Apple、ついに自動運転車開発を(ごく短く)語る

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  • author 福田ミホ
Apple、ついに自動運転車開発を(ごく短く)語る
Image: 9to5Mac

初めて口を開いた!

もう長いこと「公然の秘密」とも言われながら、Apple公式にはだんまりを決め込んでいた自動運転車開発プロジェクト「Project Titan」。それについてAppleがついに公式な文書を発表しました。米国運輸省道路交通安全局に、自社の自動運転技術について「Our Approach to Automated Driving System Safety (直訳:自動運転システムの安全性に対する我々のアプローチ)」と題したホワイトペーパーを提出したんです。

でもたった7ページ

その中身はすごくシンプルで、表紙を入れても7ページしかなく、各ページの余白もやけに大きいです。Appleだけに、公式文書でも余白の美を重視しているのでしょうか? Google系のWaymoのホワイトペーパーは43ページもあってフルカラーで、イメージ画像とかも含めて写真ももりもりなんですが、それと比べるとAppleのは「下書き…?」って思うくらいそっけないです。

しかも文書の内容にはあまり新しいことがなく、「LiDARやレーダー、カメラを使ってカメラ周辺の3Dカバレッジを提供し…」とか「プランニング・コンポーネントはADSの詳細な地図と正確な位置情報技術をセンシングコンポーネントとともに活用し…」とか、だいたい他の企業でも言ってそうなことばかりです。

セーフティドライバーの採用条件に感じるこだわり

ただ多少はこだわりを感じさせる内容もあって、9to5MacやCNETのクルマ系メディアROADSHOWでは、セーフティドライバーの採用条件に注目しています。セーフティドライバーは、テスト車に乗って必要に応じて自動運転システムから運転を引き継ぐ人のことを指します。

Appleはこの文書の中で一番長い「運転上の安全」という章の「要件と訓練」という項で、セーフティドライバーの条件を以下のようにまとめています。

私たちは、熟練した経験豊富なセーフティドライバーとオペレーターを採用しています。彼らには深刻な事故や飲酒運転、過去10年以内の免許停止や取り消しの経歴があってはなりません。彼らは薬物検査やバックグラウンドチェックに合格してからトレーニングプログラムを開始します。

さらにその後のトレーニングプログラムについても4段階にわたって説明されていて、テストコースから教室での講義やシミュレーション、公道での教官による指導と、ほとんど教習所みたいなプロセスがあるみたいです。Waymoのホワイトペーパーでもドライバーの条件はサラっと書かれてますが、文書の大部分はシステムに関する説明なのが興味深いところです。

なぜ今?

ともあれ、今までさんざん事故とかリーク情報で「開発してる」って言われながら自分からは情報を出さなかったAppleが自ら口を開いたことには大きな意味があります。Appleは自動運転車に限らず新製品情報を事前に明かさないのがつねなので、なぜ今?ってことが気になります。先日米国カリフォルニア自動車局が公開したデータでAppleの自動運転技術の評価が最下位になってたことも関係あるんでしょうか? ずっと受験校を隠してたのに、模試の最悪な結果が発表されてみんなにバレちゃった気の毒な受験生みたいな感じなんでしょうか。

ただ自動運転車開発は、受験と違って開発過程で公共の設備=道路を使う必要があり、今回のホワイトペーパーも公的機関経由で表に出てきました。Appleの自動運転車の台数が増えていくにつれて、目撃情報などなどもこれからさらに増えていきそうですね。

Source: NHTSA via 9to5Mac, ROADSHOW

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