火星探査機インサイトを導いた小型衛星「WALL-E」と「EVE」が音信不通に

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
火星探査機インサイトを導いた小型衛星「WALL-E」と「EVE」が音信不通に
Image: NASA/JPL-Caltech

夫婦でよく頑張ってくれました。

現在宇宙空間にて、探査機「InSight(インサイト)」の火星着陸を手助けした、1対の小型衛星が1カ月以上音信不通になっています。InSightのミッションは成功したので、良いっちゃ良いのですが……夫婦のような衛星なのでちょっと気の毒な気もします。

愛称がある

これらの衛星は「Mars Cube One(またはMarCO)」という名ですが、アニメ映画に因んで「WALL-E」と「EVE」という愛称で呼ばれています。2機とも重さ約13kgという、軽くて比較的安価な衛星のキューブサット(箱型衛星)なのですが……惑星の間に入った初のキューブサットとなりました。

そしてこのミッション成功により、今後も宇宙船がキューブサットをお供に連れて行くことができそうな、良い前例ができました。

キューブサットとは

研究者が打ち上げロケットには、コストを削減し、空きスペースに探査機器を詰め込めるよう設計されています。先日JAXAが打ち上げた「革新的衛星技術実証1号機/イプシロンロケット4号機」にも、人工流れ星衛星などたくさんの小型衛星が相乗りしていましたよね。

一般的なキューブサットは60立方インチ、つまりほぼ1Lの容量を持っており、1.33kg以下の軽さに作られています。それらは拡張可能で、WALL-EとEVEは6つのキューブ・ユニットを持っています。ちなみに現在は、既に1,000を超えるキューブサットが打ち上げられています

夫婦衛星の活躍

NASAの科学者たちは、キューブサットがInSightの火星着陸任務のような深宇宙での使用に耐えうるか否か?のテストに興味を持っていました。火星まで一緒に行って、InSightの着陸する姿を監視し、バックアップ用リレーとして通信データをほぼリアルタイムで地球に送ってくれることを期待していたのです。

実はキューブサットがいようがいまいが、InSightは2006年から運用されている信頼性の高いマーズ・リコネッサンス・オービターをデータの転送に使っています。ですがWALL-Eは、InSightが下降する各段階のデータを地球に送ることに成功し、着陸船の最初の画像も送ってくれました。その間EVEは、無線測定を行なうことができました。

終焉も夫婦揃って

NASAは12月29日にWALL-E、そして1月4日にEVEと音信不通になりました。プレスリリースによりますと、これは探査機のアンテナが地球に正しく向けられていないか、または太陽光パネルが太陽に向けられておらず電池切れになった可能性があると考えられています。

しかしこの任務にて、キューブサットが深宇宙から地球へデータを中継するための、実行可能な選択肢であることが実証されたわけです。そして将来のミッションでは、 キューブサットによる中継で、探査機着陸の様子が届けられるかもしれません。

プレスリリースによると、InSightチームは夏に、太陽に近付くこれら2機との通信を試みるそうです。もし応答してくれなかったとしても、WALL-EとEVEが任務に成功したという事実は揺らぎません。

Source: Nanosats Database

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