あまーく、とろーりとトロけるボケはほんと異世界モノ。
ニコンZシリーズを選んだ諸氏だけではなく、他マウントのオーナーも気になる存在が「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」でしょう。
人間の目はf/1.0の明るさを持つと言われていますが、ならばコイツは人間の目以上の光を集めることができる超越者EYE。まずはその外観から見ていきましょうか。

でかっ。長っ。
大口径マウントのニコンZシリーズですが、そこからさらにワイドな径です。そして200mm f/2.8クラスの長さもあります。
58mmという標準レンズ枠の中では、もっとも巨砲なレンズとなるのではないでしょうか。
このサンプル機は肩乗せTVカメラが使うような大型の三脚、雲台で支えられており、カメラボディ&レンズの状態でもつことはできませんでした。けど、これはどっしりと重いはず。

フォーカスはマニュアル。薄すぎる被写界深度に恐れを抱いてしまいがちな存在ですが、ニコンZシリーズの見やすいピーキング表示と、幅広で適度な重みがあるピントリングのおかげで、狙った場所にバシシとフォーカスを合わせられます。操作しやすいわー。

肝心の開放時のボケですが、The クリーミー! 露出オーバー目にしてみたら、展示会場がファンシーな異世界になったかのよう。点光源でも輪郭はさほど目立ちません。
流石に完全な玉ボケとはならず、外周部はレモン型になりがちなんですけどね。これはしゃーない。
合従部分はキリッとシャープ。カリカリというほどではありません。でもいいバランス。カリカリ〜ボケボケの境目のグラデーションが極端すぎると違和感ありますし、そもそもこの明るさのレンズを求める方は味わい重視な気がする!