火星のお天気情報はこちらです。毎日アップデート中!

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  • author George Dvorsky - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
火星のお天気情報はこちらです。毎日アップデート中!
Image: NASA/JPL-Caltech

エクストリームな塵旋風に負けず頑張ってます!

現在火星の地熱や地震を測定するべく、送り込まれたNASAの探査機「InSight(インサイト)」が、搭載機器から火星の気象データを収集しており、誰もが毎日の天気予報をチェックすることができるようになっています。

エリシウム平原から届く毎日の天気予報は2月11日に始まり、気温、風速、そして気圧に関する情報を教えてくれます。サイトを見てみるとグラフもあるのですが、火星では気温と気圧はほぼ反比例し、風速と気圧がなちょっぴり合致しているかな? という感じです。

たとえば2月14日のヴァレンタインの日は、インサイトは最高気温マイナス16度、最低気温マイナス95度(!?)を記録しています。最高風速は58.5km/hで、平均気圧は721.7Pa(パスカル)だったとのことです。

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Image: NASA

真冬でも頑張るインサイト

インサイトは赤道近くに着陸し、現在嵐がより活発になるを経験しています。とはいえコーネル大学の天文学者ドン・バンフィールド氏が声明文の中で説明しているように、インサイトは過酷な環境下で気象データを観測しているのです。

探査機は赤道に近いので、北緯60度で嵐の形跡は見当たらないと思いますが、すでに火星の天候を生み出す高低の圧力信号波の形跡を見ています。それらの信号波は、赤道近くでも見ることができ、特徴を持つのに充分な大きさなのです。これは驚きでしたね

この情報を収集するため、インサイトはNASAのジェット推進研究所(JPL)、コーネル大学、そしてスペインの宇宙生物学研究所によって開発された一連のセンサーを備えています。これらの機器は、まとめて補助荷重サブシステム(APSS)と呼ばれ、火星の1日ごとに1秒のデータを収集します(Solという単位で呼ばれる1火星日は24時間39分35.244秒)。インサイトはこのデータを毎日地球に送り返すことで、毎日の天気予報を可能にします。今後2年間、インサイトはこのデータ収集を継続するので、日々の更新に加えて、火星の季節変動の観点からより多角的な側面を見ることができます。

APSSの機器類

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Image: NASA/JPL-Caltech

内部の気圧センサーと、デッキ上にある「ツインズ」と呼ばれる一対の気温と風センサー、そしてデッキの端に位置する、惑星探査初の磁力計から成ります。双子センサーは一方が東を向き、もう一方は西を向きます。この機器は、強風が「SEIS」として知られる地震計に干渉しているかどうかを、地球のチームに知らせます。

実際、APSSは惑星気象学に適していますが、探査任務の成功にも不可欠です。探査機周辺の状況を監視することで、NASAの科学者たちは天候が繊細な機器類、すなわち「SEIS」と熱流探査機を混乱させているかどうかを知らせることになります。どちらの機器も、大きく上下する温度変動の影響を受けます。特にSEISは気圧の変化や風の影響を受けやすくなっているので、耐風・耐熱シールドを配置する必要があるのです。

観測について

NASAの声明文では、バンフィールド氏がこのように説明しています。

APSSは、地震データの環境ノイズを除去し、いつ地震の発生を見ているのか、またいつ見ていないのかを知るのに役立ちます。これを継続的に運用することで、我々は地表における更なる気象について詳細を知ることになるのです。これは普段であれば、1Sol中で断続的にしか収集できないデータです

そしてNASAが指摘したように、ツインズによる風の計測は、科学者たちに砂埃が地表でどのように舞い散るのかを研究させてくれるでしょう。

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Image: NASA/JPL-Caltech

吹き荒れまくる塵旋風

科学者たちは、火星の薄い大気の中で塵を持ち上げるのにどれだけの風が必要かを知りません。それは砂嵐など砂丘の形成と砂嵐に影響を与え、昨年発生し探査機オポチュニティ故障の原因を作ったような、惑星を取り巻く砂嵐を含みます。

APSSはまた、調査団が火星の地表に層を残した、塵旋風(渦巻状の突風)について学ぶ助けをしてくれるでしょう。塵旋風は本質的に低圧の旋風なので、インサイトの気圧センサーはそれが近くで起こっているときに検出することができます。センサーは70年代のヴァイキング号や、90年代のマーズ・パスファインダーより10倍も精度が高く、数十mも先で起こっている塵旋風の調査を可能にします

興味深いことに、エリシウム平原では塵旋風がしょっちゅう起こっているのだそうな。低圧で起こる渦巻状の突風は、100km/hで回転するのです。

バンフィールド氏はこうも話しています。

塵旋風はインサイトを揺さぶりますし、我々はよくそれに遭遇します。塵旋風は地面を傾けたりもするのです。インサイトには繊細な地震計が装備されているのです。

地球上では、砂漠の塵旋風は高さ15mから1kmになることもあります。ですが火星では、5~10kmという高さなのです。大きいものは直径100mかそれ以上であることもあるのです

そんなのが数十mで起こっていて、インサイトは大丈夫なんでしょうか? 過酷な火星の環境を良く知る手助けになりますが、現場は映画『ツイスター』さながらの一大スペクタクルが巻き起こっているのでしょうね。何にせよ、無事を祈りたいものです。

Source: NASA (1, 2), Cornell University

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