ブラウザのプライバシーが気になるなら、拡張機能も要チェック。
みんな使ってるWebブラウザですが、そこではニュース閲覧とかガジェットの買い物みたいな当たり障りのないことから、エログロみたいな当たり障りのあること、「パンチパーマとアイパーの違い」みたいな誰得な調べ物まで、やりたい放題やっている人が少なくないと思います。でもMozilla(モジラ)やGoogle(グーグル)といったブラウザのデベロッパーは、やろうと思えばユーザーのいろんなデータを見ることが可能です。
ブラウザに拡張機能(呼び名は機能拡張、アドオンなどいろいろですが)を追加している場合、その機能のデベロッパーからもいろんなものが見えてしまいます。拡張機能はイメージ的にはブラウザに依存している感じがしますが、実際はそれ自身でデータの送受信をしています。
なので、拡張機能は信頼できるものだけにすることが超大事です。ほとんどの拡張機能は悪意を持って作られたものじゃないんですが、あやしげなことをする人はどこにでもいるものです。実際、人気のある拡張機能のコードを見てみたら裏で余計なデータを収集してた…なんて例はよくあります。インストールする拡張機能の数は最小限にして、それらに何を許可しているのか把握するようにしたいです。
拡張機能の選び方
スマホ上のアプリと同じように、ブラウザの拡張機能はユーザーからいろんな許可を得て動いていて、何を許可するのかはたいていインストール時に表示されます。ただ許可の範囲を細かくいじったりはできないことが多く、たいがいは許可を全部受け入れるか、拒否してインストールをあきらめるかの二択になります。

アクセス許可する内容には多くの場合、ブックマークやブラウザ履歴、ユーザーが閲覧するWebサイトのデータといったものが含まれています。こうした許可は一般的には、たとえば「Webサイト上のリンクを検知して、リンク先のプレビューを表示する」といった、拡張機能の動作を可能にするために必要なものです。でも、その機能と引き換えにそこまでデータを渡すのはイヤだな、と思われるなら、その拡張機能を削除することをオススメします。
拡張機能が信頼できるものかどうか考えるときに何を考えればいいか、Mozillaはこんな具体的な質問を示してくれています (太字は訳者)。
・その拡張機能は、信頼できるブランドやデベロッパーによるものですか?
多くの場合、拡張機能は無名の個人のデベロッパーによるものです。なので以下の問いのほうがいいかもしれません。
・デベロッパーのWebサイトやブログ、ソーシャルメディアの活動は、拡張機能の内容と一貫性がありますか?
もうひとつ、
・その拡張機能を使っている人は何人いますか? 星の数やレビューで良い評価を得ていますか?
その拡張機能のレビューが少ない場合、またはここまで確認してもまだ納得いかない場合は、
・許可のリクエスト内容は拡張機能の内容と一貫性がありますか?
またたいていは拡張機能のプライバシーポリシーが確認できるので、チェックしたほうがいいです。プライバシーポリシーが明示されていない場合、または最低限、それぞれの許可がどうして必要なのかの説明がない場合は、どんなに魅力的とか仕事効率Maxになりそうとか人生変わりそうな拡張機能でも、多分使わないほうがいいです。
「なんかあやしい拡張機能使ってたかも…」と気になって、拡張機能のアクセスを一時的にブロックしたい場合、ひとつの方法はブラウザのプライベートモードを使うことです。ただしこの方法が使えるのは、プライベートモードでの拡張機能の動作をオン・オフできるChromeかEdgeを使っているときだけで、FirefoxやSafariでは拡張機能は通常通りの動きをするので注意してください。
以下ブラウザ別に、すでにインストールしてある拡張機能を確認して設定を見なおす方法をご紹介します。見直す方針としては、とにかく拡張機能の数を最小に抑えるのがオススメです。その拡張機能自体には悪意がなくても、後からハイジャックされたり、デベロッパーの不注意で脅威にさらされたりといったことがありえるからです。
Google Chrome

Chromeで拡張機能を確認するには、メニューボタン(画面右上の3つの点)を押して「その他のツール」を選択、そこから「拡張機能」を選択します。拡張機能がカード状に表示されるので、その中に無効にしたいものがあれば、カード右下のボタンをオフにします。
各機能のカードには簡単な説明がありますが、それぞれ何ができて何ができないのか確認するには「詳細」を押します。すると、その機能が許可されているアクセスとかデベロッパーのWebサイトへのリンクなどが表示されます。
また「権限」の項目が表示されている場合、拡張機能がアクセス可能な範囲をドロップダウンメニューで指定できます。「すべてのサイト」ならどこでもその機能が使えて、「クリックされた場合のみ」だと新しいサイトで使うたびにユーザーの確認を必要します。「特定のサイト」を選択する場合は、その機能を使いたいサイトのURLを入力して「追加」を押します。
同じ画面から、その拡張機能のシークレットモードでの実行を許可するかを指定できます。許可内容を確認して「やっぱり使わなくていいや」と思ったら、「拡張機能を削除」→「削除」で、機能自体を消すことができます。
Firefox

Firefoxの拡張機能を確認するには、メニューボタン(画面右上の3本線)を押して「アドオン」を選択、「拡張機能」をクリック、で行けます。インストールしてある拡張機能が一覧表示されるので、一時停止したいものは「無効化」、完全に削除したいものは「削除」を押します。
リストにある拡張機能をクリックすると、それぞれ何ができるかの説明が出てきますが、その機能がユーザーのどんなデータにアクセスできるか、は書かれていません。拡張機能がアクセス許可されるデータは、基本的にはインストールするときの確認ボックスで表示されるだけです。なので後から見るには、Firefoxのアドオンディレクトリを確認しなきゃいけません。
Chromeみたいにアクセス範囲とか許可内容を細かく操作する方法はなく、できるのは拡張機能の有効化・無効化のみです。ただそれぞれの許可がどういう意味を持つのか、Mozillaによる詳細な説明はあります。
いくつかのアドオンにはオプションボタンがありますが、これはユーザー側のプライバシーとかセキュリティの設定ではなく、アドオンの機能を設定するためのものです。
Safari

macOSでSafariを使っている場合に拡張機能を確認するには、画面上のメニューで「Safari」を押して「環境設定」を選択、「機能拡張」のタブを開きます。表示される機能リストのどれかをクリックすると、その詳細が見られます。
この詳細の中には、機能拡張の許可されている内容、Webページのコンテンツを読み取っているかどうか、ブラウザ履歴へのアクセスといったことが表示されます。Firefox同様、許可内容を細かく変更することはできず、気に入らない場合はアンインストールするのみです。
でも一時的に無効化するのは可能で、そのためには機能リスト上でチェックを外します。とりあえず今はのぞかれたくない、みたいなときは、多分これが一番簡単な方法です。Safariではブラウザをプライベートモードにしても機能拡張はプライベートモードにならないので、機能拡張側にはデータは筒抜けになります。
「環境設定>機能拡張タブ」で右下の「機能拡張を追加」を押すと、App Storeにある他の機能拡張が見られます。Safariの場合、機能ごとにどういうことが許可されるのかは必ずしも事前にはわかりません。ただデベロッパーによっては、App Store上でプライバシーポリシーを明示したり、Webサイトへのリンクを表示したりすることで、許可内容を確認しやすくしていることもあります。
Microsoft Edge

Edgeは他のブラウザより歴史が浅いですが、拡張機能はちゃんとそろっています。自分のブラウザにインストールされているかどうかは、画面右上の「…」ボタン(「設定など」っていう、煮え切らない名前が付いてます)を押して「拡張機能」を選べば確認できます。
Edgeでも、拡張機能を一時的に無効化するにはトグルスイッチを切り替えるだけで簡単です。無効化すればEdgeを使っていても拡張機能が見えなくなり、動作もしなくなりますが、再度有効にしたいときはトグルスイッチをオンにすればOKです。
拡張機能がアクセス許可されている情報を見るには、機能リスト右側の歯車アイコンをクリックします。同じ内容は、拡張機能をインストールするときにもポップアップ表示されます。これらの許可はChromeみたいに細かく変更はできませんが、確認するのは簡単です。
同じ画面で、拡張機能から通知を表示してもいいかどうかなど、オンオフできるオプションがいくつかある場合もあります。Edgeから拡張機能を完全に削除したい場合は、アンインストールボタンを押します。
以上、各ブラウザの拡張機能の中身を確認・変更、場合によっては無効化・削除する方法をまとめてみました。毎日を快適にしてくれる拡張機能、これでもっと安心して使えるといいですね。