カミングスーンだらけのAppleサービス発表イベント。ありゃいったい何だったのか。
元Appleのブロガー、ベン・トンプソンさんはAppleが発表では言葉にしなかったことを次のように読み解いています。
即日リリース:Apple News+
5月:Apple TV Channels
今夏:Apple Card
今秋:Apple Arcade、Apple TV+
ニュース以外は、利用料すら発表されなかった。デベロッパー向けでもないし、コンシューマー向けのものをこんなに前倒しで発表しても意味がない。となれば答えはひとつ。ウォール街対策とみるのが妥当だろう。
たしかに、第1四半期決算報告でティム・クックCEOが約束した「 マクロ経済は変えられないが、結果を出せるようほかの事業でアクセルをかけている」という発言に沿うイベントと見ると、もやもやはスッキリするかもしれませんね。
ベン・トンプソンさんいわく、iPhoneが頭打ちになる中、Appleのようなメガ企業が成長を維持する道は3つ。
1)新製品の開発(めちゃハード。iPhoneレベルのヒットはたぶんもう、ない)
2)統合拡大(儲かる他社サービスをどんどん自社展開する戦略)
3)買収(めちゃ高い。一番安易な成長拡大路線ではある)
今回の発表はこの2番目の統合拡大化路線だというんですね。言うなれば、App Storeの稼ぎ頭を模造する戦略というわけ。わかりやすく図にまとめると、次のようになります。
Appleはクレカになりたい

Appleは任天堂になりたい
ただし30%のアップル税は払わずに。

Appleはニュースサイトになりたい

そして一番重要なのが動画配信サービスで、一番上の図となります。
Netflix買収ではなく対抗を選んだAppleはこれからハリウッドのコンテンツをめぐる熾烈なビディングウォーへと突入するわけですが、それってお金がどんどん燃えていく世界なので、いくら「燃やすドル札は山のようにあるんだぜ」のAppleでも株主の目はシビア。どこまでもちこたえられるのか…。
スマートTVメーカーに2、3社食い込んだぐらいで千手観音みたいに食い込みまくってるNetflixやAmazonに対抗できるんかな、ストリーミング全否定で映画『ROMA』の価値もわからない20世紀の巨匠とタッグ組んで喜んでる場合かな、オプラーなんてお茶の間の人以外誰が見るんだ、という大きなクエスチョンマークが浮かんだところで本日はさよならとしましょう。
Source: Stratechery