NASA、SpaceXの有人カプセル「Crew Dragon」にISSへのミッション許可を出す

  • 7,012

NASA、SpaceXの有人カプセル「Crew Dragon」にISSへのミッション許可を出す
Image: NASA/SpaceX/Wikimedia Commons

現在ケープ・カナベラルに保管中。

NASAがイーロン・マスクのSpaceXによる、7席の無人テスト用「クルー・ドラゴン」カプセル打ち上げにゴー・サインを出しました。

これは初の無人カプセルで、丸1日かけて計画を見直した上、3月2日に打ち上げることで決定。これで契約が終わったロシアのソユーズに次いで、SpaceXが退役したスペースシャトルの代わりに一歩近付けるようになります。

テスト飛行は、本来1月に予定されていました。しかしのちにハードウェアのテストや、ほかの見直し作業を完了させるべく延期となったのでした。そしてSpace.comによりますと、NASAとSpaceXはやっと「クルー・ドラゴン」の飛行準備完了確認審査を終えたとのことです。ここまで長引いたことに対し、NASA商業クルー・プログラムのマネージャー、キャシー・ルーダーズ氏は記者団にこう話しています。

カプセルが安全にランデブーを行ない、国際宇宙ステーション(ISS)に危険な被害を及ぼすことなく接続、または離脱できることを立証しなければならなかったのです

打ち上げ延期も視野に入れている

「クルー・ドラゴン」はファルコン9ロケットに積まれ、フロリダに本拠を置くケネディ宇宙センターにて3月2日の東部標準時午前2時48分に打ち上げが予定されています。もし技術的な問題や天候不順などで延期になった場合の予備日は、3月5日か8日、または9日が用意されるとのことです。

もしこの打ち上げが成功すれば、SpaceXは競合他社のボーイング社が開発中で、4月まで無人テスト飛行の予定がない「CST-100 スターライナー」に先駆けてカプセルを打ち上げることになります。一方、4月になるとSpaceXは、「クルー・ドラゴン」の緊急脱出装置のテストを行なう予定になっています。これは「スーパー・ドラコ」エンジンの推進力を利用して、カプセルを危険から遠ざけるというもの。もしそれらすべてのテストが成功したら、7月に有人飛行が行なわれるとSPACE.comが伝えています。

The Vergeによりますと、この初期テストの間「クルー・ドラゴン」は、3月3日の初めにISSとのドッキングを試みるまで、軌道上に留まるそうです。そこから一週間後、フロリダの海岸線沖の大西洋に着水することになります。

ロシアからイチャモンが

ロシアの宇宙機関ロスコスモスは、SpaceXのソフトウェアの安全性について「何らかの懸念を表明していた」とThe Vergeは付け加えています。ですが、NASAの人類探査・運用部門のビル・ガーズテンメイアー副長官が、記者団にこう述べています。

なぜ安全なのか詳細を通して読めば、何も問題になることはないと思われます。そして我々がどうして前進するのか、詳しく説明ができますよ

Space.comは、飛行準備完了確認審査の講評が、「クルー・ドラゴン」のシステムが持つスラスターやパラシュートなどに、いくつかの小さな問題点を露呈してしまった、と伝えています。ですがNASAの関係者は、すべての問題は打ち上げ日までの解決を予想していると述べています。

失敗は成功の母

ガーズテンメイアー副長官はまた、フランス通信社に対して以下のように語ったとPhys.orgが報じています。

このテスト飛行から、我々は何かを学び取るであろうと大きく期待します。すべてが正確に機能するわけではないことを保証します。でもそれは大丈夫です。それこそが、私たちのやりたいことなのです……私たちは最大限に学習したいので……本当の有人飛行を実行する準備ができたら、私たちの乗組員にとって正しい安全になるでしょう

なるほど、予め失敗から問題を炙り出しておくことで、有人飛行の安全性をより高めようということなんですね。

つい最近、イーロン・マスク兄貴はファルコン9の1段目ロケットが、緊急脱出装置のテスト時に記録的な4度目の飛行になるとツイートしました。そして高確率でブっ壊れる結果になることを期待しているとも。「テスト・ホッパー」の転倒時もですが、兄貴は予想外の問題が起こることを織り込み済みで予定を立てているフシがあります。SpaceXに失敗は付き物。そして失敗は成功の母なのです。

Source: SPACENEWS, Space.com (1, 2, 3), The Verge, AccuWeather, Phys.org

    あわせて読みたい

    powered by