来年の豊富は、コイツでVlogやることです。
ついに日本でも出荷がスタートした「Osmo Pocket」。ICレコーダーみたいなサイズで3軸ジンバル(スタビライザー)がつき、おまけにモニターも搭載した4K60pカメラ。これさえ持っていけばビデオはOK!と思わせてくれます。これが4万4900円って、すんごい時代になったもんです。ちょうどPayPay祭りだったし、注文した!という方も多いのではないでしょうか。
これは何?:超激安3軸ジンバルつき4K60pビデオカメラ
価格:4万4900円
好きなところ:夜景だって難なく動画撮影できるポテンシャルの高さ
好きじゃないところ:オプションが入手難。一部はまだ価格すらわかっていない
スマートフォンのカメラ性能が高くなった現在、あえて単体のカメラを買うには理由が必要です。超望遠レンズが使える。Yes。超広角が撮れる。うんうんYes。父親から譲ってもらったオールドレンズが使いたい。まったくもってYes。モノとしてカッコいいもアリですよね。
「Osmo Pocket」を手にするもっともな理由は、圧倒的な動画の安定性ですね。スマホの手ぶれ補正を超えるスタビライズ性能がほしいならもはや迷う時間すらもったいない。
なにせ夜の手持ち動画撮影でコレですから
撮影した動画をコマ送りしてみると、動いているシーンでも各フレームがビシッと止まっています。これは速めのシャッタースピードで撮っている証拠。暗部に湧いてくるノイズは二の次で、カメラセッティング&物理スタビライザーでシャープな映像となっています。
もちろん日中の撮影も極めてシャープ。葉の1枚1枚のディティールも見てとれます。センサーサイズは1/2.3インチと小さめなれど、4Kの解像感を活かせるレンズが使われていることがわかりますね。
スマホも4K撮影対応モデルが増えてきましたが、ビットレートが低めで動きのある部分のディティールが失われがちですし、ダイナミックレンジが狭く白飛び・黒潰れが多いんですよね。静止した写真だとあまり気になりませんが、動画だと「まだまだかな」という印象を受けます。
また、特に電子式手ぶれ補正を搭載したスマホは夜景が苦手。なめらかな映像を作ろうとしてなのか、シャッタースピードを低めにすることで各フレームが流れてしまいがち。その上でソフトウェアでブレを抑えようとするものだから、プロジェクターのスクリーンが風で揺らめいているような異世界感のある映像になってしまうことがあるのです。
なお、これはファームウェアアップデート前のGoPro Hero 7 Blackにもいえることだったりして。(最新ファームウェアのGoPro Hero 7 Black、手ぶれ補正力をさらに強化してきました。これはこれでチェックする価値あり。)
Osmo Pocket、個人的にはハイクオリティなスローモーション動画が手軽に撮れるのがサイコーにグー。スマホでもGoProでも撮れますけど、ビッとした垂直線を出しながらの撮影は、Osmo Pocketがもっとも撮りやすかった。ただ、本体のみで撮影すると画角のセッティングがしにくいというデメリットはありますが。この問題は静止画を撮影するときに、より効いてきます。
写真を撮るためには使いたくない
物議を醸しそうではありますが、個人的見解としてそう書いておきます。前述のとおり、どノーマルの状態だと画角のセッティングがしにくいことが、かなりのストレスとなりました。というのも、縦方向は本体モニターの右端を上下になぞることでカメラが動いて調節できるのですが、横方向の調整はオプションのコントローラホイールかスマホを接続する必要があるのです。本体のみの場合はFPVモードかフォローモードで本体ごと向きを変えてえっちらおっちら調整しなければなりません。
真正面からハイチーズ、ならいい。
画像合成からのワイドなパノラマとか、超広角撮影もいいんですよ。これは楽しい。
でも日常的に使いたいものではありません。
ハイアングル&ローアングルを含め、自分で画角をコントロールするとなると、手間がかかっちゃう。また1枚のなんとなくなスナップ撮影をするにも、何段かのプロセスが必要な印象を受けます。

ケースから、ジンバル&カメラに負荷がかからないように取り出す・収納するという儀式からして、覚悟を決めて臨む感じになるんですよね。スマホやレスポンスの速いデジカメはストレスなく撮影できることに特化したデバイスなのだということが改めてわかります。
だからこそOsmo Pocketは、動画撮影をもっと気楽に楽しむためのカメラだなって思うんです。そう考えたほうが精神衛生上いいんじゃないかって。
無駄がないとみるか、機能を切り落としすぎたと判断するか

従来のカメラつきOsmo/Osmo +は、ディスプレイとしても使うスマホとのペアリングが面倒でした。カメラの性能は良かったのですが、手間がかかることが大きなストレスとなることを僕らに教えてくれました。
Osmo Pocketはどうでしょうか。付属品は扱いやすいケースに、Lightning・USB Type Cの脱着式コネクタ。スマホと直結すると専用アプリが自動起動します。グッジョブ。有線接続が可能となったことでほぼノーセッティングでゴーイングです。
しかし、Osmo Pocketにはワイヤレス機能がついていません。1インチのディスプレイを持つOsmo Pocketですが、ハイアングル・ローアングルで撮影すると画面が見えづらくストレスのゲージがぐんぐんと上がっていきます。ここでこそスマホに画面を転送してほしいのですが、ワイヤレス機能が、ない。
あと、Osmo Pocketには三脚穴もない。Osmo Mobile 2で採用して、ユーザーから喜びの声が上がった三脚穴が、ないのです。
「Osmo Pocket ワイヤレス モジュール」(7,600円)というオプションで機能を追加することはできるんですよ。でも商品発表後、わずかな時間で予約ができなくなりました。Osmo Pocket ワイヤレス モジュール、コントローラーホイール 、(GoPro互換マウントの)アクセサリーマウント、microSDカードがセットになった「Osmo Pocket 拡張キット」(1万4200円)も同様です。
さらにNDフィルター、充電ケース、防水ハウジングケース、延長ロッドは価格すら公開されていません。
いまできることで楽しもう

Osmo Pocketはハンディカム以来の、手持ちビデオカメラの再発明機といえる存在です。超コンパクト&超ハイスペック。しかしすべてのポテンシャルを引き出すにはオプションによるエンチャントが必須です。
実は来年リリースするスケジュールだったんじゃないかなあ。大人の事情があって、本体だけ先行販売することになったのかなあ。と勘ぐると、だったら本体のみ&本体+スマホで楽しめるとこだけ先行堪能すればいいですよね。

懐中電灯ホルスターに挿して、旅行中の風景を撮るとか、ね。
なお画角は26mm前後で、複数レンズを搭載したスマホの広角側と近いところがあります。それだけに自撮りは苦手です。狭いんですよね。でもNDフィルターのように、マグネットで装着できるワイドコンバージョンレンズが出るかもしれないという夢はある。DJIがやらなくても、他メーカーからでてくるかもしれませんよ。
また複数レンズつきスマートフォンを標準レンズ、DJI Pocketを広角レンズ、GoProを超広角レンズと捉えて、それぞれ得意なシチューションで活躍させるのもいいかも。それが一番ストレスなくなる方法かも。
Source: DJI