視力検査で使われるフォントから着想。「Optician Sans」ができるまで

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視力検査で使われるフォントから着想。「Optician Sans」ができるまで
Image: ANTI Hamar

フォントにこだわる人には、たまらないデザイン。

現在、無料でダウンロード可能になっている「Optician Sans」フォントは、もともとノルウェーの眼科Optician-Kのリブランディングプロジェクトとして、デザイン会社ANTI Hamarによって誕生しました。Fast Companyがこのフォントの成り立ちについて明らかにしています。

インタビューによるとOptician Sansフォントのモチーフとなっているのは、1862年にオランダ人眼科医のHermann Snellenさんが患者の視力を測るのに開発した文字デザイン。ANTI HAmarは新たなフォントを作るにあたって、スネレン試視力表で使用されていた10 文字(CDHKNORSVZ)をベースに、5x5 グリッドを適用しました。

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Image: ANTI Hamar

1959年、これに変更を加えたのがアメリカの眼科医 Louise Sloanさん。上記GIFの「E」など、特徴的なひげ飾りの部分が見直されました。のちにまた新たなレイアウトに変更され、現在世界中の眼科などで使用されているLogMAR視力検査が誕生しました。

ANTI HamarはOptician Sansフォントを作るにあたりSloanさんのデザインを参考にしましたが、AからZまでのアルファベットが揃っているわけではないため、たった10文字(そのうち母音にいたっては「O」の1文字のみ)をもとにアルファベットの文字と数字デザインを創り出す必要がありました。

Video: ANTI HAMAR/YouTube

ANTI Hamarでアートディレクターを務めるSimen SchikulskiさんはFast Companyに、次のように答えています。

いくつか変更が必要な部分もありましたが、それ以外の部分はかなり保守的にしました。

フォントでなく眼科検診のためにつくられたものであったため、もとの文字のままでは我々の想像していたところとはちがう形やサイズになっていました。

視力検査のために作られた文字では、たとえば「C」と 「O」を見分けるのを難しくしてあるなどの特徴があったため、デザインの変更が必要だったのです。

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Image: ANTI Hamar

タイプデザイナー でリスボンにある大学IADEでタイポグラフィーの教鞭をとるFábio Duarte Martinsさんも、同プロジェクトに参加。米Gizmodoの取材に対して、メールで以下のように回答してくれました。

視力表は視力を測定するためにつくられたものですから、たとえばストローク幅が均等であることが重要になります。我々はOptician Sansフォントを使って何か測定したいわけではなく、ビジュアル的に魅力的なフォントをつくることを目的としていました。

最後に、Martinsさんらは自分たちが楽しんだのと同じように人々がこのフォントを楽しんでくれることを願うと言っていました。現在、より多くの言語に対応できるよう取り組んでいるとのことです。

日本の視力検査ではアルファベットの「C」タイプが一般的ですよね。もし日本語版のOptician Sansフォントができたら、平仮名やカタカナはまだしも、漢字はどんな書体になるんでしょう。

Source: Fast Company, ANTI Hamar, YouTube

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