最高速度はマッハ2.9。
ヴァージン・グループ会長のリチャード・ブランソンが設立した、宇宙旅行ビジネス「Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)」。彼らは12月14日午前7時11分より、モハビ砂漠の上で宇宙旅客機「スペースシップ2」をテスト飛行させ、地上80km地点に到達することができました。
80kmというと、50km地点の成層圏の上の中間圏、しかもその上の熱圏のすぐ下になります。実はここ、米連邦航空局の定義では、もう宇宙となっている場所なのです(当初の目標は地上100km)。
「クリスマスまでに」を有言実行
ではbOinGbOinGより、2機の旅客機に挟まれて上空へと連れて行かれる様子をどうぞ。
Lovely shot of takeoff! WhiteKnightTwo and SpaceShipTwo take to the skies pic.twitter.com/JFcSDVB9jR
— Virgin Galactic (@virgingalactic) 2018年12月13日
LA Timesもまた、ツイートや記事でこの出来事を報じています。
Breaking: Virgin Galactic reached suborbital space for the first time in a test flight Thursday, bringing Richard Branson’s company closer to flying its customers beyond Earth’s atmosphere. https://t.co/1DZ4dYYOYZ
— Los Angeles Times (@latimes) 2018年12月13日
かつて「クリスマスまでに宇宙へ!」と示唆していたことが現実のものとなりましたね。リチャード・ブランソンは、「14年もの厳しい年月でした」と悲喜こもごもを滲ませるコメントを発し、以下のように群衆に語りました。
ここに来るまで、涙と喜びがありました。人々は文字通り私たちをここに連れて来るために命をかけました。この日は私たち全員のためであると同時に、彼らのためでもあるのです
2014年には事故でパイロットひとりが死亡、ひとりが負傷した過去があっての重い言葉なのです。
「軌道」に乗れるか、Virginグループ
午前7時11分に離陸した「スペースシップ2」は、7時59分頃に親機から離脱。点火したロケットは、地上からは赤い点に見えたのだそうです。その後、8時15分に着陸し、無事にテストは成功したのでした。
今回のテスト飛行は、NASAのために4種類の実験をしつつ、乗客全員を乗せたのと同じ重量を積んで行なわれました。今後この旅客機は従業員を乗せたテスト飛行を繰り返し、ひとり25万ドル(約2800万円)のチケットで搭乗できるようにしていくとのこと。ブランソンいわく、すでに700名近い人たちが予約をしているというから、それも驚きです。
そしてブランソンはVirgin GalacticとSpaceship Co.それに小型衛星打ち上げを担うVirgin Orbitのため、開発費約1476億円を費やしてきたと話しています。
このテスト飛行で、ジェフ・ベゾスのBlue Originや、イーロン・マスクのSpaceXより、宇宙旅行競争で頭一つ抜きん出た状態となりました。
さぁ商業的に本格化するのは、どの企業が先でしょうか? 楽しみですね。
Source: Twitter (1, 2) via bOinGbOinG, Los Angeles Times