月には「動く水」があるけど、そこで泳げるってわけじゃあないよ

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
月には「動く水」があるけど、そこで泳げるってわけじゃあないよ
Image: NASA

あくまで地表の話なので、地下にはもしかしたら……?

週末のこと、月には「動く水」が存在し、「植民地化が可能」だと複数のタブロイド紙が爆弾発言をしました。ですが明らかに、月の表面にが流れているわけではありません。どういうことなのでしょうか?

NASAの月惑星探査機「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」は、2009年から月の周回を飛び続けてきました。そしてそのLROが、気温に基づいて月面上に漂う塵の粒子に吸収/放出された水の分子を発見。Geophysical Research Lettersに掲載された論文によると、この結果は月の日中の水の分布を記録した、世界で唯一のデータセットなのだとか。

水があるのは知られている

私たちは水と命を結びつけがちですが、実は水分が太陽系で見つかるのは不思議ではありません。科学者たちはすでに、月の岩石の中に僅かな水の証拠を発見しており、それはおそらく月が形成されたときからあったものと考えられています。そして論文いわく、地表の水分は墜落した隕石によってもたらされたものと見られています。

月面を漂う水分

惑星科学研究所「Planetary Science Institute」の、主任研究官アマンダ・ヘンドリックス女史が率いるこの新しい研究は、LROが持つ遠紫外線光を測定する機器、Lyman Alpha Mapping Project(LAMP)が撮ったデータを分析しています。

彼女らは、2009年から2016年の間に月面で反射された紫外線の日中の変動を分析しました。その結果は、気温に基づいて月の周りを移動する、ごく少量の水分子を示しました。岩石は気温が最高になる昼頃にもっとも水分を放出し、その水分は太陽放射がより少ない地域に向かって動くことが判明したのでした。

勘違いの可能性もある

とはいえ、この結果はもしかすると別の可能性も孕んでいます。

水の動きからして、彼女たちが見ていたのは、ひょっとすると太陽から供給された水素原子と酸素原子が結合した水酸化物分子によるものだったかもしれないのです。いずれにせよ、タブロイド紙が報じていたのは、大量の水ではなく月の地表に1%未満しかない水の分子だった、ということなのでした。

でもやっぱり、月の地表に漂う水があるっていうのは興味深いですよね。いつの日か、科学は月の地表や地下からもっと大量の水を発見するかもしれません。

ヘンドリックス女史は声明文の中で、こう述べています。

これらの結果は月の水循環を理解するのに役立ち、最終的に将来の月面任務において、人間が使える水へのアクセスの可能性について、研究の助けになるでしょう

Source: EXPRESS, International Business Times, AGU100, NASA

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