スマホが高価すぎる。
って思っているのはわたし一人ではないでしょう。出先で電話かけたりメールチェックするために、10万円も投資するなんてばかげてる。かといって便利さには代えられないですね...。もはや体の一部になってしまったかの感まであるスマホ。
でも、どうやら米国では価格のゲームチェンジャーが現れつつあるようですよ。iPhone優勢の現在の米スマホ市場を揺さぶる存在であることは確かなよう。米ギズモードのSam Rutherford記者が細かに報告してくれています。
米スマホ市場の寵児OnePlus
しょっぱなっから、OnePlus(ワンプラス)はスマホ市場を引っ掻き回してくれまたよね。
コスパを求めるナードたちやスマホマニアたちの間ではさかんに話題にのぼりましたし。 複数の製品を連発するApple(アップル)やSamsung(サムスン)と違い、OnePlusはたったひとつの機種を、年一回春に放ち、改訂版を秋にリリースすることによりのみ、人気を高めてきたんだから、えらいもんです。 OnePlus 6Tは今年はじめに出たOnePlus 6のリミックス版と考えられていました。でも、これがOnePlusをスマホ市場のビッグフェースにのし上がるきっかけとなり、とことん「よい端末」を求める人たちの人気を博したのです。

OnePlus 6T
これは何?:とってもお買い得なミドルレンジスマホ
価格:550ドル(約6万2000円・日本未発売)
好きなところ:仕様よし、投資する価値ありのスマホ。充電持続時間よし、Oxygen OS、ディスプレイ下の指紋認証センサー、入手しやすい、サポートよし(米国内)
好きじゃないところ:ヘッドフォンジャックなし、ワイヤレス充電なし、ストレージ拡張不可、防水弱し、ディスプレイ下の指紋認証センサーの動作にはもたつきも
米国でもっとも買いやすい端末にのしあがる
新しい市場の開拓について、以前のOnePlusはもっぱら口コミに頼ってきました。ファッションブランドなんかとタイアップしたりしてウェプサイトで販売を伸ばしてきました。スタートアップであったからこそ、それで大丈夫だったわけなんですが、アメリカ全土におけるSIMフリー端末の購入率が12%であることを考えると、そのままでは伸び悩みにぶつかるのは目に見えていました。ですが、OnePlusは6Tから米の携帯電話業者T-Mobileと提携し、T-Mobileが実店舗で販売展開をする初めてのスマホとなりました。さらに、OnePlusは米国の加入者数第一位のVerizonとも提携を結び、スマホで初めて全米をほぼカバーする広域なVerizonネットワークが使用できるスマホブランドにもなりました。いずれもスマホ初の試みです。
これにより、現在、全米のワイヤレス市場を使用する85パーセント以上の人々が実質的にいつでもOnePlusに乗り換えられるという状態ができあがっているのです。今までOnePlus端末が、唯一GSMネットワークに限定されていたことを考えると、これは大きな進歩です。T-MobileでOnePlus 6Tが買えることになり、通信料金に端末料金を含める月払いが可能になり、これで米国でもっとも買いやすく乗り換えやすい端末になったといえるのではないでしょうか。
画面下の指紋認証はじゅうぶん使える
さて、技術面いってみましょう。 OnePlus 6Tは半年前にリリースしたガラス製のデザインを踏襲しています。 いっぽう新機能も搭載されました。もっとも目立つ機能は「ディスプレイ下の指紋認証センサー」かな。Samsung、 LG、Appleと、指紋認証と画面のマリアージュはいたるところで開発努力が行われていましたが、ここにきてOnePlusが「本当の意味で使える」画面指紋認証を放ったのは、特筆すべきでしょう。(開発は親会社のBBK Electronics)

これはどういう意味を持つかというと、画面の大きさを犠牲にせずに、スマホのメイン画面に指紋認証をつけることができるということです。またコンパクトになった上部のティアドロップ型のノッチと組み合わせ、下部も少しだけ画面を拡大したことにより、OnePlus 6Tの6.4インチの「AMOLED」アクティブマトリクス式有機EL(Active Matrics Organic Light Emitting Diode)画面を文字通り目いっぱい楽しめるというわけなんです。
公称アンロック時間は0.34秒。OnePlusは、光学式指紋リーダーを統合したことにより、OnePlus 6の背面の静電容量式タッチセンサと同じくらい速くアンロックできるようになったとしています。
その仕組みは、画面下の微小なカメラ。画面下からあなたの指紋をキャッチ。アンロックすると緑の光が指紋に照射され、正確な読み取りを実行するというわけです。ほんとにシンプルです。スキャナに指を置くだけで楽チンにアンロック。ただし、本当に速くアンロックするにはちょっとコツが必要ですが。

センサによりヘッドフォンジャックが犠牲に
さらに使用感をよくするため、OnePlusはアンロックプロセスに3つのアニメーションを導入しています。指紋リーダーが機能しているかどうかをはっきりと目視で確認できるのです。指紋でアンロックするのにかかる時間はアニメよりもずっと速いため、アニメが動いている最中ずっと指を離せないということはありません。試していたら指を離すタイミングが速すぎた時もありましたが。まあ慣れれば大丈夫でしょう。
個人的には画面上の指紋認証だと指が横にずれているときアンロックが甘いような感がしましたが。まあ、他の指紋認証と違わず、 OnePlusの光学スキャナもまた動作が不安定なときがあります。すばやくアンロックできるときもあれば、ちょっと時間がかかることもあるんです。
残念ながら、OnePlus 6Tのディスプレイ下の指紋リーダーにもデメリットがあります。ディスプレイ下に光学センサを埋め込んでいるため、ヘッドフォンジャックを搭載できなくなってしまったのです。ですが、それでもOnePlusはジャックを別の場所に移すことを考えず、いさぎよくジャックをなくしてしまいました。
まあ、それはよしとしましょう。だって今、スマホ業界は全体的にジャックをなくす方向へシフトしているのですから。でもOnePlusとSamsungだけがジャックをキープしてきた最後のブランドであったからこそ、わたしたちがこれまで時代を超えて慣れ親しんできた「愛すべきジャック穴」がなくなっていくのを見るのは、寂しいかぎりですが。

コスパよし
OnePlus 6Tのそれ以外の仕様においては、Qualcomm Snapdragon 845のチップに、メモリは6GBか8GB。 ストレージが64GBから128GBに増えたのに、OnePlus 6Tの価格はOnePlus 6と同じ550ドル(約6万2000円)から。256GBモデルは630ドル(約7万1500円)で買えます。
バッテリーも3,300 mAhから3,700に大幅アップ。バッテリーの持ちが長くなったのはしっかりと実感できました。バッテリー寿命のテストでは、OnePlus 6の13時間3分に対し、OnePlus 6Tは14時間37分を叩き出しています。同じテストで、これよりも容量の大きな4,000 mAhのバッテリーを搭載し、高い解像度の画面を有するGalaxy Note 9の持ち時間が14時間11分だという事実を考えると、これは注目に値すると思います。
それ以外では、OnePlus 6Tの大きな向上点はポートレートモードとセルフィーモードでしょうか。新機能であるナイトモードはダイナミックレンジと光が少ない状況での画像のクオリティを高めるために設計されています。ただし、Pixel 3と比較してみたところ、OnePlusのナイトモードではノイズカットがかなりキツく施されている感じでした。加工された画像の明るい光がちょっと目立ちすぎる感じで、映像のエッジ部分の周囲にはハローが生じてしまっていました。 ナイトモードは暗すぎるときに撮影するにはよいツールですが、これがこの端末にとって重要なポイントかというと、特にそうとも言えないでしょう。
OnePlus 6Tの画像はリッチでも繊細でもない
Image: Sam Rutherford (Gizmodo US)

OnePlusのAIチューニングがあるのでPixelの画像のが正確に見えるが、OnePlusのほうがいい感じ
Image: Sam Rutherford (Gizmodo US)

OnePlusのAIチューニングはPixel 3よりもクリーン
Image: Sam Rutherford (Gizmodo US)

サチュレーションとシャープなディテール。この画像はPixel 3の方がすぐれている?
Image: Sam Rutherford (Gizmodo US)

OnePlusのAIチューニングはこんな感じ。ちょっとやりすぎ感もあるが、まあ許せる
Image: Sam Rutherford (Gizmodo US)

光の少ない場所での撮影では、Pixel 3のHDR+ モードに軍配
Image: Sam Rutherford (Gizmodo US)

サムネイルでは同じに見えるが、OnePlusのナイトモードはシャープがきつい
Image: Sam Rutherford (Gizmodo US)

OSもよし、でも画像はそれほど期待できない
通常の画像においては、OnePlusもご多分にもれずAIの波にのっかっています。AIで物体を認識したり、設定を微調整したりするのですが、OnePlus6Tではポップアップでもアイコンでも、その状態を教えてくれません。OnePlusはAIの画像編集においてあまり直感的ではなく、それはそれでまあよいのですが、AIが勝手に突然画像をビビッドにしちゃったり、明るくしてしまったりと、余計なお世話っぽく作動します。
まとめれば、OnePlus 6TではPixel 3ほどの画像は期待できません。それに近いものはありますが、一部ではGoogleの独自技術であるハイダイナミックレンジ合成HDR技術を上まわるパフォーマンスを発揮してくれています。ソフトウェアに言及するのは気がひけるのですが、OnePlusのOxygen OSは言及する価値ありと思います。数年を経た開発により、アニメーションはものすごくスムーズになっています。またアプリの管理に関しては、アプリのメモリ使用を考えず実際の使用に基づいて設定されているため、Oxygen OSはPixelよりもすぐれたOSなんじゃないかと思わせてくれます。誇張なく反応性は抜群。ビルトインのタークモードはうれしいおまけです。UIもカスタマイズでき、ナビゲーションセットアップのセレクションにいたっては、GoogleのOSにはありません。

華麗なるフラグシップキラー
正直、Pixel 3やGalaxy S9+はOnePlus 6Tと比較するとあくまでも上位のスマホです。ですが、これらのスマホに300ドル以上の追加投資をしたいかというと、それは別問題。今やプラス500ドルも出せばiPhone XSが買えるご時世ですよ? OnePlus 6Tはワイヤレス充電できないし、microSDカードスロットもありません。また公称の防水性もよくないです。
ですが、納得できる価格で、ある程度速くて、信頼性の高い端末がほしいなら、OnePlus 6Tは正直「買い」でしょう。バッテリーの持ち時間はすぐれているし、仕様も満足できるものです。まだあまり見られない画面下の指紋認証もスマートです。米ではキャリアのチョイスも広がり、ますます大衆にアピールしている。OnePlus 6Tは、1000ドルもするような高価なスマホには手が出せない人たちのためにあるのかもしれません。スタートアップから5年。OnePlusの最新機種OnePlus 6Tは、今やフラグシップキラーの名を冠すると言っても過言ではありません。

まとめ
- OnePlusのジェスチャーナビゲーション、スムーズさをとことん追求する姿勢、向上したアプリ管理と、ビルトインダークテーマなど、Oxygen OSはAndroidを凌ぐOSであると思わせる
- 画面下の指紋リーダーは、従来の静電容量式タッチセンサと変わらぬ速さであることを実証したが、 やはりときどき動作にもたつきが出ることは否めない
- 光学式の指紋リーダーへの変遷により、ヘッドフォンジャックを犠牲にすることに。でも3.5mmのドングルが付属
- OnePlusはPnePlus 6Tで、米国で初めて通信業者(T-Mobile)と提携し、実店舗での販売を展開するようになり、さらにVerizonネットワークも全米で使用できるように
- PnePlus 6Tは価格に対しスペックが高い。充電の持ちはガチですぐれている
スペック
Oxygen OS (Android 9 pieベース)・Qualcomm Snapdragon 845・メモリ6GB/8GB・ストレージ128GB/256GB・ディスプレイ下の指紋認証センサー・6.4インチ 2340×1080 AMOLEDディスプレイ・フロントカメラは16メガピクセル・リアカメラは20メガピクセルのデュアル・USB 2.0 Type-C ポート• デュアルナノSIMトレー・3,700 mAhバッテリー、スピーカーは底部・ボディサイズは6.2×2.9×0.32インチ(157.5×74.8× 8.2mm)・185g・AT&T、T-Mobile、Verizonネットワーク対応(米国内)・カラバリはミラーブラックとミッドナイトブラックの2色