Google、VRアニメのスタジオSpotlight Storiesを閉鎖へ

  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
Google、VRアニメのスタジオSpotlight Storiesを閉鎖へ
Image: Spotlight Stories

360度映像の斬新さはさて置き、名作揃いだっただけに残念。

6年間ずっとVRで見る360度短編アニメを作り続けてきた、GoogleのスタジオSpotlight Storiesが、なんと閉鎖することになりました。

彼らの作品には、たとえば義足のルチャリブレ選手が戦う『Son of Jaguar』や、史上初のアカデミー賞アニメ短編部門でノミネートされた『パール』など、ハートウォーミングで、ホロりとさせられるものばかりでした。

The Hollywood Reporterに届いたエグゼクティヴ・プロデューサー、カレン・デュフィーロさんからのメールには、こう書かれていたようです。

Google Spotlight Storiesは、6年以上ものあいだ携帯電話、スクリーン、VRなど何処にいても見られる物語を作ってきましたが、その扉を閉めることとなりました。

これまで物語、アニメーション、そして技術を貢献し続ける機会に恵まれたのは、宝くじに当たるようなものでした。皆さんもその一端を担い、私は一緒に仕事が出来たことを誇りに思います。おめでとう! すべての皆さんに心からお礼を申し上げます

そしてVARIETYも、スタジオの従業員たちはGoogle内にてほかの職種に申し込んでいると伝えています。とはいえほとんどのアーティストたちは、作品毎に雇われた契約作家だったそうですが。

コラボレーションの数々

Spotlight Storiesは元々、2011年にモトローラを買収したときに引き継がれたもので、これまでに13本の作品を発表しています。そしていくつかは有名なクリエイターや作品を起用した、イカすものも作られています。

たとえば2015年には映画『ワイルド・スピード』のジャスティン・リン監督を迎え、L.A.の街がエイリアンに襲われる『Help』を生み、ときには『ザ・シンプソンズ』と、それにウェス・アンダーソン監督による『犬ケ島』に、『ウォレスとグルミット』を作っているアードマン・アニメーションズとコラボしたこともありました。

米Gizmodoに送られてきたコメントでは、Googleの広報担当はSpotlight Storiesの未来について触れることはありませんでしたが、こう述べられています。

ことの始まりより、Spotlight StoriesはVRによるストーリーテリングを新たに想像し直すべく励んできました。『Son of Jaguar』や『Sonaria』、そして『Back to The Moon』のように野心的な物語から、評論家たちにより称賛を得て、エミー賞を受賞し、アカデミー賞で初のVR映画としてノミネートされた『Pearl』まで、チームは没入できるストーリーテリングに不朽のインパクトを残したのです。

我々は、長年に渡りチームが作ってきた作品を誇りに思います

金策を怠っていた

Spotlight Storiesが素晴らしすぎる作品を残したことに疑いはありませんが、「どのように利益を生むか」までは思いが至らなかったのかもしれません。VARIETYによりますと、Googleはスタジオに莫大な資金を投入してきたものの、金策をするための方針は考えて来なかった、とあります。

全作品のうち6本がSpotlight Storiesアプリで視聴でき、その他はYouTubeで楽しむことが出来ます。しかし誰かGoogle CardboardDaydream VRで彼らの映像を楽しんだ人たちはおりますでしょうか? Googleとしても、万が一誰も短編映画を見なかったとしてもそんなに痛くはなかったでしょうね。

ちなみに2017年には、Facebookでも『ヘンリー』でエミー賞を獲得したOculus Story Studioも閉鎖してします。


特にVR元年には隆盛を極めた360度短編アニメですが……おそらくVRゴーグルがあまり普及していなかったり、制作に採算が取れなかったりしたのも原因だったかもしれません。当時は最新だったものも、次回作が出るまで長かったりするうちに、飽きられ忘れられ、勢いが失われて行った気がしないでもありません。なんとも残念です。

Source: Spotlight StoriesThe Hollywood Reporter, VARIETY (1, 2), THE VERGE , Google, YouTube

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