Galaxy Watch Activeレビュー:ほぼ完ぺき…ヘルストラッキング以外は

  • 20,784

  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
Galaxy Watch Activeレビュー:ほぼ完ぺき…ヘルストラッキング以外は
デザインはいいけど、大事なとこが抜けてる。(Photo: Victoria Song - Gizmodo US)

そこがキモな気も。

Samsung(サムスン)が新スマートウォッチ・Galaxy Watch Activeを発売しました。これまでの回転するベゼルを取り払ったすっきりデザインは良いんですが、トラッキング系の精度に問題があるようです。以下、米GizmodoのVictoria Song記者のレビューです。


Samsungが先日のイベント・UnpackedでGalaxy Watch Active(以下Active)を発表したとき、私はあえて楽観的に見ていました。これまでSamsungのスマートウォッチの特徴だった回転ベゼルがなくなってユーザビリティ的に不安はあったんですが、見た目もスマートだしスペックも十分です。それにSamsungはこの数年、Android系スマートウォッチではベストなものを世に出し続けてきたと本当に思います。ただ彼らはたいてい、「よくやってる」から「すごい!」になかなか行けなくて苦労してるように見えます。

すっきりした女性的なデザイン

Activeは、去年秋に「Samsung Gear」から「Galaxy Watch」へとリブランドされたスマートウォッチを、よりすっきりさせたバージョンです。機能的にはほとんど同じですが、デザイン的にずっとコンパクトになりました。Samsungのスマートウォッチには、フィットネスにフォーカスしたSamsung Gear Sportというのもあったんですが、Activeは位置づけ的にはそちらを受け継いだものと言うこともできます。

Samsung Galaxy Watch Active


190326_galaxy_watch_1


これは何?:Samsungのすっきりしたフィットネスウォッチ

価格:200ドル(約2万2000円)

好きなところ:美しいデザイン。軽い。お手頃価格。

好きじゃないところ:精度がまちまち。ベゼルが回らないこと。



Samsung Gear SportがSamsungのOS・Tizenにおけるアプリのパートナーシップを拡大し、Galaxy WatchがSamsungの健康系サービス全般とバッテリーライフを向上させたのに対し、Activeには画期的なところがありません。が、デザインだけは前進だと思います。

Activeは何と言っても、とにかく美しいスマートウォッチです。1.1インチ・40mmの円形有機ELスクリーンは私のレディーな手首にもゴツすぎません。これまではGalaxy Watchの小さい方でも42mmだったので、どこか大きすぎ、重すぎる印象でしたが、Activeでは違います。軽くて、着けてることもほとんど忘れるくらいです。カラバリもブラック、シルバー、ローズゴールド、グリーンと魅力的な展開です。私はローズゴールドを試しましたが、それは単にかわいいからってだけじゃなく、他のファッショナブルなAndroid系ウォッチとも比較したかったからです。

たとえばFossil Sportと比べると、Activeは全体的により細身で、右側のふたつのボタンもあんまり飛び出していないので着けやすいです。並べてみるとActiveのほうが少し厚めですが、Fossil Sportのような安っぽさを感じません。Fossil Sportのナイロンのケースは、あんまりそそらないです。Misfit Vapor 2は重たくて全体的にいかついデザインを強調してます。Fossil SportもMisfit Vapor 2も、ローズゴールドでさえもユニセックスなデザインですが、Activeは女性向けに見えます。女性の方により似合うデザインというのは、スマートウォッチでは初めてかもしれません。

190322_gwatchactiverev2
左から右へ、Fossil Sport、Samsung Galaxy Watch、Misfit Vapor 2。ピンクなウォッチたち。(Photo: Victoria Song - Gizmodo US)

この女性っぽさの要因はふたつあります。まずケースが小さめで、きゃしゃな手首には合いますが、がっちりした人には小さすぎるかもしれないこと。ふたつめに、回転ベゼルがないこと。ベゼルはTizenのユーザビリティを高めていただけじゃなく、男性っぽさを強めてもいました。上の写真を見ると、Activeはベゼルがないおかげで、他のルックスの良いスマートウォッチと同じくらい洗練された感じがします。

とはいえ、回るベゼルをなくしたからってActiveにはベゼルそのものがないというわけじゃありません。むしろでっぷり黒々したリングが、画面を取り囲んでいます。でもFitbit Ionicの極太ベゼルと比べればだいぶマシだし、それよりベゼルが狭いFitbit Versaと比べても遜色ありません。ほとんどの画面やウィジェットの背景が黒なので、黒いリングの存在自体気づきにくくなっています。ただ、これだけスペースがあるなら、回るベゼルがあってもよかったのにという感じはします。

ユーザビリティは犠牲にならず

ただ気になるのは回転ベゼルなしのTizenの使いやすさですが、意外にも大丈夫でした(これからWear OSとどう差別化するかって課題はありますが)。パフォーマンスと言う意味ではかなり速く、画面をスワイプしていくのも素早く簡単です。左にスワイプして通知を参照、右スワイプでプリセットのウィジェット(たくさんある)をスクロール、下スワイプでクイック設定メニュー、といった感じです。強く押すと文字盤のデザインを選べて、選択肢も多いので私自身好きなものを見つけられました。ただしTizen上で使えるアプリは、たとえばApple Watchの足元にも及びません。それにSamsungがどれだけがんばろうとも、彼らのAIアシスタント・Bixbyはそんなに優秀じゃありません。

190322_gwatchactiverev3
Galaxy S10のWireless Power Sharingは良いんですが、2日間というバッテリーライフ自体を変えることはできません。(Photo: Victoria Song - Gizmodo US)

バッテリーライフはまずまずといったところで、「一般的な使い方」で45時間持つとされています。心拍数の常時検知も、その時間に入っています。なのでバッテリーを長持ちさせたければ、設定で心拍数検知の頻度を下げれば可能です。

Activeを使っていてバッテリーが一番長持ちしたときは、睡眠一晩も含めた丸2日間持ちました。その次の夜は睡眠トラッキング前に少しだけ充電し、次の朝までの睡眠をトラッキングするのにバッテリー50%で十分でした。でもFitbit Versaは充電1回で5日とか、Galaxy Watchはバージョンによって4〜5日も持つのと比べると、2日というバッテリー持ちは大したことありません。でもApple Watch Series 4とはほぼ同じだし、コンパクトなデザインを考慮すれば、まあいいかと思えます。

このバッテリーライフ問題を多少軽減すべく、ActiveはGalaxy S10に載せてのワイヤレス充電が可能です。なかなかクールな機能ですが、それをするにはGalaxy S10を持っていて、充電中に電話もスマートウォッチもチェックするのをあきらめなきゃいけません。実際試してみると、このワイヤレスパワーシェアリングはたしかに使えるんですが、充電速度はそんなに速くなく、置き方にもコツがあります。58分間充電してみましたが、その間スマホを下向きにしておく必要があり(つまり通知とかも見られず)、充電できたのは38%分でした。これだと便利機能というよりは、ギミックだなという印象です。

Activeは加速度計とGPS、ジャイロスコープ、気圧計、心拍計を内蔵しています。防水性能は5ATMと、プールで泳いでも問題ないレベルです。NFC決済機能と、最大4GBの音楽用ストレージもあります。2019年のフィットネス用スマートウォッチとしては、ベーシックなスペックです。

190322_gwatchactiverev4
ハードウェア、センサー類はしっかりしてます。ヨークシャーテリアは別売。(Photo: Victoria Song - Gizmodo US)

フィットネス系機能では、Activeにはいくつかすごく得意なことがあります。まずランニングとウォーキングは自動でトラッキング、つまり10分くらい動いていると、Activeが気づいて記録開始してくれます。いちいち画面をタップして記録開始するのが面倒な我々にはありがたい機能です。それからアクティビティの種類が39種類もあり、たとえばApple Watchでも15種類くらいしかないのと比べるとナイスです。

課題はソフトウェア

そんなわけで、回るベゼルがなくなっても世界の終わりというわけじゃなし、バッテリーライフもまずまずで、ハードウェアはちゃんとしてるし、デザインも良いし、どこか足りないところはあるでしょうか? 残念ながら、Samsungのあらゆるウェアラブル共通の問題ですが、ソフトウェアがイケてないんです。

ランニングマシンを使って、早足で1マイルのウォーキングをしたとき、Activeが記録した歩数は1,705歩でした。でも同時にYamaxの歩数計で測った歩数は2,126歩でした。違いは19.8%と、厳しいものがあります。ランニングでも精度はあまり改善せず、ジョギング程度の速さで1マイル走ったときは1,664歩でしたが、Yamaxでは1,951歩と出ました。違いは14.7%と、そこそこ大きいです。いろんなフィットネストラッカーやスマートウォッチで試してきましたが、たいていは歩数計との誤差が2〜5%の間にあります。たとえば今回、Fitbit Ionic Adidas Editionも同時に試してみましたが、歩数計との差はウォーキングが1.08%、ランニングが1.03%となっていました。

190322_gwatchactiverev5
心拍数のグラフがまっすぐになるのって、死ぬときですよね…。(Photo: Victoria Song - Gizmodo US)

心拍計に関してはもう少しマシで、走ってるときにチェックしたら、胸に着ける心拍計Polar H10との誤差は毎分5回以内でした。だいたいFitbit Ionic Adidas Editionと同じくらいです。でも、別途17分間のインターバル走をしたとき、おかしな現象がありました。Activeが心拍数を測れなくなったんです。というか、心拍数はランニング中ずっと毎分120回だった、と出たんですが、そんなはずないんです。まず、1)心拍数が一定になるのは死ぬときだけだし、2)同時に測ってた別のトラッカーでは、違う数値が出てました。

おかしいのはほんの数分前、ランニングマシンで走ったときは心拍計もちゃんと動いてたってことです。でもその後も使っていて、Activeの心拍計は機能したりしなかったりすることがわかってきました。たとえばストレスモニタリング機能をいろいろいじり回してるとき、ランニング後3時間経ってソファでくつろいでいたにもかかわらず「非常にストレスを感じている」ことになっていてびっくりしました。もしかして汗のせいかもしれないと思って光学心拍モニターをきれいに拭いたんですが、再起動するまでは普通に機能しませんでした。

この不安定さは睡眠トラッキングにまで影響してました。本来は睡眠ステージを分解したものが見られるんですが、Activeが心拍数を読み取れないことが何回かあり、そのせいで睡眠もトラッキングできなくなっていました。睡眠トラッキングできているときでも、その精度はあるときは全然違っていたり、次の日にはFitbitとほぼ同じだったりと安定しませんでした。

なのでActiveには血圧モニタリング機能が一応あるんですが、これもあんまり期待してませんでした。Samsungは発表イベントでもこの機能について奇妙なくらい触れなかったんですが、そこには理由があったんです。これを使うにはMy BP Lab 2.0という新たなアプリを入れる必要があり、それがリリースされたのは3月15日とイベントの後でした。そしてGoogle Play Storeのレビューを信じるとすれば、その出来は期待外れだったようです。そもそもこのアプリを使う前に、一般的な血圧計で血圧を測る必要があったりします。ただSamsung自身、この機能はまだベータリサーチ中だと言ってるので、あんまりこの点は責められません。

190322_gwatchactiverev6
ファットなベゼル。(Photo: Victoria Song - Gizmodo US)

良いニュースは、このへんの問題はみんなソフトウェア関係なので、ソフトウェアアップデートで改善するかもしれないことです。もしソフトウェア系の問題がなくなれば、200ドルのActiveは間違いなく買いです。GPSオンリーのApple Watch Series 4に比べてお値段半分だし、デザイン面ではFitbit Versaより魅力的です。Tizenはアプリこそ少ないものの、GoogleのWear OSより使いやすいです。なのでヘルストラッキング機能がそこまで重要じゃなければ、特にアップデートされなくても、Activeは良い買い物になります。残念なのは、本当はもっと素晴らしいものになっただろうなってところです。

まとめ

・美しいデザインで、回るベゼルがなくなったことも許せます

・Tizenはアプリは少ないものの、動作は早く、スワイプへの反応も良いです。

・ハードウェアはしっかりしていますが、ソフトウェアの出来にムラがあります。ヘルストラッキング系のテストでは精度がまちまちで、特に心拍計に問題がありました。

血圧計はきわめてベータです。

・バッテリー持ちは2日間でまずまず、Galaxy S10でのワイヤレスパワーシェアリングはちょっとギミックっぽいですがクールです。


    あわせて読みたい

    powered by