子どもが生まれてから6年間、親は十分な睡眠が取れないという研究結果

  • 8,523

  • author George Dvorsky- Gizmodo US
  • [原文]
  • 岩田リョウコ
子どもが生まれてから6年間、親は十分な睡眠が取れないという研究結果
Image: shutterstock

お母さん・お父さんになる皆さん、睡眠不足は覚悟しなきゃですね。

5,000人の「親」になった人たちを長期的に調査研究した結果、子どもが生まれてから最初の6年間は満足に睡眠をとれていないことが判明しました。

科学雑誌「Sleep」に掲載された研究結果によると、父親であっても母親であっても、最初の子どもが生まれてからの6年間は、睡眠不足と質の良くない睡眠を続けることがわかりました。

ウォーリック大学の研究者Sakari Lemolaさんによって行なわれた今回の研究は、ドイツのGerman Socio-Economic Panelのデータを使用し、2008年から2015年の間に1人目、2人目、3人目の子どもが生まれたと報告した総勢4,659名(女性2,541名、男性2,118名)の睡眠を分析しました。

今回研究には参加していない睡眠のエキスパートである南ジョージア大学のKelly Sullivanさんは「これまでに睡眠と子どもを持つことの関係性についての研究はされていますが、今回の研究に関しては、あらかじめ時間をかけて同じグループの人たちを系統的にアプローチする方法を取っているため、大変有益なものだと思います」と評価しています。

6年経っても睡眠時間は減ったまま

今回の研究でわかったことは、一番睡眠が取れなくなる時期は子どもが生まれてから最初の3カ月間。平均で、この3カ月間は母親は子どもが生まれる前より毎晩1時間、そして父親は毎晩15分間、睡眠が減るとのこと。その後の2、3カ月は母親は30分多く寝られるようになりますが、父親の睡眠は最初の3カ月とは変わらず毎晩マイナス15分のままだそうです。

研究の著者によると、「母親の睡眠は月日が経つにつれてだんだん改善されていくのですが、妊娠前と同じような睡眠レベルまで戻るのに6年はかかってしまいます」とのこと。6年経ってもまだ妊娠前より20分睡眠時間が少ないままだそうです。6年も睡眠不足とは…。

「長期間満足に睡眠が取れない状態であると、緊張、心配などが親としての役割に影響を与えてきます。それは子どもが大きくなってもです」とも書かれています。

母親の方が睡眠時間が短くなってしまう理由

興味深いことは、家庭の収入が多いか少ないか、またひとり親家庭であるか、二人親であるかは、睡眠の質には影響はないんだそう。そして予想通り初めての子どもを持つ親の睡眠は、すでに子どもを持っている親の睡眠よりも質の悪いものとなっています。経験ですね。そして母乳で赤ちゃんを育てている母親は、粉ミルクで育てている母親よりも睡眠満足度が低いんです。母乳か粉ミルクかは父親の睡眠には影響なし。

母親が父親よりも睡眠時間が短くなってしまう理由としては、「ドイツを含む産業国における働く女性を含む母親たちは、父親よりも家事と子どもの世話の分担の割合が多く、それらに費やす時間も父親より多いことが挙げられます」と研究結果には記されています。とは言うものの、父親の睡眠時間も最初の子どもの誕生から6年経っても妊娠前の睡眠レベルまでは戻らないままなんだそうです。

良い睡眠をとるためには

「他の研究によると、効率の悪い睡眠は集中力を欠いたり、仕事でいい働きができない、学校で勉強に集中できない、病気になる、体重が増えるなどの問題を招くことになります。また効率の悪い睡眠は、男女ともに糖尿病や循環器疾患のリスクを高めるのです。不眠が続く女性には心臓疾患や2型糖尿病、うつ病、体重増加などのリスクが高いことが研究でわかっています。こういった状況を防ぎ自分を守るためには、しっかりとそれぞれのニーズや家族の状況を把握しておくことが重要です」とSullivanさんは語っています。

「親にとって、ストレスとの向き合い方、運動、家族や友達からのヘルプ、セラピストや医者などのプロからのアドバイスなど、必要に応じてライフスタイルの管理をすることが大切です。健康的な睡眠を優先させることは家庭にとって有益なことですから。例えば、カフェインの摂取量を減らす、夜のルーティンをコンスタントで落ち着いたものにする、寝室を暗くする、寝る時間が近づいたらスマホ、タブレット、テレビの明るさを軽減させるなどすることが、良い睡眠への第一歩です」とSullivanさんは言います。

今回の研究の著者のみなさんは、この研究がきっかけで「親が睡眠不足からどのように自分たちの健康を守るか」という糸口を探す研究が増えてくれることを望んでいます。またこれから子どもが誕生する親たちが適切なアドバイスやサポートなどを得られるような体制ができればよいとも話しています。

あわせて読みたい

powered by