Yahoo! JAPANとは別ですよ。
米Yahoo!は、2017年にVerizonによる買収が完了し、その買収額は45億ドルもの巨額におよびました。先に44億ドルで買収されていたAOLと統合して、新たに「Oath」なるブランドも立ち上げられ、そのブランド価値(のれん)は48億ドル相当だなんて喧伝されていましたね。
勢いのあるスタートだったけど…
Verizonは、ISP(インターネットサービスプロバイダー)として多数の利用者を有しているほか、全米最大規模となるVerizon Wirelessでも膨大な携帯電話ユーザーを抱えています。そこへOathのコンテンツメディアとの相乗効果が出て、いざFacebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)、さらにはAmazon(アマゾン)さえをも迎え撃つ準備が整っただなんていわれてもいたのですが…。
このほどCNNが報じたところでは、2018年第3四半期のOathの売上高は、18億ドルにまで減少してしまいました。当初の予想では、2020年までに100億ドルを稼ぎ出す存在に育てあげられるはずが、大きな誤算になっているとのことですね。直近の状況から分析するに、Oathのブランド価値は、買収当初に計算されていた額の半分にまで落ち込んでしまったと、厳しい評価になっていますよ。
市場は厳しかった
Verizonの手がける、Oathブランドでのメディア事業は、2018年中に厳しい競争および市場圧力にさらされ、予測を下回る売上高および利益の決算しか発表できなかった。今後も厳しい見通しが続き、デジタル広告事業において、さらにライバル企業に市場を奪われる結果となりかねない。
Verizonは、決算発表の場で、こんなふうに説明しているそうです。CNBCによると、Verizonの新CEOとなったHans Vestberg氏は、なんら目立った価値を生み出せていないYahoo!やAOLの影響を問題視。1万人を超える社員に離職勧告を実施して、今後半年ほどで大幅な人員削減に踏み切られる計画が明かされています。Wall Street Journal(WSJ)の報道では、いまだにYahoo!とAOLの広告プラットフォームが統合できておらず、十分な利益につながっていないほか、肝いりの動画アプリとなるはずだった「Go90」の開発も頓挫してしまったとのことですね。
一時はインターネットメディアの雄として、数多くのユーザーを抱えて台頭した米Yahoo!の没落は、なんとも複雑な思いにさせられます。なお、Oathブランドのテコ入れには、幅広いインパクトもあるようで、Yahoo FinanceやHuffington Postも、実はOath傘下なので、今後の行方が危ぶまれていますよ。さらには、あのTumblrまでがOathの影響下にあるため、今後の事業の見直し次第では、さらなる大ナタを振るわれないとも限らないでしょう。
Source: CNN