周回する惑星が小さいのもまた、ハードなミッションなのです。
新年早々から、探査機ニューホライズンズがウルティマ・トゥーレの画像を送信してくれましたが、今度は宇宙探査機OSIRIS-REx(オシリス・レックス)が、全幅約487mの地球近傍小惑星「101955 ベンヌ」の周回軌道に乗るという朗報が飛び込んできました。
2016年5月にミッションを開始したオシリス・レックスは、12月中に上空20mに到着しており、地表に水の証拠を発見していましたが……あれから予定通り、8秒間のスラスター燃焼を行い、小惑星ベンヌの周回軌道に乗ることに成功。
これからベンヌの中心より約1.6km地点をグルグルと回ることになります。
史上最小の周回ミッション
オシリス・レックスのチームが公開したプレス・リリースいわく、直径487mというのは人類の宇宙船が周回した史上最小の天体だと書かれています。
なんだか可愛らしいミッションですが、小さい天体を周回するのも大変な作業だったりするようです。その理由は、小惑星の微小で不均一な重力場。それに探査機が到着するまで、地上チームはどう周回させようか最終的な決定に至っておらず、何度も近接飛行をさせてから入射角度などの検討を繰り返したのでした。とはいえ一度周回を始めた今回以降も、微調整をし続ける必要があるようです。

新しい太陽系の天体に辿り着くのは、いつもワクワクします。今回のベンヌも、ニューホライズンズによるウルティマ・トゥーレ(別名「 (486958) 2014 MU69」)も、人類が製造した機器が到達した天体の中で、最も遠い場所での探査作業なのです。
ベンヌの持つ可能性
こんな小さな小惑星でも、もしかしたら我々の宇宙旅行に必要な水分や鉱物などの資源を埋蔵しているかもしれません。その反面、遠い未来に地球に衝突する可能性を孕んでいたりもします。映画『アルマゲドン』にならないためにも、オシリス・レックスはそれらの可能性を調査するのです。
これから探査機は、ベンヌのマッピングをして3Dモデルを作ります。そしてそれを基に、2020年の着陸とサンプル採取に役立て、2023年に地球に帰還する予定となっています。続報に期待したいですね。