僕にとってはメールの死も同然。
Googleがメールサービスの「Inbox」を終了します。Inboxは2014にデビューしたメールサービスで、Gmailと同じメールボックスを共有しながらも、AIがいろんなアクションをサポートしてくれるという特徴がありました。メールを「ショッピング」「ソーシャル」みたいにラベル分けしたり、返信の文章の候補をいくつか提示してくれたりするんですね。
数千通のメールもさばけたInbox
僕はとくにラベル分けの機能がお気に入りでした。メールをラベル単位でまとめて処理(アーカイブ行きかゴミ箱行きか)できるので、数十通だろうが数百通だろうが、メールをザクザク処理できたのです。

たとえば、「プロモーション」にラベリングされたDMの束は、「ざっとタイトルを見る」→「気になるメールだけ見る。残すメールはピンどめ」→「完了ボタンをタップしてピンしなかったメールぜんぶを完了(アーカイブ行き)にする」という一連の作業で、メールボックス内にあるのは必要な/興味のあるメールだけ、という状態を簡単に保つことができました。
しかも一連のチェックに必要な操作は、スクロールと数回のタップだけ。
メディアという仕事柄もあって、僕のメールボックスには毎日まいにち大量のメールが津波のように届きます。AIのサポートがなければ、あっというまにメールボックスが未読のメールであふれてしまうのです。
Gmailも良くなったって言うけれど
Inboxの終了アナウンスが届いてから、数年ぶりにGmailを覗いてみました。なんでも、GmailもInboxの機能をいくつか取り込んでスマートになったって話だとか。
...でもダメです。ラベル分けはありますけど、メールをアーカイブに送って受信箱から消そうと思ったら、1件ずつフリックするか、タップでチェックしてから「アーカイブ」ボタンを押す必要があるのです。10件くらいなら、まあこの方法でもいいでしょう。しかし20件を超えたあたりから、タップする指が悲鳴をあげるのです。
PC版はまだ大丈夫
ここで、僕はスマートフォンでのメール処理をあきらめてPCを立ち上げました。PCのGmailはラベル内のメールをすべて選択するボタンがあるので、「メール全部を選択」→「残したいメールを選択解除」→「アーカイブ行き」という操作でメールボックスをクリーンにできます。Inboxよりちょっとだけ手数は多いですが、まあ使えます。
よかった、僕はまだなんとかメールを使い続けることができそうです。
後続サービスの誕生に期待してます
メールという1つのサービスに対して、InboxとGmailという2つのサービスが用意されているというのは、たしかにヘンテコな状態ではありました。両者がこのまま別々に発展するくらいなら統合しようというのは正しい判断で、それならよりメジャーなGmailを軸にする、というのはわかります。
けど、Inboxの「少ない操作でより多くの結果を得られる」というデザインは、Googleの哲学によりマッチしていたと思うんですよね。今後、InboxのデザインがよりGmailに反映されることを祈るばかりです。
なお、Googleが人気のあるサービスを突然に打ち切るのは、これが初めてじゃありません。かつてRSSリーダーの決定版とも言えるGoogleリーダーも、急なサービス停止でユーザーに混乱をもたらしました。その後、Feedlyなど後続サービスが誕生し、みんな何とかやれているのはRSS愛好家ならご存知でしょう(でもホントはGoogleリーダー復活してほしい)。
もしGmailがいまのままだとしても、いずれどこかからInboxの精神的後継者ともいえるプロダクトが登場するかもしれません。わたしはPCでメールをチェックする日々を送りながら、新たなInboxの誕生を気長に待つことにします。
Mailboxが生きててくれたら良かったのになあ...