RVRと書いて、Rover(ローヴァー)と読む。
これまでR2-D2や BB-8、スパイダーマンなどキャラクターもののロボット玩具を手がけてきたイメージがあるSphero(スフィロ)。昨年末には、教育系ロボに力を入れるという意向を示していました。
そんななか新たに登場したのが「RVR」。愛嬌と実用性を兼ね揃えた、プログラムで動かせるロボットです。

RVRの大きな特徴は、とにかく高いカスタマイズ性。取り替え可能な「モジュラープレート」によって、レゴやNurfのおもちゃ銃、Bluetoothスピーカーなど何でも乗せられるといいます。同社によれば、色や環境光を検知できるセンサーが搭載されているため、たとえば温かい飲み物を乗せてオフィス内を走らせることも可能だとか。
IRセンサー、磁力計、加速度計、ジャイロスコープといった装備に加えて、9軸IMU(9軸で動きを測定できる慣性測定装置)、ほかのSpheroロボットとシグナルの送受信ができるアンビエントライトセンサーとカラーセンサーを搭載しています。
機能が単一的すぎてクリエイティブな作業に不向きであったり、構築プロセスでユーザーのフラストレーションが溜まったり...既存のプログラミングロボットが直面しがちだった課題に対して、RVRはもっとクリエイティブにコードが書けるソリューションとなっています。
じつは今年のCESでリリースされた、Spheroのセンサーリング「Specdrum」が活用されているのも興味深いところ。Sphero共同創業者で最高クリエイティブ責任者のAdam Wilson氏は、RVRはまさに成長させたい類いのロボットだとして、RVRの柔軟性や先進的な機能性は開発者の想像力に応えられるものだと語っています。
同じくSpheroの製品でBoltは初心者向けですが、RVRは初心者に手が届きやすく、より高度なプログラミング体験を提供するといいます。 Raspberry Pi、Micro:Bit、Arduinoなどサードパーティ製ハードウェアとの接続も可能です。

Spheroはすでに消費者から信頼を得るに足るほどの製品を販売してきた実績があるにも関わらず、RVRをリリースする最初の場としてキックスターターを選びました。その理由について「開発者の方々が現在、何を求めているのかわからないんです。活気あるコミュニティを活用し、有効なフィードバックを得るには良い方法ではないかと思っています」と、Wilson氏。
個人的にRVRに触ってみた感想としてはまず、全然重くなかったのに驚きました。Gizmodoのオフィス内を走らせてみたところ、わりと滑らかな動きでした。ロボット専用アプリ(プロトタイプ)には接続の問題も多少散見されました。
とはいえ、モジュラープレートの入れ替えはかなり簡単でした。たとえばひとつのクラスに1台、基礎となるロボットを用意して、生徒がグループあるいは個人で作業できるプレートを配るというのも現実的かもしれません。
RVRは現在、キックスターターで約200ドル(約2万2000円)+送料にて世界各国への発送を受け付けています。その後の一般販売では価格が250ドル(2万7600円)になる見込みです。