海賊版を打ち破れ! 読者、作者、出版社、三方よしの「マンガ図書館Z」をつくった赤松健さんインタビュー

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  • author 渡邊徹則
海賊版を打ち破れ! 読者、作者、出版社、三方よしの「マンガ図書館Z」をつくった赤松健さんインタビュー
Image: Mugendai(無限大)

そのバイタリティに脱帽です。

大量の漫画違法アップロードされたサイトが大きな話題となったのは、去年のことでした。関係者の尽力で閉鎖とはなりましたが、また同じようなサービスが現れるイタチごっこの様相は否めないものがあります。

そんな中、現役の人気漫画家でありながら海賊版に対抗する新サービス、マンガ図書館Z(旧Jコミ)を生み出した赤松健さんの話題が、IBMのWebメディアMugendai(無限大)で取り上げられていました。読者、作者、出版社全員がWin-Winになる仕組みとは、どのようなものなのでしょうか。

トップ作家が感じた海賊版の実害。「何とかしたい」という強い思い

ファンの方には言わずもがな、赤松さんは『ラブひな」「魔法先生ネギま!UQ HOLDER!』といった大ヒット作を多数持つ、紛れもないトップ作家のお一人です。

そんな赤松さんが運営するマンガ図書館Zとは、過去の漫画単行本未収録作品を、作者許諾の元、基本無料で楽しめる電子書籍サイトで、2010年にスタートしました。

スタートのきっかけこそ、赤松さんの「過去の作品を無料で読みたい」という個人的な願望からだったそうですが、現実的に2003年頃には、漫画の海賊版サイトはかなりの規模となっていました。赤松さんの作品も雑誌の発売翌日にはアップされてしまう状況で、読者から「海賊版サイトで読みました」と堂々と言われてしまうなど、「何とかしなければ」という思いを抱えていたそうです。

当初は出版社とぶつかることも。新しい取り組みが評価されるまで

そうしてスタートしたマンガ図書館Zですが、紙媒体である漫画をネット上に、しかも無料で展開することに関し、当初は出版社との軋轢もあったそう。赤松さんは以下のように語っています。

どの出版社も電子書籍については試行錯誤していた時代ですからね。敵対行為なのではないかと不安視されたりもしました。だから連載を持っている出版社にも説明に行ったんですよ。重役の方々がずらっと並んでいる部屋で、「『Jコミ』で扱うのはあくまでも出版社が権利を持っていない作品で、もしそこで人気が再燃したら出版社でまた新たに契約を結んで刊行すればいいのでは」といったことを話したら、皆さん「それなら確かに作者も出版社も読者もみんなWin-Winだね」とすぐに理解してくださいました。

実際、マンガ図書館Zは、作品に表示される広告売上はすべて作者に還元され、主に過去作品を取り扱っているため既存の出版社との競合もなく、作者公認とすることで海賊版への対抗措置にもなるという、まさに三方よしの新しいビジネスモデルとなっています。

海賊版を打ち破れ! 読者、作者、出版社、三方よしのマンガ図書館Zをつくった赤松健さんインタビュー
Image: Mugendai(無限大)

それにしても、現役として漫画を描きながら企業経営まで行うとは、信じられないほどのバイタリティを持った赤松さん。実は高校時代からコンピューターゲームを開発するほどデジタルに精通し、元々は編集者志望でプロダクションから内定ももらっていたほど事務方にも強いそうなんです。何だ、ただのスーパーマンじゃないですか…。

他にも、ふきだしのセリフをOCR(光学的文字認識)で自動翻訳し51カ国語で配信する最新の取り組みや、「国会図書館の書籍をデジタル化して公開したい」という赤松さんの次なる野望は、Mugendai(無限大)より続きをお楽しみください。

Source: Mugendai(無限大)

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