見つかったら見つかったで謎だらけの頭部。
先日は懐ゲーの名作『ギャラガ』にちなんだ白亜紀のサメ「ギャラガドン」の歯が見つかりましたし、今度は中国にて、アヒルみたいな頭の海洋爬虫類の化石が見つかるなど、考古学界にちょっとした発見ラッシュが起こっているようです。
IFLSCIENCE!いわく、このたび湖北省で発見されたのは、三畳紀に生きていたという海洋爬虫類「Eretmorhipis carrolldongi」。この生物はこれまで首から下は見つかっていたものの、どんな頭部を持っているのか謎のままだったのです。なおこの発見は、三畳紀の前に起こった“ペルム紀末の大量絶滅”から、地表が復活するまでの速度を知る手掛かりも与えてくれるとのこと。
調査には日本人の博士が
カリフォルニア大学デービス校におられる、古脊椎動物学者・進化生物学者の藻谷亮介博士は、この発見を以下のように話されています。
これは非常に奇妙な生物です。これの生物学について考え始めたとき、私は本当に戸惑いました。頭が小さいのに、肉付きのない前ヒレが異常なほど大きいのです。胴体は重厚そうで、背中からは三角形の骨っぽいヒレが突き出ており、そしてアヒルのように突き出た鼻がついているんです。
カモノハシの系統だけが唯一、アヒルのようなクチバシで水中の食料をほじくる生物として知られています。我々は、およそ2億4700万年前に環境に適応した、また別の海洋爬虫類の系統を見つけることとなりました
謎の穴
2つの新しい頭蓋骨は、頭がカモノハシの頭と同じように軟骨で支えられていたであろうことを示唆しています。そしてクチバシの真ん中には大きな穴があるのですが……これが何の機能を持っていたのか、調査チームはまだ確実に突き止めることができていないのだそうです。
しかし今後カモノハシをもっと研究すれば、何か光明が見えるかもしれません。現代の動物は、そうした穴をで進む方向を決めたり獲物を探すことに使います。なのでほぼ同じ用途かもしれませんね。
ちょっと怖い感じですが、こちらが「Eretmorhipis carrolldongi」の予想図です。

もしかすると、いずれまたコレの化石が見つかり、いろんな謎が解明されるかもしれませんね。淡く期待するとしましょう。
Source: IFLSCIENCE! via EurekAlert, 藻谷亮介