やっぱ50倍ズームえぐい。
先日発表されたHuawei P30 Pro。そのカメラのスペックに度肝を抜かれたわけですが、実際に撮れる写真・動画はどうなのか?Pixel 3&iPhone XS Maxと撮り比べてみました。
やり方としては、それぞれのスマホで撮影スポットごとに何枚か撮影し、その中から一番見た目が良いもの同士を比べる、といった段取りです。それではいってみよー!
まずは広角ショットで対決
iPhone XS Max

iPhone XS Maxにはいわゆる広角レンズがないので、建物全体は映らず。
Pixel 3

Pixel 3の背面にも広角レンズがなく、建物全体は写せませんでした。
Pixel 3(広角セルフィー)

でもPixel 3のセルフィーカメラのひとつは広角なので、自分が写らないように頑張れば結構撮れる!
P30 Pro

とはいえ、P30 Proの広角レンズには敵いませんでした。120°の視野はダテじゃないですね。
初めからわかっていましたけど、ほぼほぼP30 Proの不戦勝です。レンズが多いと撮れる画の幅が広がるので楽しいですね。
こんかいは比較でわかりやすいように屋外で撮った写真を上げていますが、広角は被写体から距離を撮りにくい室内でも重宝します。ちなみにムービー撮影だと写真のようには行かず、ちょっとディテールが潰れ気味。それでも全体を広く写したいときは選択肢があるだけありがたい!

あと忘れちゃいけないのが、広角レンズで2.5cmの接写(マクロ撮影)もできるところ。ちょいとお見苦しいですが腕の毛の穴まで撮れちゃいます。結構あるんですよね、近くで撮ろうとして無理だから少し離れてズームに切り替えること。それがいらなくなるんだもんなぁ。
続いてポートレートモード
iPhone XS Max

iPhone XS Maxは髪と橋を背景から区別しきれていませんが、色は結構いい感じ(肉眼で見た色に一番近い)。でも撮影時にポートレードモードが効く効かないの判定が結構厳しくて、「被写体から離れてください」というメッセージによく邪魔されます。
Pixel 3

髪を相当キレイに区別できたPixel 3ですが、橋と背景の区別がところどころ甘いですね。あと画像がちょっと粗めで、寒色寄りです。
P30 Pro

P30 Proは髪と橋をわりとキレイに背景から区別できているものの、全体的に少しぬるっとします。美肌モード「ビューティーレベル」は0に設定してあるんですけどねー。色はiPhoneとPixelの中間くらい。
それぞれ特徴があって優劣はつけがたいですが、SNSとかでサッと流し見される画像としてはどれもまったく問題ありません。個人的にはPixelの髪判定に感動しています。
ちなみに被写体が人じゃないブツ撮りも、意外とPixel 3が一番しっかりと輪郭を判定していました(ブツ撮りの際はP30 Proは「ポートレートモード」とは別の「アパーチャーモード」を使用)。視差で輪郭を判定する際は、Pixel 3のデュアルピクセル+機械学習のアプローチがいまのところ少しリードしているみたいですね。
お待ちかね、ズームバトル
ズームバトルのステージ

ステージはここ。白い丸の中にズームします。ちなみにこれはP30 Proのメインレンズで撮ったものです。
iPhone XS Max(2倍)

まずはiPhone XS Maxの光学2倍ズーム。光学ズームだけあって、かなりキレイですね。
iPhone XS Max(10倍)

iPhone XS Maxの限界である10倍ズーム。デジタル処理の跡がかなり目立ちます。
Pixel 3(N倍)

Pixel 3の最大ズームです(詳しい数字は不明)。光学ズーム0にしてはすごいですが、デジタル処理感は若干出てしまいますね。
P30 Pro(5倍)

P30 Proのペリスコープ・ズームレンズが可能にした光学5倍ズーム。さすがのディテールです。
P30 Pro(10倍)

ペリスコープとそのほかのレンズを組み合わせた「ハイブリッドズーム」による10倍ズーム。少しデジタル処理感が出てきましたが、パッと見わかりません。
P30 Pro(50倍)

人のを超えてきました…50倍ズーム。視力1.5でも肉眼ではこの文字は読めませんでした。さすがにデジタル処理のあとが目立ちますが、全然使えるレベルですよ、これ。
誰がこんなにズームしたいんだよ!なんてツッコミたくなるほどのズーム力でP30 Proがぶっち切り! マジで人の視力以上です(視力3.0とかの人がいたら対決してほしい)。20倍ズーム前後までならSNSに上げても問題なさそうなクオリティーで撮れますし、なにより手ぶれ補正がメチャクチャしっかりしていて驚き。三脚いらずの20倍ズームが日常的に持ち歩けるとは……この世界線でよかった…。
でもムービー撮影時のズームだとiPhone XS Maxの方がディテールを残せていました。ただし写真だと逆なので…これは恐らく処理能力の問題だと思います。イメージプロセッシングの能力でiPhone XSに搭載されているA12チップがP30 ProのKirin 980チップを上回ったのでしょう。ちょっと気が早いですが、こうなってくると今年末に発表されるであろうKirin 990(?)を搭載したMate 30が今から楽しみになってきます。
お次は暗所でバチリ
iPhone XS Max

夜景モードのないiPhone XS Maxだと、スマートHDRをオンにしていても結構暗めです。
Pixel 3

夜景モードありのPixel 3はさすがですね、色もドンピシャで相当キレイに撮れました。ただし3回トライしてもフォーカスがちょーっとズレる。
P30 Pro

P30 Proの夜景モード。色味の補正が少しアグレシッブな気もしますが、フォーカスがしっかり合うし明るく撮れました。でもP30 Proが一番輝いたのは撮影中のとき!
できあがった写真を見る限りPixel 3とどっこいにも見えるP30 Proの暗所撮影ですが、撮影中に40万超えのISO感度が唸り声をあげました。もうね、撮影中の画面も明るいんですよ。Pixel 3だとノイズだらけの暗い画面を見ながらシャッターを切って、数秒経ったあと撮れた写真を見て「スゲー!!!」ってなるんですが…。P30 Proだと撮影中の画面でもけっこう明るくてキレイに見えちゃうので、撮影しやすかった反面、逆に数秒後の感動が薄かったりします。
脳が「撮れて当たり前じゃん」モードになっちゃってるんでしょうか。ちょっと損ですね、P30 Pro。でも間違いなくP30 ProはPixel 3と肩を並べるほどの夜景モードを持っていてさらに撮りやすいので、写真の好みによってはP30 Proがナンバーワンの暗所シューターです。
ムービー撮影も比較
見た感じディテールと色調はiPhone XS Maxが一番キレイで、僅差にP30 Pro、黄色がかったPixel 3がラストでしょうか。音もiPhone XS Maxがナンバーワンですね(Pixel 3とP30 ProをiPhone XS Maxくらいの音量に調節してみるとノイズが聞こえてくる)。手ぶれ補正は、どれもどっこいといった印象を受けます。総合的にみると、どうやらムービー撮影に関してはiPhone XS Maxが一歩先にいるみたい。
これも恐らく、A12チップのおかげですね。大量のデータをリアルタイムで処理しなければならないムービー撮影にも、A12は耐えられるという話です。でもレンズとセンサーだけ見ればP30 Proのほうが優れているので、やはり新チップを搭載したMate 30が今から楽しみです。ズームでぶっちぎってくれたみたいに、ムービーでも魅せてほしい。
まとめ
というわけで、カメラに関してはいつも通り「好みによる」ところも多かったですが、今回の比較を一言で表さなねばならないのなら「ムービーならiPhone XS、写真ならP30 Pro」でよいかと思います。では最後に、50倍ズームの衝撃をもう一度どうぞ:

コンデジの地位、かなり危うしです。ではまたー!
この記事と記事内の動画はHuaweiからのイベントの招待を受けて制作されています。