さよなら火星探査機「オポチュニティ」。NASAが機能停止を発表

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
さよなら火星探査機「オポチュニティ」。NASAが機能停止を発表
Image: NASA/JPL-Caltech

やっぱり目覚めなかったか……。

昨年夏に吹き荒れた、長期に渡る砂嵐のせいで、充電切れになってしまったと考えられている火星探査機「オポチュニティ」。NASAは忍耐の丘の眠り姫に、諦めず壊れた可能性のある機器類を再起動するコマンドを送り続けていました。

そして火星探査機チームは一昨日の夜、オポチュニティに最後の交信を行ないました。

今夜、我々はオポチュニティに計画されていた最後の交信を行ないます。太陽電池で動く探査機が最後に交信できたのは2018年6月10日。火星全土を覆う砂嵐のときでした。

チームに愛情を送ってみたいですか? 絵葉書を送ってください

ということで、リンク先からは「親愛なるオポチュニティへ」と電子的な絵葉書を送ることができます。

活動停止を宣言

そしてNASAは昨日の記者会見で、オポチュニティが正式に機能しなくなったと宣言し、大成功を収めた火星探査ミッションを祝いつつ、時代の終わりを迎えました。

それを受け、今では科学者、科学コミュニケーター、そして科学ファンらが、探査機の想い出と火星探検に費やした15年近くについてのコメントをTwitterに投稿しており、その件数がどんどん増えています。

NASAが最後にオポチュニティーと交信したのは2018年6月10日。惑星全土を覆う砂嵐が起こり、探査機の太陽光パネルを砂で覆ったあとでした。

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Image: NASA/JPL-Caltech
2018年6月10日に撮られた最後の写真の1枚は砂嵐だった

NASAの研究者たちは、オポチュニティに通信確認のpingを何百回も送り、電波を聞きながらその信号をもう一度聞こうとしていました。しかし……反応はありませんでした。

探査機の活躍

オポチュニティは2004年に、「マーズ・エクスプロレーション・ローバー(MER)」計画の一環として、双子の姉妹スピリットと共に火星にやって来ました。はじめ2機は90日間の運用予定期間の中で、火星にあるかもしれない水の痕跡を探す任務を帯びていました。ですが姉妹は予定期間より長生きし、スピリットは2011年に通信が回復せず運用終了。それでも火星の岩石や大気などから惑星の歴史を明らかにし、大量の写真を送ってくれ、さらにはかつて火星が水を湛えた星で、もしかしたら何かしらの生命が地表にいたかもしれない証拠も発見したのでした。

探査機は、科学者が機動性のあるプラットフォーム(つまり探査機)を使用して測定を実行できるようにするという点で、非常に大きな影響を与えました。

NASA本部の惑星科学部長を務めるロリ・グレイズ女史は、記者会見で次のように述べています。

これらの探査機は、地球外の惑星で科学をするという考えを、本当に変えてくれました

そしてNASA本部も、「今、私たちが惑星科学をやろうと思ったとき、私たちには機動力が必要と考えられます」と。

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Image: James919/Wikimedia Commons
オポチュニティが辿った軌跡

オポチュニティはこの機動性を例示し、火星の地表を横切り45km以上を移動しました。任務は最初、イーグル・クレーターから始まり、続いて近隣のクレーターを調査したあと、科学者たちはそれらより遥かに大きいエンデヴァー・クレーターへの、長い旅行をすることを決めました。

コーネル大学のMER主任研究員スティーヴ・スクアーズ氏は、記者会見でこう話しました。

我々がそこに辿り着いたら、任務がまたゼロから始まりました。

機械に対する愛着

私たちは、送り出す宇宙船に感情的なこだわりを持つ傾向があります。それはハードウェアの耐久性や安全性を気にするからではなく、人類の英知の結晶を作るため大変な労力を要した我が子同然の機械を、行ったことがない場所に送り届けるから。それに名前や活動内容からちょっとした擬人化が生まれ、愛着が湧くんですよね。

これらの任務と、探査機を機能させ続けるために働いている人々には、重要な発見が訪れます。そして各々が、宇宙探査における一里塚を築いていきます。なのでこのようなプロジェクトが終わるのを見るのは、とても悲しいことです。

NASAのJPLにて、MERのプロジェクト科学者を務めるアビゲイル・フリーマン女史は、こう話しています。

何百、何千という学生が、私と同じようにこれらの探査機を見て、過去15年間に渡ってその任務を追ってきました。だからこそ、科学と教育を追求するのです。

ほかにも米Gizmodoに話してくれた科学者の中には、「想定より14年も長生きした探査機が、史上最大規模の砂嵐で人生を全うするなんて、これ以上の栄誉はないでしょう」とコメントをくれました。

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Image: NASA/JPL-Caltech
自分の影を写した1枚

火星探査はまだまだ続く

もちろん、これで火星探査が終わりではありません。火星科学は前進しており、ほかにはExoMarsと相棒フェッチ・ローバーが火星に行く予定ですし、すでに火星の地表にいる後輩のInSightも地震計設置に成功し、目下任務続行中です。

NASAのキュリオシティは砂嵐を乗り切り生き残りました。そしてまだまだ分析しなければいけないデータがたくさんあります。

この世は諸行無常ですが、人間より短い寿命を与えられたオポチュニティの功績を、NASAが用意したギャラリーで改めて見てみるのも、また一興かと思います。

Source: Twitter(1, 2), MARS EXPLORATION PROGRAM, MARS Exploration Rovers(1, 2

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