十人十色の思い入れ。
最近、カメラの話題が多くて編集部でもいつもその話で盛り上がっています。もちろんその熱さは記事でもお伝えしているのですが、ちょっと客観的過ぎたというか、肝心なところが抜けていました。
「ギズモードがカメラ好きなのはわかった。で、なんのカメラを使ってるの?」
ということ。あんだけいろんなカメラについて大騒ぎしといて、自分のことは全然喋んないじゃん!みたいな。
2018年も終わりがちかづいていますしせっかくの機会です。今回はギズモード・ジャパンの編集部員たちが使っているカメラを持ち主のコメントと共にお見せします。
綱藤「FUJIFILM X-E3」
フジフイルムの「X-E3」を使っています。とても気に入っているので、僕が死んだら棺桶にいっしょに入れてほしいです。
フジのXシリーズのなかでいちばん小さいのがX-E3なんですよ。僕は常にカメラを持ち歩くことにしているので、大きいカメラはツラいだけなんですよね。X-E3は小さいながらもしっかりと「フジの色」が出ますし、タッチパネルやAFスティックなどおさえるべきところをおさえている感じがしていて、とてもちょうどいいです。
角ばったクラシックな見た目は撮る意欲をそそってくれます。小さくてカッコよくて使いやすい、X-E3は僕にとって最高にちょうどいい1台です。
副編集長・金本「Narrative Clip 2&Pixel 3」

自分はけっこう昔のことを忘れていくタイプで、子供や学生のころの思い出はかなり少ないです。
だから、クラウド上のアルバムは外部記憶装置みたいなもの。日々シャッターを切ってはクラウドに同期させ、AIがいい感じに編集するアルバムが、私の思い出になるんです。
そんな自分が、スマートフォンと一緒に今でも使っているのが、「ライフログカメラ」と呼ばれるカテゴリの「Narrative Clip 2」。自動でタイムラプスを撮影していくこの「記憶屋」を、お出かけや行楽のときは首からぶら下げ、忘れっぽい自分に変わってすべてを記憶させてます。

神山「Sony α6300+SEL1670Z」

システム重量670gは、自転車で山を上るときに担いでいっても肩が痛くならないギリギリライン。画質と重量の妥協点がこのカメラとレンズの組み合わせ。本体手ブレ補正なんて飾りですよ、偉い人にはそれがわからんのです。
ごめんうそ、最近α7R IIIも欲しい…!

西谷「iPhone XS Max」

一番いいカメラとは?という問いには人の数だけありますが、僕の思う答えは「小さく・便利」です。常に携帯できる小ささと、なんでも撮れる&できちゃう便利さ。そう、スマホに勝るカメラなどこの世にない!
じゃあどのスマホなの?
ふふふ、「Pixel 3」がね……と惚気けたいところなんですが……「iPhone XS Max」です。もう、仕事道具としてはダントツのTOPでして。
ポートレート、パノラマ、写真はなんでもござれ。スローモーション、タイムラプス、動画もいけます。撮ったそばからバックアップ、加工もできて、AirDropで送れる。Maxを選んだのは、バッテリーがより持つから。
あぁ…。Pixel 3もAirDropできたら良いのにね。
山本「CANON EOS 7D」

使っているカメラを紹介する企画ながら、もうこのカメラに愛はありません。私物ではありますが、今メインで一番使っているのは編集部のミラーレスカメラ。2009年に発売された1.5kg(レンズ込み)の一眼レフなんて、今の時代だれが使いたいの?
しかし秒間8コマの高速連写は、当時のEOSで、1Dに次ぐ連写性能でした。連写をしているときのシャッター音と手にくる振動は、今のミラーレスカメラにはない魅力。今でも決して廃れない、古いSLが蒸気をあげて走るような格好良さがあります。
使う機会は本当に減りました。でも、新しいミラーレスカメラを買ってもずっと手元に残しておきたい、僕のなかの名機です。
吉岡「RICHO GR2」

その昔、カメラ初心者だった僕は、初心者用の一眼レフを購入しました。もちろん、それも最高の体験でしたが、常にカメラを持ち歩きたいと思ってた僕にとっては少し重すぎたのです。かといってスマホのカメラは嫌。で、そんな話をカメラ好きの先輩にしてた時にオススメされたのが「GR2」でした。
約251gという軽さ加えて、APS-Cサイズ相当のCMOSイメージセンサーを搭載、まさに求めていた軽さと画を実現してくれるカメラです。少し不安だった単焦点も、逆に写真を撮るときの迷いを払拭してくれました。必要とあれば自らガシガシ動くという楽しさも経験できます。今では必需品の仲間入り。今後も長い付き合いになりそうです。

副編集長・佐々木「CONTAX G2」

出会いは勘違いから。
「写ルンです」をのぞいて、初めて買ったフィルムカメラです。ライカのレンジファインダーに憧れて買ったんですけど、思っていたものとは違いました(ライカは二重像合致式。CONTAX G2は液晶インジケーターにより表示される)。レンジファインダーながらAF(オートフォーカス)ができる迷機です。
ゴツくて、重いので、気軽に持ち歩けるカメラではないです。そして、「ジージー」と立派な音で合焦しますが、AFの精度はそこまで高くはない、可愛いやつです。
どこに惹かれたかというと「不確実性」なんだと思います。ピントが合っているか、露出は適正か、それは現像しないと分かりません。もしかすると巻き上げのときにフィルムが途中で切れてしまうかもしれない。そういった想定外のことが起こるところに面白みを感じています。
最近のデジタルカメラはミラーレスカメラが主流になり、EVFになったことで撮影前と撮影後のイメージに差がなくなりました。でもそれって自分の想像力の範囲内の写真しか撮れないってことなのかなと。
なので、インスピレーションを与えてくれるカメラとして、CONTAX G2を使い続けています。

プロデューサー・尾田「PENTAX K-01」

当時すでに廃番で入手困難だったにも関わらず、初代Apple Watchのデザイン開発チームにマーク・ニューソンがジョインしているという情報にいても立ってもいられず買いに走ったK-01。
現代の最も優れたプロダクト・デザイナーの一人がデザインしたデジカメ(しかも日本製品)というだけで、単純なスペックを越えた価値があると信じて今も大切に使っています。シンプルで無駄のないラインで構成されたボディーやアクセントとなる赤と緑のボタン。一目でマークのデザインとわかる独特の個性が光る傑作です。
編集長・鈴木「FUJIFILM X100F」

クラシックな佇まいを残す富士フイルムのカメラ「X100F」です。FはForthのF。シリーズ4作目の最新式です。シャッターを切る前に記録される画が見える反面レイテンシーのある電子式のEVFと、写真にしたい瞬間を逃さない光学式のOVF、両方を切り替えられるハイブリッド式のファインダーとフルサイズ換算35mmのAPS-Cセンサーをもつスナップ写真のためのカメラです。
レンズのところに絞りリング、カメラの上側にシャッタースピードとISOのデュアルダイヤル、さらに露出補正ダイヤルを備え、フィルムカメラを思わせます。そうです、このカメラ、マニュアルで撮る楽しさを教えてくれるカメラです。そして色はみなさんお墨付きの「FUJIFILMの色」。僕が写真の色の話ができるようになったのはこのカメラを使ってからです。
フイルムメーカーの富士フイルムの哲学に触れることができるカメラです。
