不安定な2輪車を無人で自走させるって!?
実は日頃から事故が多かったというUberの自動運転車ですが、2018年に起こった致命的な事故より、道路から身を引くこととなりました。TechCrunchいわく、そこで登場したのが「マイクロモビリティー」という移動手段だとのこと。
それがUber Advanced Technologies(以下ATG)が発表した自動運転スクーター&自転車で、自ら移動して充電や乗客のもとに向かうことができるというものなのだそうです。2輪車なのに?
I'm told that this team will actually live in Uber's @jump_rides group. @UberATG will continue to focus on self-driving cars
— Chris Anderson (@chr1sa) 2019年1月20日
Uber ATGは引き続き自動運転車を製造し、スクーター&バイクはJUMPというグループ会社に属することになります
TechCrunchが報告しているように、詳細はあまり明かされていません。ですがUberは、すでに多くの主要都市を占領してきた、短期貸出型の自律走行版スクーターや自転車などを調査しているだろうと推測されます。
人材も募集中
The Telegraphによりますと、Uberはすでに「マイクロモビリティー」のためのロボティクス・チーム用に採用を始めたと報じました。それは、自律走行で充電ステーションまで運転することができたり、あるいは可能であれば以前の乗客が降りたあと、次の利用客のもとに向かうことができるスクーターやバイクを開発することを目的としています。
ちなみにTechCrunchは、Uber ATG就職への申込みフォームが、Google フォームに上がっていることを確認。応募者を募っていることがわかります。
Uberの新モビリティー・チームは、センシングおよびロボティクス技術を応用して、当社の共有電動スクーターおよび自転車の安全性、乗車体験、および運用効率を向上させる方法を模索しています
西海岸で大炎上したあとに参入?
自動運転スクーターは、Uberにとって大きな変化をもたらすでしょう。JUMPにはすでに電動バイクやスクーターがありますが、競合他社のBIRDとLime(後者はUberが少数株主)のように、乗り捨てられた車両を人力で回収に行く人件費はバカにできません。
さらには、企業はそれらの管理がヘタクソだったんです。BIRDもLimeも、サンフランシスコにて無許可で操業を開始し、街のアチコチにスクーターが乗り捨てられてからビジネスについて厳しく制約が課せられており、しかも西海岸の人たちは放置されたeスクーターを砂浜に沈めたり放火したり、反対派による破壊的な扱いを受けるまでになったのです。
またまたTechCrunchが指摘していますが、Uber JUMPは最近、非活動時間を最小限に抑えるように設計されたいくつかのバイクに「自己診断機能と交換可能なバッテリー」を提供するための一連のアップグレードを発表しました。
事故や欠陥の懸念も大アリ
一方、Uberも競合他社もが自動運転車で大きな安全性の問題に直面していることを考えると、都市の道路や歩道で自動運転スクーターの軍隊が人や物と交通事故を起こすであろうことは想像に難くありません。
それに人が操縦するスクーターですら事故件数が増加傾向にあるだけでなく、いくつかのモデルでは重大な不具合も発生しているのです。BIRDのスクーターをリポートしたときは、ブレーキに欠陥があることも判明したこともありました。
とはいえ2018年1月に行われた世論調査では、上記のような懸念を抱く人は比較的少なめであろうという結果が出ています。 回答者の27%が、「自動運転車で快適に過ごせるだろう」と答えているのです。
ホントにやるの?
Uberは、これがマイクロモビリティー・ロボティクス・チームの仕事なのかどうか、米Gizmodoからの質問には返答がないままでいます。
募集もまだ始まったばかりです。ですがサンフランシスコの規制や自動運転車への不安などが色濃くある中で、自動運転自転車とスクーターを始めるのは…幸先悪そうですよねぇ。仮にそれらが自律的に乗客をピックアップできたとしても、まだまだ回収要員などの人件費は削れそうにないんじゃないかな? とも思えますし?
Source: Twitter, TechCrunch (1, 2), The Telegraph, Google フォーム, THE VERGE (1, 2), Los Angeles Times