Intel今年のチップは機能が充実。3次元チップもかなりアツい! #CES2019

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  • author 西谷茂リチャード
Intel今年のチップは機能が充実。3次元チップもかなりアツい! #CES2019
Image: Intel PR/Vimeo/

青コーナーから反撃の狼煙。

チップの出荷が遅れたり、プロセスルールの縮小に手こずったりと最近あまり調子が良くなかったIntel(インテル)が、CES 2019にて復活の雄叫びを上げています。消費者向けSoCの順当かつ大幅なアップグレードに加え、限界を突き抜ける新技術をアピール!

時代に合わせた最新SoC

Intel最新のラップトップ(モバイルPCデバイス)向けSoCシリーズ「Ice Lake」はあらゆる面で進化しているようです。まずCPUがしっかり10nmプロセスルールで、統合されているGPUは第11世代となり1 TFLOPの大台へ。しかもSoC単体でThunderbolt 3Wi-Fi 6規格に対応しているほか、AI処理に特化したDL Boostも搭載。クロック数やコア数はもちろん去年のSoCと同じか上のはずなので、まったく文句なしです。

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個人的に期待しているのはThunderbolt 3とWi-Fi 6の標準対応でしょうか。USB-C端子を搭載しているラップトップが軒並みThunderbolt 3に対応している世界なんて、いい世界に決まってます。Wi-Fi 6も、対応デバイスが増えれば増えるほど早く普及します。有線と無線のコネクティビティーがしっかり最新規格なのは、みんなが得ですよね!

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Image: Intel Newsroom

でもDL Boostに関しては、大事な一歩だけどインパクトは未知数という感じ。GPUの処理能力をグラフィックに集中させながらもAI処理が行えそうなのは大きな魅力ですし(従来だと強力なAI機能はGPUを活用することが大半)、ラップトップにAIが常駐してくれたら大助かりなのは明白です。でもこれらはRTXのレイ・トレーシングでもそうなんですが、このチップ機能を使ってくれるソフトウェアがないと意味がないんです。果たしてラップトップ向けのキラーAIアプリが現れるのか!? デベロッパーさんたち、よろしくお願いします。

あ、ちなみにIce Lakeが世に出回り始めるのは今年の冬辺りとのことです。

チップを積み重ねる時代

Lakefield(レイクフィールド)」と名付けられた革新的なSoCでは、各種チップを3次元的に組み合わせる技術を採用しています。その名も「Foveros(フォーヴェロス)」……。ギリシャ語で「驚愕の・素晴らしき」という意味だそうです。

おいおいちょっとカッコつけ過ぎじゃないのー?なんて思うべからず。めちゃくちゃスゴい技術でしてね。たとえば今回発表されたLakefieldでは、高性能なSunny Coveと省電力なAtom系のCPUコアをひとつの層に隣り合わせで組み合わせていて、その層をキャッシュと入出力チップの層に重ねています。さらにその上にDRAM(メモリ)をチップを2層も積み重ねているという、「半導体パイ」状態。

これまでだとSoCは一層のシリコンに各機能を焼き付けていて、メモリも別のチップを用意していました。これは言わば、土地を贅沢に使うアメリカの巨大な1階建てモールのような感じ。それがFoverosにかかると、ひとつの場所に積み重ねられるので、一気に4, 5階建てのモダンビルになるわけです。チップの都市化が始まった!

CPUコアを組み合わせる利点は、モバイルSoCでよく見られる「省エネ・コアと高パフォーマンス・コアの使い分け」が可能になること。長時間バッテリー高パフォーマンスを両立させられます。

そしてチップを重ねる利点は、主に省スペース化ですね。平面に並べていたチップたちが積み重ねられたので、マザーボード基盤がかなり小型化できるんです。下の画像が「フルPCマザーボード」ですって。

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Image: Intel Newsroom
スティック型PCのサイズ感にラップトップPC並の性能がのるイメージ?

今回のLakefieldはモバイル向けSoC第一弾なので保守的な方向性ですが、この技術をアグレッシブに活用したらとんでもないSoCが出来上がりそうな予感。たとえば、電源につないだときだけに駆動する超高性能CPUコア&GPUコア群とか。

排熱とお値段がOKだったら、この方向はプラスしかない気がします。Intel張り切ってる!

Ultrabookの次はギリシャの女神

これらIce LakeやLakefieldといったIntelの最新チップによってどんなプロダクト生まれるのか?に対しての答えがうーっすら出ていました。

初代MacBook Airの登場にアテられたIntelが、その応えとしてUltrabookを打ち出したのが2011年でしたね。でも近年はその枠にはまらないタブレットPCや、360度ヒンジの2-in-1コンバーチブル、はたまたキーボードの代わりに電子ペーパー・タッチディスプレイを搭載したものまで出現。IntelはこのままMacを置き去りにすべく、次の一手として「Project Athena(プロジェクト・アテナ)」を提唱しましたよ。そしてこちらの若干ダサ・カックイイ動画を公開。

Video: Intel Newsroom/YouTube

ユニークなWindowsデバイスはもちろん、Chrome OSを搭載したGoogle製Pixelbookもフィーチャーされていて、コンピューティング・デバイスの可能性をさらに広げたいという意思を感じますね。まぁ要は、Intelのチップを使えばこんな「デザインが革新的でバッテリー持ちいい、常時ネット接続が可能な高パフォーマンス・デバイス」が作れるよというアピールです。そして、Intelの基準にあったデバイスには、Intelが「これはAthena基準のデバイスだね」とハンコ押し。

でもそれ以上に気になっちゃったのが、MacやAppleが一切出てこなかったところです。MacBookがUltrabookでなかったことを考慮すれば当たり前のようにも感じますが、最近のArm系Macの噂を考えると「え、そういうことなの?」と勘ぐってしまいます。

青コーナーの盛り上がり、かなり良いですね。でもこれは、赤コーナーが頑張ってくれたおかげだと思うんです。だから最後はこの言葉で締めます。

ありがとうAMD!

Source: Intel Newsroom, Wiktionary,

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