とにかく渋滞が嫌い。
イーロン・マスク率いるThe Boring Companyが、LAのテストトンネル完成お披露目イベントを開催しました。イベントに招待された人たちは、今頃、一足先にトンネル移動を体験しているはず…。マスク氏が、トンネル事業についてのプレゼンを行なったので、その内容をさっくりまとめます。
ライブ配信されたイベントは、トンネル内に設置された36台のカメラ映像からスタート。トンネル内をTesla Model Xが走り抜けました。

Teslaの中には、案の定マスク氏が乗ってました。車おりて、みんなとハイタッチ。

イベントステージとなったのは、開通したトンネルの地下出口部分! トンネルをバックにプレゼンスタート。

なぜ、トンネル? 言うまでもないですね、渋滞が嫌いだからです。プレゼン全体で何度もでてきた、いかに渋滞が悪かというくだり。「心に酸ぶっかけられるようなもの」発言、もうとにかく渋滞が嫌いで嫌いでたまらんのだ!
トンネルの利点
・実質どこまでも深くできるので、幾重にも掘れて制限がない
・天候に左右されない
・地上から工事が見えない、聞こえない、邪魔じゃない
・高速道路と違って、地域を分断しなくていい
・道閉鎖と無縁

トンネル→3Dな交通手段
トンネル内を目的地まで直で結び、時速150マイルで移動できるという「Loop」システム。
マスク氏は、Loopという交通手段を「地下の3Dハイウェイ」と評しました。3Dとは、つまり前後左右上下に移動できる、増やすことができるということ。目的地の建物が3Dなのに交通手段が2Dだから、渋滞が発生する→ならばこちらも3Dだ、というワケです。従来のハイウェイ・高速道路と異なるのは、トンネルを必要な数だけ増やしていくことができるというところ。

イベント頭で、Teslaに乗ってLoopトンネル通って登場したマスク氏ですが、Loopを利用できるのはTesla車だけではありません。Loop専用の横向きガイドホイールを取り付ければLoopは通行可能なので、メーカーはどこでもOK。ただ、自動運転の電気自動車という条件がついています。Loopの出入り口となるステーションは、車2台ほどのスペースで設置可能。

ちなみに、今日のプレゼンではLAで開通したばかりのテストトンネルに建設されたLoopがメインでしたが、現在、The Boring Companyが手がけるトンネルは3種類。メインで注目を浴びるLoop、交通手段としてのトンネル。水や電気などを通す設備トンネル。水路としてのトンネルがあります。

トンネル事業をより拡大していくにあたって、当面の課題は掘削スピードとコスト。より早く、より安く掘れてこそ、普及していくというもの。掘削スピードをカタツムリと比較している場合ではありません。コスト削減のために、トンネルの直径を従来よりも小さく設定すること、電動機関車をしようすること、現場連携を強めることなどに取り組んでいます。掘った土砂をブロックとして販売するのも、その策の1つ。こうして日々前進し、いつの日か、LoopがHyperlookに接続する日が…。

プレゼン最後は「渋滞がなくなれば、家族や友人ともっと共に時間を過ごせます」でシメたマスク氏。もうね、とにかく渋滞が嫌いで嫌いで嫌いなんです。その嫌いという思いで、ここまでやってきました。
The Boring Companyにとって、今日は大きなマイルストーン。これからのトンネル交通普及を願って、まずはおめでとうございます!