地下深くのアチアチで高圧な地層にトンデモナイ数の生命体がいました

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地下深くのアチアチで高圧な地層にトンデモナイ数の生命体がいました
Photo: Gaetan Borgonie, Extreme Life Isyensya, Belgium

ウジャウジャいるらしい…。

非現実的に聞こえるかもしれませんが、地底の奥深くにも生命体は存在します。土壌を越えて、基盤岩を越えると、高温でジメジメとした地底に生命体が溢れているのです。

地底にどれだけの生命体が存在しているのか? そんな未解決の疑問を解明しようと、1200人の科学者らが深部炭素観測(DCO)とともに地殻を調べていました。10年間の調査ののち、彼らは答えを手に入れた模様。

2018年12月、「地底に存在する生命体を推測するのに十分なデータが観測によって集まった」と彼らは発表しました。驚くべきことに、地底に存在する生命体の量は炭素換算量にして150億から230億トンに相当します。炭素換算量にして、地上にいる75億の人間の炭素量の385倍に等しい生命体が皆、沸騰した湯よりも高温で厳しい気圧のもとに暮らしていることになります。でも地底の生命体が立ち上がって、我ら地表に住む生物を押しやるなんて心配は無用です。彼らは、劣悪な環境に独自に適応した小さな微生物と真核生物ですから。

深部炭素観測の深部生命体センサスに取り組むオレゴン州立大学の科学者Rick Colwellさんは米Gizmodoに対し、「この観測は元々、地底数百あるいは数千メートルに生息する微生物を、例えば汚染された帯水層の浄化に使えるかを把握するために始めたのだ」と教えてくれました。しかし、調べれば調べるほど地底の生命体についての根本的な問いに答える必要があると科学者らは気付いたのです。

「スタートはとても実用的なものだったんですが、この新たな生物圏についてのもっと根本的な話になりました」と彼は言います。「調べれば調べるほど、地底のかなり深いところで、さらに多くの生命体を発見したのです」。

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Photo: Greg Wanger, California Institute of Technology, USA, and Gordon Southam University of Queensland, Australia
Candidatus Desulforudis audaxviator(オレンジ色の炭素球にまたがる青い棒状の真正細菌)は水素で生き長らえる細菌の1種。地下2.8kmで発見されました

研究者らは地下5kmや海面下10.5kmといった深さで、時にほんの数ミクロン(人毛より細い)の岩の裂け目に隠れている微生物を発見。地底から試料を引っ張り上げ、ラボでそれらのDNA配列を分析して、代謝過程を解明しました。Colwellさんいわく、「微生物と細菌には水素と二酸化炭素で生きていけるよう順応していき、何百年も自活し続けたケースもある」とか。中には何百万年と停滞状態で生き続け、ラボの中で目覚める微生物もいるそう。

地底にいる生命体についての新たな推定量がはじき出されたことで、未解決だった疑問の1つに答えが出ましたが、さらに多くの疑問が脇に控えています。Colwellさんは科学者の言う「微生物的なダークマター」を理解することを挙げています。「微生物的なダークマター」とは、重力でのみ観測される宇宙のダークマターと似ていて、深部炭素観測の科学者たちがDNAシークエンシングで観測できるものの、ラボ内では再現できない謎の微生物がいることです。

「その環境には多様な種類の生命体がいるのは明らかでしたが、育てようとするとそのうち1%の成長が見られるかどうかでした」と彼は言います。「私たちが未だに育てられないものが、偉大な多様性を示すのです。(それら)の潜在的な動きの痕跡を目にしました」。

つまり、科学者たちは地底の生命体の謎を解明するため、引き続きドリル、センサー、そして試料採取の機器を地底の奥深くに突き刺し続けることを意味します。その過程で、彼らは地球についてさらに多くのことを学ぶでしょう。

「私たちは太陽や地球を回る月のリズム、あるいは生活のペースとなる季節と調和しています」とColwellさん。「でもこの生物圏にいる生命体は、注意を払うものにおいてさらにゆっくりで永続的。私たちは、彼らの存在を決定づける、地球のプロセスとリズムを発見しただけなんです」。

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