アメリカ政府、大手テック企業ら(AとかFとかGとか…)を取り締まるタスクフォースを結成

アメリカ政府、大手テック企業ら(AとかFとかGとか…)を取り締まるタスクフォースを結成
Image: Twin Design/Shutterstock.com

FacebookとInstagram、WhatsAppの分離とか?

Wall Street Journalによれば、FTC(米国連邦取引委員会)がテック業界をターゲットにした新たなタスクフォースを立ち上げました。

タスクフォースとは、ある目的を果たすため特別に編成される部隊のこと。今回の、その目的は、米国の独占禁止法である反トラスト法違反がないかどうかを広く検証すること。

しかも、その検証範囲は「政府が承認済みの企業合併の再精査」も考えているそうです。

FTCのJoe Simons委員長は声明でこう言っています。「テクノロジーの経済および我々の生活における役割は、日々重要性を増している」「我々がテクノロジー市場を精査し、自由かつ公正な競争の恩恵を消費者が享受できるようにすることは、理にかなっている」。

対象はもちろん…

FTCはこのタスク・フォースで調査対象になる会社がどこなのか明言はしませんでしたが、明らかにターゲットになりそうなのはFacebookやGoogle、Amazonといった企業です。

まずFacebokは、WhatsAppやInstagramといった競合他社を次々に買収してきました。また2011年にはFTCとの間でプライバシーに関する合意を交わしてたんですが、それに違反した可能性があるとして、巨額の罰金が検討されているようです。

Googleもデジタル広告企業やらYouTubeやらを買い漁っていて、Facebookも合わせると米国のデジタル広告市場の半分以上を支配していると推定されています。Amazonは反競争的な行為で批判されてきました。これら3社も他のテック企業も、分社化するなり優位性を削ぐような措置を取るなり、何らかの対応が必要とは言われていました。

すでに合併している企業にも

今回のタスクフォースで行なう処置として気になるのは、以下の部分。Wall Street Journalより引用です。

新タスクフォースは既存のスタッフで構成され、FTCの弁護士17人もそこに含まれる。FTCは調査する個別のケースについては議論できないとしたが、有害な契約を解消させることも検討すると発言した。

「一般に、完了した合併については、我々はさまざまな対応策を用意している」とFTCの競争局のディレクター、Bruce Hoffman氏は言った。またその策としては、FTCが有害性を法的に示せればという前提だが、合併した企業の分離、特定ユニットの分社化の要請などがあるとした。

対して、コロンビア大学のTim Wu教授が、Wall Street Journalでコメントを出しています。「FTCは時代に合ったことをしたいなら、テック業界に明らかに存在する競争問題を評価し、必要に応じて行動を起こす、何らかの手段が必要です」「FTCは消費者価格に固執するのをやめて、現代のテック市場における競争阻害とは何なのかを考える必要があります」。

トランプのGAFA批判とFTCタスクフォース

少し気になるのは、この動きがドナルド・トランプ政権とか共和党によるテック企業へのいやがらせレベルの話なのか、もっとちゃんとユーザーのことを考えてるのかってことです。というのは、ドナルド・トランプ政権は2018年、FacebookやTwitter、Googleが保守的な意見を差別し伝わりにくくしたとして批判し、捜査すると脅しをかけているからです。

「巨大テック企業が検閲してる」とか「バイアスがある」とかって意見は、政治的に右か左かにかかわらず存在しています。ただトランプ系の人たちの主張の背景には、テック企業はリベラルとか民主党の手下だという根拠のない(でもしつこい)思い込みがあります。

中でも急先鋒のトランプ氏は、Twitterが主要な共和党員を「シャドーバン」(検索結果からこっそり消す)していると主張したり、Googleが彼のスピーチを無視しているとするニセ動画を作ったり、Facebookも含めてバイアスを批判したりしてきました。2018年にはジェフ・セッションズ司法長官(当時)が検察幹部を集め、左翼的バイアスについての調査を開始しようとしていました。それよりユーザーのプライバシーの扱いとか、もうちょっとテーマはあると思うんですけどね。

でもそういう動きは今まではほぼ脅しだけでしたし、今わかる範囲では、これらのトランプの動きと今回のタスクフォースは、あまり関係がなさそうです。実際FTCは、独占の課題について前から検討していた形跡があります。

実際問題、ほんとに取り締まるの?

ただしWiredによれば、FTCがちゃんとユーザーの利益を考えて何らかの結果を出せるのかどうか、疑問視する専門家もいます。

企業の市場独占に反対する団体・Open Markets InstituteはWiredに対し、FTCは巨大テックに対しこれまで反トラスト法をちゃんと適用したためしがないと指摘しています。団体のフェロー・Matt Stoller氏は今回の報道に対し「この新体制のことは軽蔑しています。FTCはつねに、自分たちが力を行使したくないことを証明してきたからです」とあきらめ顔です。

「彼らはヒアリングの場を設けようとするでしょうし、仲良しの経済学者とか反トラスト法専門の弁護士とかをワシントンDCに呼びつけておしゃべりさせるでしょう」とStoller氏。でも「彼らは自分たちが一番しなきゃいけない仕事、市場での不公正で反競争的な行為を取り締まることは、したくないんです」

大手テック企業への規制は日本でも考え始めたところですが、どうなっていくことか、注視していきたいです。

Source: Wall Street JournalWired

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