今なら確実に空き家、シメシメと思ったんでしょうか…
HUAWEI(ファーウェイ/華為技術 )の孟晩舟(メン・ワンツォウ)副会長逮捕のニュースで世界中が揺れるのをよいことに、カナダにある孟副会長の家に日曜未明、空き巣が入っていたことが明らかになりました。上の写真がそのお家。2009年夫婦で購入したものです。
日曜朝一の空き巣
バンクバー警察によると、通報が入ったのは朝5時半。空き巣は家に押し入り、たまたま家にいた人と対峙し、そして逃げました。署で現場検証を行い、現在犯人(複数)の行方を追っています。
渦中の孟副会長は昨日、保釈金1000万カナダドル(約8億5000万円)で10日ぶりに保釈されました。こちらがそのときの映像です。
Breaking: #Huawei CFO Meng Wanzhou has just exited the B.C. Supreme Court after 10 days in custody. pic.twitter.com/VNGM6gjgTr
— Alex Migdal (@alexem) December 12, 2018
ほおがゲッソリ削げてしまったようにも思うんですが、創業者令嬢がノーメイク、スーパーの袋を持たされての保釈、ですよ。美人だからあまり差がないけど、なんとまあひどいことするもんだ…。
トイレットペーパーのように長い保釈の条件
孟副会長は保釈にあたり、次の条件をすべてのみました。
1. パスポート剥奪
2. 足首にGPSバンド装着
3. 毎日午後11時~朝6時は外出禁止
4. 逃走を見張る365日24時間体制のホームセキュリティの費用は自腹
5. カナダの家2軒を担保に入れる
6. 逃走した場合は保釈金300万カナダドル(約2億5000万円)以上を不動産会社と保険会社が支払うことで合意
7. 残りの保釈金700万カナダドル(約6億円)はキャッシュで自己負担
「外交カード」の価値に突如目覚めるトランプ
いちおう中国政府は、貿易停戦の雪解けムードを逮捕の怒りでぶち壊しにしないよう、慎重姿勢を保っているとアメリカでは報じられています。ただ、それに水を差すかのように、ホワイトハウスでは孟副会長を「外交カード」に利用するという危ない発言をしている人たちも。「そんなことしたら中国の逆鱗に触れるだけだし人質じゃないか」とSlateに釘を刺されています。
トランプ大統領も、今回の逮捕についてはノータッチ(正確には事前に知らされてなかっただけなんだけどそれはさておき)の姿勢を保ってきたのですが、保釈が決まって、やれやれ~と世界が胸をなでおろした途端、「貿易で最高に有利なディールが引き出せるときには自分も介入する」とか急に言い始めています。余裕のあるところをアピールしようと思ったのかもだけど、「なんだ、やっぱり交渉には孟副会長カード使う気なんじゃん」と中国が警戒を強めていますよ…。
政治の道具と立証できれば身柄送検なしの可能性も
まあ、しかし、トランプ大統領の発言で政治カラーが強まれば、カナダの裁判所は「人種差別・政治圧力」が理由の逮捕は認めないはずなので、米国に身柄を引き渡さない可能性も高まります(副会長側弁護団もその線で攻める模様)。その意味では孟副会長にとっては福音とも言えそうです。
今後の流れですが、アメリカは逮捕日から60日以内に証拠そろえて身柄の引き渡しを求めなければならなくて、カナダは受理後30日以内に応じるかどうかを決めます。身柄引き渡しとなれば、孟副会長側からは控訴の雨あられなので、自宅謹慎が何年も続くことも考えられるとCNNは報じていますよ。
カナダ元外交官がいきなり中国で身柄拘束される
いちおう中国側も月曜夜、北京訪問中のカナダの元外交官Michael Kovrigさんの身柄を拘束したと報じられています。理由はこちらも不明。タイミング的に見て孟副会長逮捕つながりとみるのが自然かと…。
Kovrigさんは北京、香港駐在外交官、国連勤務を経て現在は、ブリュッセルに本部のあるNGO「国際危機グループ」北東アジア地域担当上級顧問として香港で働いています。カナダのトルドー首相とも近い関係。カナダ政府の上の人たちからは「そんなことやっても、裁判はちっとも有利にならないんだから馬鹿な真似はやめろ」って言われてますよ…。
冷蔵庫のハイアール会長もげんなり
逮捕で出張を見合わせるのはアメリカ側だけじゃないようで、中国家電最大手「ハイアール」の張瑞敏(チャン・ルエミン:Zhang Ruimin)会長兼CEOもBloombergのインタビューでこんな風に語っていたのが印象的です。
「ずっと人権を守る国家を標榜してきた米国が、根拠すら示さずに逮捕するんだから、こんな恐ろしいことはない。アメリカに出張する人はみな戦々恐々だろう」
ほんと、早く解決してくれるといいですね…。