火星で冷や汗クレーン・ゲーム。探査機InSightが地震計設置に成功

  • 7,194

  • author George Dvorsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
火星で冷や汗クレーン・ゲーム。探査機InSightが地震計設置に成功
Image: NASA/JPL-Caltech

500円で6回プレイできます(できません)。

11月26日に火星に上陸し、そのご先日火星より初のセルフィーを送ってくれた探査機「InSight(インサイト)」。このときは自撮り写真と共に、内部地震計「SEIS」を設置する予定地も撮影してくれました。

そして今、史上初めて火星に六角形の地震計が設置完了となりました。しかしその方法が、完全にクレーン・ゲームだったというからちょっと拍子抜けです。

ミッションの主任研究員ブルース・バナード氏は、NASAの記事でこのようにコメントしています。

地震計の設置は、InSightが火星に着陸するのと同様に重要な作業です。これはInSightが持つ最も重要度の高い機材で、我々の目的の3/4を占めるのです

ということで、こちらが地震計を設置しようとする姿です。

クレーン・ゲームの練習が火星探査に役立つだなんて、誰か考えてもみたことある? 地震計を捕まえて、これから地表に降ろしますよ

地上スタッフは白衣でクレーンの練習

このため、地球のスタッフはロボット・アームが適切に機能していることを確認し、InSight付近にある適切な場所を選定。彼らはカリフォルニア州パサデナにある、NASAのジェット推進研究所(JPL)に作ったテスト・ベッドにてレプリカを使用し、アームの扱いがカンペキになるまで練習していました。

181223_insight2
Image: NASA/JPL-Caltech/IPGP

そして本番が来たとき、InSightは地震計を静かに、本体から出来るだけ遠い正面の場所1.6m地点に置くことに成功しました。置いた場所から本体まで、ケーブル類が地表に均一になるよう考えられ、さらには次に設置予定の熱伝導プローブ「HP3」がおけるスペースも確保しています。

地震計が無事に設置されたことが、このツイートで発表されました。

ふー、長い一日でした。でも地震計を火星の地表に置けましたよ! ワタシはこのSEISを使って、火星地震から火星の鼓動を聞くことになります

実はまだやることがある

銅褐色のデバイスは、ちゃんと置かれたものの、実はまだ使用できるよう展開されていないんです。「SEIS」は現在2〜3度という非常にわずかな角度で傾いているので、水平にする必要があるのです。

今後数週間、NASAの科学者は、この装置で抽出されたデータを慎重に分析し、地球に返送される情報の信頼性と完全性をテストします。もしかしたら、チームはケーブル類が余計なノイズを拾わないよう動線を最小限に整えるかもしれません。そしてセットアップの最終段階では、ロボット・アームで地震計の上に耐風・耐熱シールドを配置して、センサー周囲の環境を安定させます。

プロジェクト・マネージャーであるトム・ホフマン氏は、次のように述べています。

InSightの火星活動のスケジュールは、我々が望んでいたよりも良好です。地震計が安全に設置できたことは、すばらしいクリスマス・プレゼントになりました

ひとたび「SEIS」が起動されると、地震波を検出して火星の鼓動であるマーズクェイクを聞くことができるようになります。科学者たちはかつて、火星にプレート・テクトニクスと呼ばれる硬い岩盤の層があることを確信しています。地球の規模とはケタ違いでしょうけれども、約100万年に1回発生する主要な地殻変動以前に起こる、小さな地震波の波紋を検出できるだろうと期待を寄せています。これが検出できれば、火星の地下の深さや構成などについて学べるのです。

「SEIS」の起動後は、「HP3」が東側のまた出来るだけ遠い場所に設置される予定です。これは1月後半になるとのこと。こちらもまたクレーン・ゲーム方式になるのでしょうか? 続報を楽しみにしておきましょう。

Source: Twitter (1, 2) via NASA

    あわせて読みたい

    powered by