この顔。
ハワイにいるモンクアザラシたちに起こっている、珍妙な現象が科学者たちをざわつかせています。それはご覧の通り、ウナギが鼻にブッ刺さったこの姿。
これは一頭だけに見られるものではなく、何頭もがブラブラさせているとのこと。おそらくアザラシが鼻で海底を掘って餌を探すのが原因では? と見られています。
写真の一頭は、月曜日にハワイアン・モンク・シール研究プログラムのFacebookページに投稿されたもの。彼らは個体数を調査している団体で、アザラシたちは彼らによってウナギを抜かれ、無事に過ごしているとのことです。とはいえウナギが無事かどうかはお察しですが。
アザラシ界の新しいトレンド
アメリカ海洋大気庁の水産部門、NOAA FISHERIESが水曜日に投稿した記事によると、いまのところ3〜4回確認された現象で、「比較的新しい出来事である」と述べています。
私たちは40年間、ハワイのモンクアザラシを観察・保護しています。
ですが「鼻ウナギ現象」を見るようになったのはここ数年なんです。これがちょっと変わった統計的な異常なのか、それとも将来的にはもっと見られるのか分かりません
専門家にもわからないアザラシ界のトレンド。ですがNOAAによると、これはアザラシたちが捕食する方法と関連があるかもしれない、といういうのです。
ハワイアン・モンク・シールたちは、珊瑚礁や岩の下、または砂のクレバスに口と鼻を押しつぶして餌を探します。彼らはウナギなど隠れている餌を探すのです。
なのでウナギが逃げ場を探して鼻の穴に突っ込んでいったのかもしれません。もしくは一旦飲み込まれたウナギが、間違った方向に逆流してきたのかもしれません。本当の理由はわかりませんが
過去には呼吸困難になるほどの例も
研究プログラムは、2016年にも同じ現象を確認しています。そして研究者は、鼻ウナギ状態にいるオスのアザラシが、呼吸の度にゼーゼーと息をしていることを確認したため、救助することにしました。
その結果、研究者はそのアザラシをなんとか捕獲し、引っこ抜いたウナギの長さがなんと60cmもあったのだそうです。しかも鼻から飛び出していた部分は、たったの10cmしかなかったのです。
締めのコメントにはこうあります。
まるで奇術師が、魔法のハットから何枚も繋がったスカーフを引っ張り出しているようでした。最後はウナギの頭蓋骨が出てきたため、完全に取り除かれたと確信していますが……除去中にヒレやトゲがいくつかウナギから外れている可能性があります。アザラシに苦しむ様子はなく、出血もありませんでした
ウナギの防衛本能なのか、はたまたアザラシ界の流行なのか、いずれにせよ野生動物の世界は驚きに溢れています。
Source: facebook, Atlas Obscura, NOAA FISHERIES