風速80km/hの大嵐でした。
先日完成した、なーんとなく夏休みの工作っぽいけど、レトロ・カッコ良いSpaceXの試験用「Starship」。以前は「BFR(Big Falcon Rocket)」(または俗称で「Big F*cking Rocket」)と呼ばれ、ZOZOの前澤友作CEOを乗せて月へ飛んだり、もしかしたら2028年に「火星基地アルファ」へと向かうかもしれないロケットです。
思ったより早い工期で完成したこのロケットなのですが……なんと火曜日に、テキサス州ボカ・チカの発射試験場で強風に煽られ倒れてしまったのだそうです。
その様子は?
The Vergeが掲載したツイートのいくつかを見るに、ロケットは横倒しでコーン型の鼻先にダメージを負い、修理のために取り外された姿が写っています。
Whoops. Starship Hopper nosecone has been blown over in high winds.
— Chris B - NSF (@NASASpaceflight) 2019年1月23日
?NSF's BocaChicaGal https://t.co/liIk970sm5pic.twitter.com/6rgGtZmAE2
Starship Hopper nose cone has been moved ahead of repairs.
— Chris B - NSF (@NASASpaceflight) 2019年1月23日
?NSF's BocaChicaGalhttps://t.co/CZ07SqRUgVpic.twitter.com/Zj6AGjAF6R
イーロン兄貴のツイートによると、このときの風速はなんと80km/hだったそうな。燃料タンクは無事ですが、凹んだノーズは修理に数週間かかるそうです。
「Starhopper」について
この「Starhopper」は再利用可能な2段階式ロケットで、「スーパー・ヘヴィー」という下段のブースターから、大空高く飛んだ所で切り離されてさらに宇宙を飛ぶ上段部分となります。とはいえ、兄貴はこのプロジェクトを「Starship Mk I周回軌道デザインの細別化されたひとつ」と特徴付けており、実は「スーパー・ヘヴィー」を合体させた姿こそが完成形なんですって。
This test hopper is at full body diameter of 9m / 30 ft, just not full height. Super Heavy will be full height & diameter.
— Elon Musk (@elonmusk) December 22, 2018
兄貴とSpaceXの最高執行責任者グウェイン・ショットウェル氏はこのテスト用ロケットを「テスト・ホッパー」と呼んでいます。連邦通信委員会に提出された書類を入手したSPACENEWSいわく、この「テスト・ホッパー」は標高500m以下の低高度と、5,000m以下の高高度の両方をテスト飛行するつもりでいることを報じています。
強靭な外殻
POPULAR MECHANICSでは、「仮想的な完成品は、地球の大気を突破する旅に耐えるべくより頑丈な外装が必要となる」とコメントしており、兄貴はこの組み立てに「異例の工程を踏み、二重壁のステンレス合金の外殻で覆っている」と話しています。かつてご紹介した、「300系ステンレス」というステンレススチールですね。
さらにその外殻は、「捻じれたり歪んだりすることなく、極端な温度にも耐えられるだろう」とし、水や燃料を使用する「史上初の再生熱シールド」を採用するとも話しています。
エンジンも最新型
ars TECHNICAによると、兄貴は3個次世代型ロケット・エンジン「ラプター・エンジン」のプロトタイプについても言及しているとのこと。SpaceXの超合金鋳造工場の材料で根本的に再設計されたとの話で、7個が完成したロケットに積まれ、31個が「スーパー・ヘヴィー」のブースターとして搭載されたそうです。
イーロン・マスクは占い師?
1月6日のこと、兄貴は「テスト・ホッパー」を4週間、おそらく予想外の問題が起こって8週間後のテスト飛行を狙っているとツイートしていました。
Aiming for 4 weeks, which probably means 8 weeks, due to unforeseen issues
— Elon Musk (@elonmusk) 2019年1月5日
えぇ、この予言は見事に的中してしまいましたね。
さて予告通り、1月5日から2カ月後となる3月初頭には飛ばせるでしょうか? こちらの予言は当たって欲しいものですね。
Source: Twitter (1, 2, 3, 4) via THE VERGE, POPULAR MECHANICS, SPACENEWS, ars TECHNICA