音質も物欲も攻めていくスタイル、大正解だと思います。
イギリスの名門スピーカーメーカーKEFから、世界初のハイレゾ対応ワイヤレススピーカー「LSX」が発表されました。KEFといえば、BBCのモニタースピーカーにもなった「LS3/5a」も有名。1961年創業の老舗が、今度はハイレゾでワイヤレスと打ってきましたかっ。

発表会場は、有楽町にある国内唯一のKEFショールーム。2017年7月にオープンしたこのお店もすごいのなんの。美術館みたいでした。

そしてこちらが本日の主役、LSX。再生時はペアで使用します。「KEFにしかできないライフスタイル提案」という切り口の第2弾製品となりまして、5色のカラバリからもライフスタイル推しな姿勢を感じますね。デザイン監修はイギリスを代表するデザイナー、マイケル・ヤング。


ホワイトはプラスチック筐体で、ほかのカラーは高級家具に使用されるKvadrat社のファブリック仕上げ。にしても、家電みを感じさせぬこのスタイリッシュなデザイン、めっちゃクールじゃないですか?

右がホワイト、左は2016年12月に発売された「LS50 Wireless」。同じワイヤレスでも小型になったものですね。

iPhone 8Plusとのサイズ比較。

背面端子類。右がマスター、左がスレーブです。TOSLINK光入力、AUX、別売のサブウーファー入力、イーサネット、USB電源供給、スレーブ接続、そしてAC電源。Wi-Fiは2.5GHz/5GHzのデュアルバンド、Bluetoothは4.0のaptXコーデック対応。
気になるサウンドはというと、もうキラッキラでした。ハイハットの粒立ちや女性ボーカルの豊かな倍音が、スピーカーから3m離れていても聞こえる。ダイナミクスの心地よさもうっとり。かなり音量が出てたにせよ、この高精細な鳴りが自宅で、しかもワイヤレスで鳴らせるってのは本当にすごいですよ。

サウンドを支えるのは、LSX専用に開発された11.5cmのUni-Qドライバー。原音再生をモットーとするKEFは、創業から一貫して同軸のUni-Qドライバーを採用してきまして、常に改良を加えています。その改良っぷりは、なんと12世代にもわたるとのこと。秘伝のタレ的なすごみを感じる。

こちらがそのUni-Qドライバー。本体はナウくなっても、鳴り響くサウンドはしっかりLS3/5aの系譜に連なるものです。
アンプ出力は低域70W、高域30Wの配分で、LRペア合計だと4つのパワーアンプと4つのDACというてんこ盛り盛りな計算に。最大出力は102db SPL。DSPも搭載し、デジタルでもメカニカルからも位相をコントロールします。
ハイレゾ面については、LSX本体は96KHz/24bitに対応。ただし、LRのワイヤレス接続が48KHz/24bitまでにしか対応していないため、96KHzの音源を再生する場合は、LRをケーブル接続しないと真価を発揮できない模様。
Wi-Fiで対応しているストリーミングサービスは、SpotifyとTIDAL。あと、AirPlay2に対応してまして、iOSデバイスなら複数のLSXを一括操作できますよ。

見て聞いた印象は、ハイファイオーディオでありながら手が出しやすそうだな、と。豊富なカラーや高品質なデザインはインテリア的にも魅力的で、音だけでなくモノとしても物欲にガツンと来ます。ってか来ました。ライフスタイル提案という思想、しっかり体現されていますね。

すべてペア価格で、ベーシックモデルのグロスホワイトは14万8000円。ファブリック仕上げのマルーンレッド、デニムブルー、ブラックは16万8000円。同じくファブリックで、マイケル・ヤングのサイン入りシグネチャーモデルとなるオリーブは19万8000円。オリーブの色味、すごい良かったです。くやしいけど。
物欲も音質も妥協なく、しかもワイヤレスでハイレゾもイケる。LSXは、ハイファイオーディオの世界を幅広い世代に伝えてくれると思います。発売予定は4月上旬頃で、2月下旬から店頭展示と予約開始です。
Source: KEF