「タコス・ビール・キスキス・寿司」法曹界における絵文字取り扱いの難しさよ

「タコス・ビール・キスキス・寿司」法曹界における絵文字取り扱いの難しさよ
Photo: Stephen Lam/Getty Images News

絵文字使ってます? スタンプ使ってます?

文章のアクセントや感情表現、仲間内でのお決まり絵文字など、絵文字やスタンプは現代のコミュニケーションに不可欠な存在! もちろん、わたしもめっちゃ使ってます!! が、時と場合によっては絵文字を使ったせいで、大きな誤解を招いてしまうことも。

裁判では4年間で約4倍も参照することが増えている

サンタクララ大学の法学部Eric Goldman教授によれば、2004年以降、裁判で絵文字を参照することが急増しているといいます。Goldman教授いわく、2015年には14ケース、2016年には25ケース、2017年に33ケースで、昨年2018年はついに53ケースにまで増。ちなみに、Goldman教授がここでカウントしたのは、「Emoji(絵文字)」または「Emoticon(顔文字など)」という言葉で記されたケースだけなので、例えば絵文字を「イラストアイコン」などと表現していた場合はカウントされていません。てことは、実際はもっと数が多い可能性も。

裁判に絵文字が登場するのは、テキストメッセージやSNS、Eメールなどオンラインコミュニケーションが重要な証拠となる場合で、特に性犯罪や職場での差別問題を取り扱ったケースが多いといいます。

絵文字が争点となった具体的なケースとは?

ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、💋(キスマーク)絵文字の返信を、女性社員が元上司男性の誘いを受けたと捉えるべきか、丁寧に断ったと捉えるべきかが争点となったケースを例にあげています。

The Vergeは、売春の元締め容疑で逮捕されたある男性のInstagramのDMに残っていた👑👠💰(王冠、ハイヒール、お金)の絵文字が、売春元締めを示唆するものか、それともただのジョークなのかでもめたサンフランシスコのケースを紹介。

また、2017年のケースでは、イスラエルのカップルが、💃💃👯✌️☄️🐿🍾(ダンス、バニーガール、ピース、隕石、リス、シャンパン)を大家に送り誤解を招いたとして、有罪判決をくらっています。絵文字送信後カップルがアパートから姿を消したものの、大家はこの絵文字からカップルがアパート購入を望んでいると判断。これによって被害を被ったとして大家が起こした裁判で、ハッピー且つポジティブな絵文字によってビジネス成立を示唆しているという大家の言い分が勝利しました。

絵文字の扱いの難しさ

現代人にとってマストのコミュニケーションツール絵文字ですが、法の世界ではまだまだ新しい存在。そしてやっかいな存在。WerstlawやLexisのような法的文書を保存するデータベースでは、まだ絵文字表示に対応しておらず、絵文字が使われたかどうかの検索が非常に難しいのが現状。また、プラットフォームによって同じ絵文字でもデザインが異なるのも、絵文字の取り扱いが難しい一因にあります。例えば、ごく最近までiOSでは水鉄砲のデザインの絵文字が、Androidでは実際の銃で表示されていました。水鉄砲と銃では、話がえらく変わってきます。そもそも、国や文化によって同じデザインでも受け取り方が違うのも問題。

文化によって意味が変わり、プラットフォームによってデザインが異なり、さらに本意が読み取りにくいという絵文字は、法曹界にとってはとてもグレーな存在。新しいツールなので、過去のケースから判断するのも困難。「いっそ、今は絵文字部分はぜんぶ割愛してしまうべきなのでは?」という意見もあります。

日常的に使いすぎて、絵文字やスタンプだらけになってしまいがちなテキストでのコミュニケーション。何が起きるかわからない人生で、もし裁判沙汰にでもなったら絵文字では自分の意図が伝わっていない可能性あり。真逆の意味にうけとられてしまうこともあり。法曹界が絵文字の取り扱いになれるまで、大事なことはきちんと言葉で伝えた方がいいですね。


Source: Eric Goldman via The Verge

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