小さいは正義。
キヤノンが発表したEOS RP。最大の特徴は約16万円という価格の安さと、初代フルサイズミラーレスEOS Rを一回り小型化したサイズ感です。今回、実機を触れる機会に恵まれたので、EOS RPのインプレッション、そしてソニーの小型フルサイズミラーレスα7Sとサイズ比較をしてみました。
小型が最大の武器
ボディの重さは440g。持ったときは「かるっ」って言ってしまうくらいの重量感です。試しにEOS Rと持ち比べてみたのですが、その違いはかなり大きくて、EOS RPと比べると、EOS Rはデジタル一眼レフ寄りのずっしり感あるんだなって思いました。それだけEOS RPは軽いし、「ミラーレスカメラってこれだよね」って思います。

グリップは深くて握りやすいです。重さのある「RF24-105mm F4 L IS USM」のレンズをつけても片手で持つのは余裕。ただ、握ったときに小指が余るので、手が大きめの人は一緒に登場した小指用グリップの着用を推奨します。
ファインダーはEOS Rと比べると0.5型から0.39型へと小さくなっているので、若干見にくいです。ただ画質はキレイで、遅延もそこまで感じられません。背面液晶もサイズと解像度はスペックダウンしているものの、正直違いはわからなかったです。かなりキレイ。

そして、EOS Rが登場したときに賛否両論というか否が多めな気がしたマルチファンクションバーがなくなりました。ポテンシャルはある気がするんですけどね。ポテンシャル見せながら終わりそうな予感です。
シャッター音は軽めです。ボディの内部で響いているような音です。気持ち良い音かと言われると微妙。ちょっとトイカメラチックな安っぽい音です。シャッター音だけ別撮りしましたので、気になる方はご確認ください。
そしてバッテリーも変更点があります。EOS Rが、プロ向けカメラであるEOS 5D Mark IVと同じバッテリーだったのに対し、EOS RPでは、EOS M5やM6と同じ、小型のものに変更されています。
その分、撮影可能枚数が210枚となり、EOS Rの350枚に比べると少々物足りないですが、バッテリー自体の重さは約半分です。バッテリーをカメラにいれたときに、ずしっと重くなる、あの残念な感じはEOS RPにはありません。

そしてこちらがEOS RとEOS RPを並べた写真です。



EOS RPの方は、ファインダーの出っ張りもなく、ボディも若干薄くなっています。高さは明らかに違いがありますね。
残念ポイントその1

EOS Rでは電源OFF時にシャッター幕がおりて、センサーを保護してくれていたのですが、EOS RPでは真っ裸の状態。レンズ交換時に、ちょっと気を使うやつです。世の中のほこりってなくせないんですかね。
下の写真はEOS Rで、シャッター幕が降りている様子。

残念ポイントその2

EOS Rにあった、カメラ上部の表示パネルが、EOS RPにはなくなりました。そのため、設定の確認はファインダーか背面液晶を見る必要があります。さっと確認できないのは、ちょっとした残念ポイント。EOS Rの表示パネルって便利だったんだなーって思いました。
α7Sとのサイズ比較

フルサイズミラーレスカメラの中でも小型のソニーα7Sと比較してみました。なぜα7Sかっていうと、ただ会社にあったからで他意はないです。
ボディはα7Sと比べるとEOS RPのほうが若干大きいです。薄さは、そこまで違いはありません。高さはEOS RPのほうが低いです。

一番違う部分は、グリップで、α7Sはグリップが浅めですが、EOS RPは深め。握りやすさでいったら断然EOS RPです。特にミラーレスカメラは、ボディは小型ですけど、レンズがそこまで小型化されていないので、大きめレンズをつけるのであれば、EOS RPのほうが安定感はあります。

ぱっと見、EOS RPのほうが重そうには見えます。でも、EOS RPはバッテリーなしで約440gと、α7Sは約446gと、EOS RPのほうが約6gほど軽いです。でもその差は、体感ではわからない微々たるものです。
なにかすごい欠点が隠されているんじゃないか不安になる

EOS RPは小型化するための努力がすごいみえるし、α7Sと肉薄するレベルで小型化されています。これは毎日首から下げておけるフルサイズミラーレスカメラだなと。
スペックを見ても、連写や動画のAF性能、ファインダー、背面液晶がダウングレードしてますけど、動画撮らないし、動くものを撮らないのであれば、まったく問題なし。短い時間ながらもパシャパシャ撮ってみましたが、明らかな欠点が見当たらなかったです。触れる時間が短かったので、ずっと触っているとマイナス部分もでてくるかもしれないですけど、これは長期レビューしないとわかりません。
でも、マルチファンクションバーがなくなって、サイズが小さくなって、価格も安いって、相当魅力的なモデルであるのは間違いなくて、なにかすごい欠点が隠されているんじゃないか不安になるレベルの良カメラです。
これは売れる。
2019年3月4日 10:56 訂正:EOS Rのバッテリーについて、「フラッグシップモデルのEOS-1D X Mark IIやEOS 5D Mark IVと同じバッテリーだった」と記載しておりましたが、EOS-1D X Mark IIのバッテリーは、別のバッテリー「LP-E4N」でした。訂正してお詫びいたします。