待ってたよリコー「GR III」。実際に使うとどんな感じなの?
3月下旬より発売開始、リコーのオンラインストアで予約も開始しました。でも使い勝手はどんなものなの?米GizmodoのライターのAlex Cranzによるイベントでのハンズオンレビューをお届けします。
2015年に発売されて以来、根強い人気を誇ったリコーの「GR II」は、大きなAPS-Cサイズのセンサーに18.3mm F / 2.8の固定レンズを搭載した、ハイエンドコンデジです。ソニーの「RX-100」がこの分野の代表格ですが、「GR II」は、ミニマルで質素な機器を求める写真家のための代替品だったのではないでしょうか。
今回、約4年ぶりのバージョンアップとなる「GR III」は、GRシリーズの良さはそのままに悪条件下でも美しい写真が撮影できるようにパワーアップしてきました。
2015年に発売された「GR II」は2013年の初代から大きな改善はありませんでした。しかし2019年の現在、カメラの技術は大きく進歩し、「GR III」は、初の大きな全体的なアップデートを行なっています。
3軸手ブレ補正を搭載
手ブレ補正機構は3軸(ヨー、ピッチ、回転ぶれ)を備え、最大4段の補正が可能。
この数年で、手ブレ補正機構の内蔵は高級カメラでは標準機能となってきましたが、コンデジにも搭載されるのは嬉しいですね。
高画素化
また「GR II」は16メガピクセルでしたが、「GR III」は、24.24メガピクセルにパワーアップ。高解像度化しつつも、独自のノイズ低減処理により、高ISO感度でも高画質を実現、感度はISO100〜102400。これにより暗い場所でも動きの早い被写体を捉えることが可能になります。
オートフォーカスが高速化
またコントラストAFと、像面位相差AFを組み合わせた「ハイブリッド方式」のオートフォーカスに。コントラストAFで起こりやすい「ピントの山を探る動作」が減り、オートフォーカス性能はかなり高速化しています。
また「GR III」は新しくタッチスクリーンに対応し、オートフォーカスの設定や、画像の拡大などを直感的に行なうことができるようになっています。


使ってみた印象
35mm判換算28mm相当の「GR LENS18.3mm」は、初めて使う人にとっては戸惑う部分もあるかもしれません。個人的には「GR II」のズームなしの固定レンズが好きでした。というのも、写真撮影により集中できるようになるからです。これは写真家にとっては良いものだと思いますし、これまでのGR IIやフジフイルムの「XF10」が、そういった仕様だったことに感謝しています。至れり尽くせりの初心者向けカメラとは一線を画した、写真家のための機材というか。
昨年発売されたXF10は GR IIIとの比較対象になりますね。GR IIIと同様、24メガピクセルの APS-Cセンサー、28mm相当の固定レンズ、そしてISO 51,200の高感度を搭載した、クラシックな見た目のハイエンドコンデジです。このXF10とGR IIIの違いは、XF10は日本で4〜5万で出回っていて(GR IIIは10万円前後の価格帯であることが予想されている)、4K動画撮影が可能で、でも手ぶれ補正機能がないことでしょうか。暗い場所での撮影は、じっと静止しなくてはなりません。
以下、いくつか「GR III」の作例です。





悲しいことに、筆者が「GR III」を試用させてもらったその日はニューヨークはひどい嵐、でもカメラを使って良かった場所は限られ、作例写真はあまり撮ることができませんでした。
色のバランスの良さと境界線のコントラストの良さ以外に、「GR III」の精細さには驚きました。「GR III」は6cm離れたところの焦点も合わせることができ、さらに建物の向こう側にある街の風景写真もシャープです。
ISOのパフォーマンスも良好で、暗い部屋でより明るく撮影しようとしたショットはざらついていましたが、悪くありません。ISO4000で撮影したセルフィーもざらついていなくてなかなか良いですね。