日本人の研究員たちが、市販の望遠鏡を使って海王星の向こうに小さな天体を発見!

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
日本人の研究員たちが、市販の望遠鏡を使って海王星の向こうに小さな天体を発見!
Image: ESO/M. Kornmesser/ESA

星の輝きではなく、陰りを探しました。

京都大学の有松亘さん京都産業大学の神山天文台の新中善晴さん率いる研究員たちが、太陽系の外側の端にある小さなカイパー・ベルト天体(KBO)を観測しました。しかもネット通販で買える、望遠鏡をふたつ使っての発見なのだそうな……。

KBOは、太陽系の初期の頃に合体したものの残骸で、たとえば宇宙の雪だるま「MU69」のような小さな岩や、準惑星の冥王星とエリスなども同じような成り立ちです。しかし、1〜10kmの半径を持つ小さな天体だと、検出が不可能なことが多いにも関わらず、日本の天文学者たちが消費者向けの望遠鏡で見つけてしまったのです。

ちょっと変わった発見方法

KBOは信じられないほど薄暗く、地球から遠く小さいものなので、地上最大の天体望遠鏡ですら捉えられないことがあります。それ故に、科学者たちは発見方法について創造力を働かせる必要が出てきます。

これまでほかの人が外惑星を発見したのと同じように、天文学者たちは遠くの星の前を通るKBOのサインを探し、私たちに届く光の中でチカっと光る陰りと輝きを探し出すのです。

カスタマイズした望遠鏡

研究者たちが使ったのは、セレストロン社の1組6,000ドル(約66万円)の望遠鏡。彼らはこれに天体カメラ交換レンズをそれぞれに合体させ、望遠鏡の最大開口サイズをさらに広げて使いました。

全部にかかった費用は 16,000ドル(約175万円)となりましたが、一気に2,000個の星を同時観測できるようになりました。

観測は宮古島にある学校の屋上で、2016年6月25日から2017年8月1日の間に行なわれました。彼らは望遠鏡と天体の間を、ほかの天体が横切り一時的に観測中の天体が隠れる「掩蔽(えんぺい)」という現象を探したのでした。

ついに発見!

Nature Astronomyによりますと、ふたつの望遠鏡が観測した視野の中で、ただ一つの星から同時に光が急に失われる溝のような場所がデータに見られたとのこと。つまりそれは、とある天体が観測中の天体の前面を横切った証拠なのです。もしKBOがその原因であれば、それはおよそ半径1.3kmの天体が、望遠鏡に対して光の溝を作り出したと考えられます。

この研究に関与していない、カリフォルニア工科大学の天体物理学者コンスタンティン・バティジン氏は、この発見が大変魅力的なものだと話しています。

(この発見は)太陽系の外側領域の微細構造が、本当にどのように見えるかについて、重要な予備的洞察である

お高い望遠鏡を、わざわざ2台使用したことで、互いが観測した光の溝が鳥や飛行機ではないということを証明してくれます。ですがまだこの発見は、半径1.3kmの天体がある可能性を示唆する最初の証拠、というくらいなのです。そして彼らは以前行ったの調査に基づいて、蓋然性によりほかの可能性を除外し、「減光は小惑星帯や、そのたの太陽系の天体によって引き起こされるのではなさそうだ」と推理しました。

バティジン氏は重ねてこうコメントしています。

従来方法に則ったカイパー・ベルト天体の観測では、反射光しか見えません。なので、もし小さくて明るい、または大きくて暗いものを見つけてもわからないんです。ですが掩蔽を観測すれば、見ている天体の大きやや形を把握することができるのです

研究者たちは現在、より多くの掩蔽捜索を計画しています。もしも良い望遠鏡をお持ちであれば、星の輝きではなく流れ星が横切ったときの陰りを探してみてはいかがでしょうか?

Source: HIGI POINT, metabones, SankeiBiz

2019年2月1日:研究を率いていた方を誤認しているという指摘を関係者の方よりいただき、修正いたしました。記事内に誤りがありましたこと、お詫び申し上げます。

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