9月1日になる予定。12月26日には金星を回って2回目の重力アシスト(スイングバイ、重力ターン。講談社の図解)を得ます。コロナの組成、太陽風発生のメカニズムに迫る新たなデータを回収しますよ。

アポロ月面着陸50周年!

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記念コインも出る
Image: U.S. Mint/NASA

7月16日はアポロ11号の月面着陸からちょうど50年の節目に当たり、アメリカでは周年行事が目白押し。デンバーの ウィングス・オーバー・ザ・ロッキーズ航空宇宙博物館は特別展「Apollo Palooza」、ケネディ宇宙センターは祝賀イベントを開催します。上の写真は、1月24日発売の記念コイン。

第2の地球を探せ! ESAはケオプス打ち上げ

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CHEOPS(イメージ)
Image: ESA

欧州宇宙機関(ESA)は宇宙望遠鏡「ケオプス(CHEOPS)」を10月か11月に打ち上げる予定です。2015年の打ち上げ予定が延びたかたち。ソユーズで宇宙まで運んで地球上空700kmの軌道に乗せ、太陽系の外にある惑星、特に地球と海王星の間のサイズの惑星を重点的に探します。

2019年楽しみな天体ショー

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巨大です…
Image: 国立天文台

2019年にいちばん月が大きくなるのは日本時間2月20日0:54ですこのスーパームーンは見逃せませんね。米時間では1月21日、3月21日にもスーパームーンはあります。

1月21日の皆既月食は北米・南米・太平洋東部・大西洋西部・欧州・アフリカで観測可能。7月3日(米時間2日)の皆既日食は太平洋南部、チリ中部、アルゼンチン中部の非常に限られた地域で観測可能。どちらも日本からは見られませんけど、2019年に起こる日食3回、月食2回のうち「日食2回、月食1回は日本から見られる」国立天文台)とのことです。

木星が太陽の反対側(衝)に到達していちばん大きく明るく見えるのは米時間6月10日。天王星のそれは米時間10月27日

金星の太陽面通過は日本時間11月12日です。これはとても珍しいもので、2019年を見逃すと2039年まで見られません。 北米、中南米、欧州・中東・アフリカの一部地域で天体望遠鏡にフィルタをつけると、太陽に映る金星の影が観測できますよ!


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