AppleがSiriの評判を気にしてるらしいけど、正直いろいろダメ

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  • author Victoria Song - Gizmodo US
  • [原文]
  • 福田ミホ
AppleがSiriの評判を気にしてるらしいけど、正直いろいろダメ
私「Hey Siri、どうしてそんなにアホなの?」Siri「私は全力を尽くしています。でもごめんなさい、今回はうまくいかなかったみたい」 Image: Victoria Song/Gizmodo US

米Giz「評判? うちらに聞いて!」

2011年にiPhone上にデビューし、音声アシスタントとして先行してるように見えたApple(アップル)のSiri。でもその後のAmazon EchoやGoogle Assistant・Google Homeの台頭によって、Siriの存在はかすんできてしまいました。1年弱前のとある比較実験でも、Siriの成績はぱっとしません。

そんな現状を打開するためか、Appleは今Siriに関するネットの評判を分析するアナリストを募集しているようです。米GizmodoのVictoria Song記者は「わざわざ人を雇わなくても、私がまとめてあげる!」とばかり、Siriについて思いのたけを書きつらねています。以下、どうぞ…。

Siri専属、ネットの評判アナリスト

Appleが今アナリスト募集中なんですが、それは普通のアナリストじゃありません。ソーシャルメディアを分析して、Siriがどう思われてるかを読み取るのが仕事だそうです。

この採用情報がAppleのサイトに掲載されたのは3月1日、VentureBeatが最初に伝えました。Appleいわく、このアナリストは「世界がSiriについて何を言っているかをソーシャルメディアやニュースその他の情報源を通じてモニターし、製品を分析して関係者や上層部に推奨を行うプログラム」を作って、実行を管理する人だそうです。仕事の中身は、「Siriに関する世界的な評判を理解すること」とか、「得られた発見やSiriの改善のために推奨することをSiriチームの上層部に報告すること」などとされています。

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Image: Apple via Gizmodo US

この採用情報自体では、AppleがSiriの現状を否定していることにはなりませんし、ましてこれからSiriがどう変わるのかとかはわかりません。でもAppleが本当に、Siriがどう思われているのか知りたいんだとしたら、この記事でそれをお伝えしたいと思います。

スマートホームでのつまづき

まずAppleの箱庭的アプローチは、スマホのApp Storeではうまく行ってるのかもしれませんが、スマートホームではいまいち機能していません。最近はIoT(Internet of Things)デバイスの多くがAmazon AlexaとGoogle Assistantに対応していますが、Siriが使えるHomeKit対応のものを見つけるのは難しいです。

そしてHomeKit対応デバイスをセットアップした人なら誰もが知っていると思いますが、セットアップが厄介なことがあります。デバイスのシリアルナンバーを打ち込むか、マニュアルにあるQRコードをスキャンする必要があるんです。たとえば私はHomeKit対応のスマートプラグを友だちからもらったんですが、その友だちはQRコードの入った付属の冊子を捨ててしまってたんです。デバイスにもシリアルナンバーが付いてませんでした。アプリをダウンロードする段階になって、デバイスのセットアップがまったくできなくなりました。こういう理由がいろいろあって、HomePodはスマートホームハブとして失敗しているのです。

おしゃべりが苦手なSiri

でもスマートホーム系デバイスはまだみんなが使ってるってほどでもないし、Siriの遅れはそこでの出遅れがすべてじゃありません。音声アシスタントの中で、シンプルな質問とか人とのやり取りが一番苦手なのがSiriなんです。

たとえばこの記事を書きながら、SiriとAlexaとGoogle Assistant、それぞれにシンプルな質問を投げてみました。「2017年のアカデミー賞で、主演男優賞を取ったのは誰?」と聞いたところ、AlexaとGoogle Assistantがすぐに「『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレック」と教えてくれたのに対し、Siriは「うーん、2017年はわかりません(Hmm I don't know 2017)」と言ってOscars.orgを見に行けと言うだけでした。Siriから満足行く回答をもらうには、言葉を変えて3回聞き直さなきゃいけませんでした。

同様にSiriに近くのコーヒーショップを聞いたとき、私のアパートメントから2ブロック以内には少なくとも3カ所はあるにもかかわらず、返ってきたのは1カ所だけでした。Google AssistantとAlexaはどちらも、4カ所の選択肢を返してくれました。

名前を知らないSiri

もうひとつの問題は、Siriは名前を聞き取ってくれなさすぎることです。特に、ジョンとかメアリーみたいなよくある名前じゃないときにひどいです。たとえば俳優のMahershala Aliの名前は「Herschel Ali」と認識してしまい、幸い検索エンジンが「Herschel Aliは俳優のMahershala Aliを意味する」と理解してくれたのでなんとかなる、っていう感じです。

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AlexaやGoogle Assistantなら問題ないのに…。
Image: Victoria Song/Gizmodo US

同様に香港の映画監督ウォン・カーウァイも、すごくゆっくり言わないと認識しませんでした。最初に試したとき、Siriはなんでか「カーリー」という友だちにテキストメッセージを送ろうとしたんですが、私は誰かにテキストメッセージを送ってなんて一言も言ってませんでした。

文脈理解もGoogleにかなわず

テキストメッセージといえば、米Gizの編集者にテキストメッセージで「あなたってクールだね」と送ろうとしたときのことです。「ヘイSiri、Marioに、彼はクールだねとテキストを送って」と言うとSiriは「どの人?」と聞き返し、MarieとかMariaとか微妙に似たような名前の人が混在するリストを出してきました。さらにメッセージの理解も足りてなくて、私が言った言葉通り「彼はクールだね」というテキストメッセージを書いてくれたんです。私はMarioに、「彼」じゃなくて「あなたはクールだね」と言いたかったんです。

まあそんなの知るかよっていう理屈もわかるんですが、音声アシスタントの理解力に合わせてメッセージを考えなきゃいけないんだとしたら、便利なはずのアシスタントがかえって不便です。Alexaもこの点はダメなんですが、Google Assistantはさすがに自然言語処理能力がハンパじゃないです。Google Assistantにまったく同じことを言ったら、「あなたはクールだね」っていうメッセージがちゃんとできてました。宛先の理解もまったく問題ありませんでした。

こんなの重箱の隅みたいに思われるかもしれませんが、クエリを何回も聞き直したり、言葉遣いを考え直したりするめんどくささはチリも積もればで溜まっていきます。他の音声アシスタントではやらなくていい作業だとしたら、負担感はなおさらです。

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Google Assistant(左)、さすがの自然言語処理能力。
Image: Gizmodo US

他にもいろいろとひどい

最後に、Siriを使おうとしても動作自体しないことが半分くらいあります。最近私はiPhone XS Maxにアップグレードしたんですが、「ヘイSiri」コマンドを有効にする設定をしながらつい笑ってしまいました。だって今まで、Siriに厳しすぎたんじゃないかと思ったんです。でもその後、この記事を書くためにiPhone XS Max上のSiriに質問したとき、Siriは10回くらいクラッシュしました。こういう事案が起こるのは私だけじゃありません。検索してみると、Siriいかにひどいか、あらゆるあらゆる側面から無数ページで語っています。

いつかこの、Appleが今採用しようとしているアナリストさんがSiriをちゃんと役立つ存在に育ててくれるのかもしれません。でもそれまでは、Google AssistantにリダイレクトするSiriのショートカットを使おうと思います。


以上、Song記者でした。 以下は訳者の私見ですが、Siriの精度とか挙動とか以上に心配なのは、この求人情報にある通り、ネットの顔色をうかがってるような自信なさげなAppleの雰囲気です。Appleは市場調査をしないとか、してるとか言われてきてますが、調査=自信のなさの現れってわけじゃないとは思います。ただ、Apple自身がSiriをどこまでどうしたいのかがいまいち見えない中で無数にある評判をかき集めても、余計わからなくなっちゃうんじゃないかと勝手に気をもんでおります。アナリストさんは難題を負うことになりそうですが、がんばってひらめいてほしいです。

Source: Apple via VentureBeat

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