か、快適…!
以前、BOOK LAB TOKYOのWi-Fi環境改善をレポートしたギズモード編集部ですが、実はこのころ、編集部もWi-Fi環境に問題を抱えていました。
ギズモード編集部並びに姉妹メディアでは人員が増加傾向にあります。それにともなって「ネットが遅い」「つながらない」といった問題が表面化してきていたのです。
特にギズモード編集部は、通常の記事のほかにもFacebook Liveの配信を行なったり、新製品発表会のリアルタイム更新を行なったりすることもあり、Wi-Fi環境の良し悪しが仕事のノリにダイレクトに響いてきます。
「もっとWi-Fi環境よくならないですかね?」
ことあるごとに会社に訴えていたら、ついに朗報が舞い込みました。会社がWi-Fi環境の改善に乗り出したのです。

導入されたのはシスコシステムズ(Cisco Systems/以下シスコ)の「Cisco Meraki」でした。設定などをすべてクラウド上で行うため、管理がしやすく、遠隔地から状況確認や設定変更できるという特徴を持った「クラウド型」のWi-Fi機器です。
前回のBOOK LAB TOKYOの記事でも登場した「Cisco Meraki」。まさかこんな身近に導入事例が生まれるとは。
ギズモード読者の中にも会社のWi-Fi環境がイマイチで困っている人がいると思いますが、そんなあなたに改善のヒントをお届けするチャンス! ということで、ギズモードの運営会社であるメディアジーンの情報システム担当者、漆田征史さんと榊智子さん、さらにシスコのマーケティング担当である南百瀬玲雄(なもせ・れお)さんに、今回の導入に至る経緯やポイントについて語っていただきました。
漆田さんが「電話アプリを使っているとき、以前は音質やつながり具合などが最悪だったのですが(苦笑)、Cisco Meraki導入後は劇的によくなりました」と肌身で感じる改善はいかになされたのでしょうか?
人数も接続デバイスの数もデータ量も増大。これは大変だ
── いやぁついにWi-Fi環境が改善! 時々めちゃくちゃ遅くなることがあってホントに困っていたので、とてもめでたいです。やはり原因は従業員数が増えたことだったのでしょうか?

漆田征史さん(以下、漆田):そうですね。速度はもちろん、MACアドレス(パソコンやスマホなどを個々に識別するためのアドレス)の数が上限に達しそうになっていたことも問題としては大きかったです。以前のWi-Fi環境ではMACアドレスフィルタリング(MACアドレスを登録した機器のみがWi-Fiルータに接続できるようにする機能)を利用していたのですが、ここ数年、従業員の数が増え、パソコンの数はもちろん、スマホやタブレットなどそれぞれが持つデバイスも増えた結果、登録できるMACアドレスの上限ギリギリでの運用を余儀なくされる状況が続いていたんですよ。

榊智子さん(以下、榊):特に、ゲスト向けに各フロア1台ずつ設置していた無線アクセスポイントがパワー不足で。遅かったり不安定だったりということは認識していました。
漆田:社内用の回線は比較的安定していたのですが、ゲスト用の回線は、オフィスを引っ越す前の環境をそのまま使っていたのでパワーが足りていなかった。引っ越し当時はまだ問題なく使えたのですが、会社の規模が大きくなるにつれ接続端末数が多くなったこともあり、環境が悪くなっていったというところですね。

南百瀬玲雄さん(以下、南百瀬):扱うデータが昔よりも大きくなっているという要因もあると思います。高画質の動画など、大きなデータを当たり前に扱うようになると、厳しくなってきますね。
漆田:あとはクラウドサービスが普及して頻繁に利用するようになり、ネットに接続する回数や時間が圧倒的に増えたのも要因の1つかなと。
── 会社の規模が大きくなるにつれ回線が逼迫するという例はよくあるのですか?
南百瀬:ありますね。特にスタートアップの会社に多いかと思います。最初は 従業員も少ないので、比較的簡単に手に入る コンシューマ向けの製品を買って、一応つながるからいいかと使っているんですけど、気づかない間に扱うデータ量が大きくなり、端末も増え、従業員も増えて、使いものにならなくなるというパターンです。
Wi-Fiが見える! 直感で分かりやすい管理画面が決め手
── ネットワークの見直しはどのように進めていったのですか?
漆田:Wi-Fiがつながりにくいという声がよく聞かれるようになって、今年(2018年)の2月くらいから検討を始めました。ところが、以前の環境をそのまま維持してバージョンアップをしようと見積もりを出してもらったところ完全に予算オーバーで。加えて、弊社がフリーアドレスを導入して、従業員はどのフロアのどの席で仕事をしてもいいということになったので、この機会にゼロベースで見直そうということになりました。今回、ネットワーク関連の機器はほぼ100%入れ替えています。
── いろいろ比較検討したと思いますが、最終的にCisco Merakiを選んだ理由は?

榊:管理しやすいことですね。管理画面が見やすくて、一覧性がよく、直感的に分かるんです。それもあってトラブル時にも迅速に対応できそうだという点が決め手となりました。また、Cisco Merakiはクラウドを使って複数拠点を一括管理できるのもいいですよね。弊社は東京と京都に拠点があるのですが、京都には情報システム担当者がいないので、京都でトラブルがあると、復旧までにいろいろと時間がかかってしまうんですよ。その点Cisco Merakiなら、京都にある機器の状況も東京で把握できるし、故障している機器のLEDを点灯させることもできるので、復旧のガイドもしやすいと思います。
南百瀬:仮に機器を交換しなければならないという場合、以前なら現物を持って現地に行き、エンジニアが交換から設定まで行なう必要がありましたが、Cisco Merakiならば設定済みの機器を郵送して、現地の従業員に交換してもらい、電源を入れてもらえば、それで作業終了です。
漆田:京都で不具合が起きた場合、以前はメールや電話で状況を聞いたり、機器の写真を送ってもらったりして「次はこうしてください」というやりとりをしていました。これはお互い負担も大きいし、うまく伝わらないと「指示が悪かったかな」とか反省することもあったりして…。そういうことがなくなるのではないかと期待しています。

南百瀬:今回はスイッチングハブとアクセスポイントをCisco Merakiシリーズにしていただいたということで、それらすべてがWebブラウザ上の1つのダッシュボード で確認できます。
榊:しかもネットワーク構成図を自動で作ってくれるのが素晴らしい! 機器をイラストと線でつないで図にしてくれるんですよ。

漆田:ネットワーク機器を導入したり増設したりする場合、社内や工事会社への説明の際に必ずネットワーク構成図が必要になるんです。これまでは、PowerPointを使っていちから資料を作っていたのですが、その手間がかからないのは本当にありがたい。
各従業員がどのフロアにいるか分かるようになるかも
── ほかに、ここはよかったなと感じた点はありますか。
漆田:機器のアップデートを自動で行なってくれるところですね。
南百瀬:Cisco Meraki自体、常に最新の状態にアップデートされるので、システム管理者の方の負担はかなり減らせると思います。
榊:あと、個人的に期待しているのがAPI連携ですね。Cisco Merakiは、APIを使って個人の端末がどのアクセスポイントにつながっているのかが分かるので、やり方次第では誰がどのフロアにいるのかを知るプログラムができるのではと期待しています。フリーアドレス化して以降、誰が会社に来ているのか、どのフロアにいるのかが分からないという状態がしばしば起こっているので(笑)。
南百瀬:API連携の事例は、国内ではまだあまり多くありませんが、海外では独自開発したアプリとCisco Merakiを連携させて、より付加価値の高いサービスを利用するケースも増えています。Cisco Merakiはスタートアップのような小規模の拠点でのWi-Fiアクセスポイントととしても、もちろん使えますが、API連携をして本格的な使い方にも対応できる、スイートスポットが広い製品だと言えます。
榊:付加価値サービスの例として、具体的にどのような事例がありますか?
南百瀬:実は、榊さんが欲しいと言われた勤怠管理システムのようなものも、海外では既にあります。Cisco Meraki は、Bluetoothの電波をキャッチする機能も搭載されているので、ビーコン的なものを従業員の方に持っていただければ、誰がどこにいるのかを把握することも可能です。また、FaceBook Wi-Fiの機能も実装しているので、店舗などに設置したCisco Merakiからお客様の属性情報を集めて、マーケティング施策として利用することも可能です。
漆田:今回はスケジュールの都合で見送ったのですが、将来的にはより高いセキュリティレベルのネットワーク構成も検討したいなと思っていまして。フリーアドレス化や、いろいろな働き方をする従業員も増えてくると思うので、今までのセキュリティ対策より一歩高いレベルのネットワーク構築を検討したいのですが、そうなると外部サーバーとの連携も必要になってきます。その辺りCisco Merakiは対応しているということも、今回選んだ理由の1つです。
運用コストを考えるとCisco Merakiは十分価格に見合っている

── 価格面はいかがでしょうか。
漆田:シスコさんの製品は、非常に高機能かつ使いやすいものですが、やはりその分、価格もハイグレードだったりします(笑)。でも、運用負担ですとか、今後のランニングコストを考えると、十分ペイできるという判断で導入に至りました。
── 検討した中には、もっと安価なシステムもあった?
漆田:そうですね。その代わり、こちらの運用負担がそれなりに求められてしまうという面がありました。導入後にネットワークでトラブルが発生した場合、その間仕事がストップしてしまう。そういうことを考えると、Cisco Merakiは十分価格に見合っていると認識しています。
南百瀬:メーカーの立場で少し補足させていただきます(笑)。Cisco Merakiにはさまざまなラインアップがありますが、今回選んでいただいたのはMR52というハイグレードな機器を中心にした構成となります。メディアジーンさんでは、業務上かなり大きなデータを取り扱うので、正しい選択だと思いますが、下位モデルを選んでいただければ、コストを抑えることもできますよ。
── 今回は何台導入したのですか?
榊:東京は4フロアありまして、MR52を1Fに2台、2Fと4Fと6Fに3台、合計11台です。京都はMR33を4台。フロアの広さや接続人数、そしてコストメリットを考慮した構成になっています。またフロアの拡張などがあれば、機器の増設も考えています。

── 導入後、フロアの拡大に伴い順次増設するという事例もありますか?
南百瀬:もちろんです。一度ご採用いただいたお客様から、追加でご注文をいただくケースはとても多いです。また、このCisco Merakiですが、これから導入を検討されているお客様にとって、とてもうれしいプログラムがあります。実は、かなり頻繁にCisco Merakiのデモや事例を、Web経由で分かりやすく説明するウェビナーを開催しており、しかもこちらのウェビナーにご参加いただきますと、受講後にCisco Meraki製品を無償でプレゼントさせていただいております!(※) 悩まれている方には、是非このCisco Merakiのウェビナーにご参加いただき、まずは使っていただきたいですね。
※プレゼント(無償検証機)のお受取には一定の条件が適用されます。
── Cisco Merakiを導入することで、情報システム担当者の働き方も変わってくるのでは?
漆田:我々は事実上2人でシステムを担当しているということもあり、今回の導入に関しては、ほかの業務で手が回らなくてもシステム保守に手がかからないなど、運用負担を軽くしたいという希望がありました。今後は生産性の高いことに時間を費やせる、リソースを割けるようになりますね!
つないでみたら分かる。Wi-Fi環境が安定していることのありがたさ
僕も、対談を終えてギズモード編集部を訪れ、ノートパソコンを開き、新しいWi-Fi環境を初体験しました。

するとどうでしょう! 以前とは比べものにならないほどWi-Fiが安定しているのです。これには、ギズモード編集部一同、大変喜んでおります。
通信は、今では水道、電気、ガスに続く第4のライフラインといってもいいくらい生活に密着したものとなりました。そのため、我々は「つながっていて当たり前」という感覚になっています。この快適になった編集部のWi-Fi環境も、時間が経てば当たり前のものになり、なんとも思わなくなってしまうかもしれません。でも今の、この感動を忘れないようにしたいものです。
おそらく、今回のギズモード編集部と同じように、Wi-Fi環境の改善をしなければならないと思っているオフィスも多いことでしょう。さまざまな選択肢がありますが、その1つにCisco Merakiも入れて検討してみてください。ユーザーはもちろん、システム担当の方にとっても大きなメリットがもたらされることでしょう。
Source: Cisco Meraki