実現したら最高のクリスマスプレゼントとなるのでは?
CNNとのインタビューの中で、大富豪でVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)社の創業者であるリチャード・ブランソンの口から、宇宙旅行ビジネスについて興味深い発言が飛び出しました。彼は、同社がクリスマス前に有人宇宙旅行を実現することに「かなり自信を持って」いて、イーロン・マスク氏のSpaceX(スペースX)やジェフ・ベゾス氏が設立したBlue Origin(ブルー・オリジン)といった競争相手に勝てると語ったのです。
順調とは言えない、これまでの11年間
CNNのRachel Crane記者は、長らく宣伝されてきた人類を宇宙に送り出すという計画、特にVirgin Galactic社で人類を宇宙に送ると初めて語った2007年から11年がたつも実現されていないと点を指摘したうえで、批評者たちが間違っていたと証明したいという意欲についてブランソン氏に質問。
ブランソン氏は「宇宙は難しいもの。ロケット科学は高度な論理です。私たちには14年かかり、ジェフ・ベゾスにも14年かかりました」と、来年、弾道飛行のチケットを発売し始める予定のAmazon(アマゾン)CEOの民間宇宙開発企業Blue Originに触れながら答えました。
Crane記者が注目したように、Virgin Galactic社はもう少しで宇宙に人を輸送できると約束しつつも達成できていないという歴史があります。しかもそれは、パイロットが亡くなって副パイロットが重傷を負った2014年のVSSエンタープライズの試験飛行の墜落事故で同社の大掛かりな計画が脱線する前のこと。さらに言えば、Virgin Galactic社が新たな宇宙船SpaceShipTwoで、再び有人テスト飛行を行なったのは今年に入ってからでした。それでもブランソン氏は、「私たちはクリスマス前にできる(人類を宇宙に送りだせる)とかなり自信を持っています」と語ったのです。
ブランソン氏自身も宇宙に行くかも?
CNNによれば、最初に宇宙を旅するのはテストパイロットたちですが、ブランソン氏も最初の乗客として旅行しようと計画しているとのこと(彼の子どもたちもVirgin Galacticで宇宙を旅する最初の乗客になる可能性があると言っていました)。しかし、同氏はCNNに対し、自身の搭乗は「まずは(テストパイロットたちが)何回か慣らし運転するまで許可されない」と語っています。
ロケットが動力となっているGalactic社の宇宙船SpaceShipTwoは、母機の翼の下から離れたあと宇宙へと飛び立ちます。ブランソン氏は、地上と低空で徹底的にテストされてきたと語っていました。
それでも、宇宙への初めての数フライトは「危険なものになる」とのこと パイロットたちは時速2300マイルでスペースプレーンを飛ばし、およそ8秒で最高速度に達するとブランソン氏は言いました。
もしVirgin Galactic社が、現時点ではあり得ないような締め切りに実際に間に合うなら、Blue OriginとSpaceX両方の宇宙への野心を砕くだろうとCNNは報じています。後者は現在、来年6月に予定されている有人ミッションに先駆けて1月に実施する同社Crew Dragonの無人テスト飛行の準備中です。
ブランソン氏は人類を宇宙に送り出す際は安全性が最重要だと語ったものの、Virgin Galacticが第一人者になると付け加えました。 果たしてどうなるのでしょう?