ホーキング博士に敬意を表して、イギリス造幣局がブラックホール硬貨を作る

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
ホーキング博士に敬意を表して、イギリス造幣局がブラックホール硬貨を作る
Image: UK Royal Mint

7角形のブラックホール・コイン!

ちょうど一年前、2018年3月14日にお亡くなりになった、理論物理学者スティーブン・ホーキング博士

彼はブラックホールが質量を失い蒸発することを提唱した「ホーキング放射」という研究で科学界に知られている人物。またあまり科学に明るくない人たちでも、博士の著書『ホーキング、宇宙を語る』や、『The Simpsons』に『スター・トレック』などなどポップカルチャーへの登場、それに運動ニューロン疾患による車椅子姿など、どこかで目にしたことがあるかと思います。

その死後は、彼にちなんだ愛用品22アイテムが競売に出されたり、生前に彼が監修していたVRコンテンツが発表されたりと、死してなおその存在感が薄らぐことがありません。

そしてこの度、イギリスの王立造幣局から、博士の一周忌に彼の功績を讃える記念コインが発売されました。コインには博士の名前と、ブラックホールを表す同心円の渦巻き、そしてブラックホールのエントロピーを表す方程式が描かれています。

BBCによりますと、このコインをデザインしたのはエドウィナ・エリーズさん。ブラックホールの概念が、巧いこと硬貨に表われているのもステキですが、最先端の方程式が書かれたコインなんて前代未聞ですよね。

エントロピーとは?

Urban Cafeteriaによりますと、エントロピーとは「熱力学における不可逆性の度合いを、数値化したもの」と短い説明があります。熱力学の第二法則により、熱が温度の高い物から低い物に流れていく様子や、物の散らかり具合を表すのです。

ここで興味深いことになってくるのが、ブラックホールのエントロピー。でさえブラックホールから逃げることができないのに、物理学の法則ではシステムのエントロピーは自然に減少することはできないというのです。そのため、1970年代初頭に、ホーキング博士のような物理学者は、物質がブラックホールに落ちたとき、システム全体のエントロピーに何が起こるのか疑問に思うようになりました。

その結果、博士の研究ではブラックホールはその表面(事象の地平面)から物質を放射しなければならないだろうという、「ホーキング放射」の理論に繋がったわけです。この方程式は重力の法則である一般相対性理論と、最小粒子の法則である量子力学を組み合わせた、物理学における重要なマイルストーンとなりました。

一家に一枚

ということで、この記念コインは王立造幣局のサイトから、1枚10ポンド(約1,460円)で購入できるようになっています。ただ残念なことに、限定5,500枚の銀貨と、倍の厚みと重量を持つ限定2,500枚の銀貨、そして限定400枚の金貨は売り切れています。いつかネットで競売にでも出されるでしょうか?

Source: The Royal Mint, BBC, Urban Cafeteria

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