結局、恒星間天体「オウムアムア」は何なのさ?

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  • author Ryan F. Mandelbaum - Gizmodo US
  • [原文]
  • 岡本玄介
結局、恒星間天体「オウムアムア」は何なのさ?
Image: NASA; Alan Fitzsimmons (ARC, Queen’s University Belfast), Isaac Newton Group /Wikimedia Commons

何に分類するかで主張が食い違っています。

2017年10月19日にハワイで観測された、史上初めて太陽系の外から飛んできた小さな天体「オウムアムア」。何十年も待望され、秒速25.5kmで地球を横切った葉巻型の長く巨大な岩石でした。

これについての調査では、彗星なのか、小惑星なのか? はたまた一部の間では地球外生命体の船なのか? と、たくさんの疑問が生じました。いくつかの研究では小惑星だと結論付けましたが……最新の報告だと、彗星だという仮説がもっともらしいといっています。

不思議な行動をしている

マウイ島にあるパンスターズPS1望遠鏡により発見されたオウムアムアは、太陽の周回軌道を回るのではなく、太陽系の外から遥々やって来て、地球をかすめてまた遠くへ飛んでいきました。ですがその間、科学者たちは818回の観測を行ない、いくつかの珍しい発見があったそうです。たとえば、その細長い形状で複雑な回転をしていること。そして地球の去り際に、太陽の重力だけが原因ではないのに加速していたことが挙げられます。

意見が分かれる理由

彗星か小惑星かという議論はアツい激論となっています。外宇宙からやってきたオウムアムアは凍っており、何となく微妙大気とほうき星のようなを持つため彗星だという人たちと、星に近い形をしている尾を持たないため小惑星だという人たち、そして完全に別モノだと主張する人たちに分かれました。

異常な加速は、彗星のように地表からガスが放出されているのが原因かもしれませんが、オウムアムアにハッキリと観測できる尾、または噴出する炭素ガスが確認されないため、科学者たちは太陽の粒子を受けて進む太陽帆のような、別モノではないのか?という憶測も飛び出しています。

新たな研究では

ですがAstrophysical Journalの新しい報告書の中で、イェール大学のDarryl Seligman博士とGreg Laughlin教授、そしてカルフォルニア工科大学のKonstantin Batygin教授はその憶測に待ったをかけています。そこには、オウムアムアから揮発性の高いガスが噴出している構造こそが、奇妙な軌道を描いている最も簡単な説明だと繰り返しています。言いかえれば、我々はガスや尾を見ておらずとも、それ以外は彗星のように見えるのです。

その報告書では、カプセルの形をした物体をモデルに使い、水分から成る粒子がジェット噴射のように放出されている様子をシミュレートした結果について書かれています。そのモデルが示した結果は、観測した複雑な回転や更なる可速を含む現実のオウムアムアとソックリだったのでした。

信じない人は信じない

当然のことながら、彗星派の人々はこの報告書に納得できなかった、とSCIENTIFIC AMERICANが伝えています。

ハーバード大学のAvi Loeb教授いわく、「この新しい報告書は、太陽系外惑星天体が太陽系のソレのように行動しているという推測の下に書かれている」と話しており、ケンブリッジ大学のRoman Rafikov博士は、「報告書の中では、彗星が理想的な形状をしている必要がある」とブった斬っています。


結局それぞれがそれぞれの見解を信じているため、結論は堂々巡りになっている印象です。今後さらなる彗星か小惑星が近くを飛んでくれれば、新たな研究によりもっといろんなことが判明するかもしれません。

Source: THE CONVERSATIONCornell University, Astrophysical Journal, SCIENTIFIC AMERICAN

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