ジョニー・アイブ心の師、ディーター・ラムスによるバッグ! しかも今、買える

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  • author 福田ミホ
ジョニー・アイブ心の師、ディーター・ラムスによるバッグ! しかも今、買える
Image: Gerhardt Kellermann, Munich

50年以上前に個人的に作ったデザインが今、公開。

iPhoneやMacBookなど、Apple製品を選ぶ大きな要因となるのはデザインです。そんなAppleのデザイン責任者、ジョニー・アイブ氏が強い影響を受けたことでよく知られているのが、工業デザイナーのディーター・ラムス氏。ラムス氏は家電や家具のデザインで有名ですが、じつは55年前に1点だけハンドバッグを作ってたことが発覚しました。しかもそれが今、買えるんです。上の画像がそのバッグなんですが、たしかにミニマルで端正で、使いたくなるデザインじゃないでしょうか。

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Image: Gerhardt Kellermann, Munich

ラムス氏は1950年代からドイツの電気器具メーカー・ブラウンの工業デザイナーとして、レコードプレイヤーやフィルムプロジェクター、コーヒーメーカー、電卓などなど数々の名品を生み出しました。彼はわかりやすさ・使いやすさを重視する思想と、それを美しさと両立させるミニマルなデザインによって高く評価され、その作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)を始めあちこちの美術館・博物館に収蔵されています。今回公開されたバッグ写真の中にも、テープレコーダーやプロジェクターといった作品が登場しています。

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Image: Gerhardt Kellermann, Munich

収納システムや椅子などのデザインでも知られるラムス氏ですが、バッグのようなファッション製品は、少なくとも今まで、世に出したことがありませんでした。でもじつは1963年にひとつだけ、ハンドバッグをデザインしていたことが発覚したのです。当時彼は電気シェーバーのケース作りでドイツの皮革工房とのつながりができ、そこで愛妻・インゲボルグさんへのサプライズプレゼントとしてバッグを作ることを思いついたのだそうです。

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Image: Gerhardt Kellermann, Munich

そして今そのハンドバッグが革製品ブランド・Tsatsasによって復刻されました。厳密には完全なコピーではなく、取り外し可能なショルダーストラップが付け加えられていますが、その方が機能的で、有意義な追加じゃないでしょうか。55年前に作られたものでも古臭さなんてまったく感じられない、タイムレスなデザイン! 発売に際し、ラムス氏自身もNew York Timesにこんな言葉を寄せています。

言うまでもなく、私はこのバッグを、他のものと同じようにデザインしました。ただこのバッグはもっと個人的なものなので、多少感情的だったかもしれませんが。

でもなぜ今?と少し不思議ではあったのですが、ラムス氏自身が語ったところによると、理由はいくつかあるようです。ひとつは、Tsatsasの人たちと出会い、その人柄やデザイン思想に共感できたこと。Tsatsasは2012年にEsther Tsatsasさん・Dimitrios Tsatsasさん夫妻が立ち上げた若いブランドですが、シンプルながらも手作りで上質なバッグや小物を丁寧に作っています。またラムス氏には、長年連れ添ってきた奥さんに捧げたいという思いもあるそうです。さらに最近、彼を主題とするドキュメンタリー映画『Rams』も公開されていて、いろいろと集大成のタイミングなのかもしれません。

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Image: Gerhardt Kellermann, Munich

ラムス氏デザインのバッグ「0931」は、ブラックとグレーの2色展開。カーフスキンを使ってドイツの工房でひとつひとつ手作りされ、シリアルナンバーが入ります。内部は深いブルーのラムレザー使用で機能的に仕切られ、ケース入りのミラー(高級な女性用バッグに付いてきがち)も付属してきます。

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Image: Gerhardt Kellermann, Munich

価格は税込900ユーロ(約11万5000円)で、TsatsasのWebサイトとドイツ・フランクフルトにある店舗で購入可能。Web経由で日本からも買えるのですが、日本を含めEU外から買う場合は価格が756ユーロ(約9万7000円)+関税・消費税となるようです。気軽に買えるお値段じゃありませんが、多分これから50年経っても使えるであろうデザインを考えれば、全然アリじゃないでしょうか。

Source: TSATSAS, Gerhardt Kellermann

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    Source: Tsatsas via New York Times