郊外への宅配に革命が起きますね。
オーストラリアの民間航空安全機関(CASA)が、ドローン配達プロジェクト「Wing」を承認しました。これは首都キャンベラの郊外に、食料や薬を届けるというもの。The Guardianいわく、世界初の承認なのだそうです。
「Wing」はGoogle(グーグル)グループの複合企業Alphabet(アルファベット)傘下で、ほかの傘下には自動運転車を開発しているWaymo(ウェイモ)があります。
彼らは1年以上にも渡り、独自に飛行テストを繰り返してきたそうです。
世界初の承認
「プロジェクト・ウィング」または単に「Wing」は、店から顧客へ直に配達をするべく2016年にバージニア工科大学などでテストを重ねてきました。その甲斐あってか、政府機関による世界初の承認を得ることができ、広範囲に配達が出来るようになったのです。とはいえ、まずはキャンベラ地区のおよそ100世帯のみが対象になっています。
そしてドローンの飛行は日中のみに制限され、主要な高速道路も超えてはいけないことになっています。それ以外については、米Gizmodoからの質問にまだ返答がありません。
CASAの広報は、The Guardianにこうコメントしています。
安全性に関わるすべての問題は評価されており、地上の人々や物、それに空を飛ぶ航空機にもリスクはありません
参加企業
ドローンが何を配達するのか、今のところ詳細は不明です。ですがKickstart Espressoというドライブスルーのコーヒー・チェーン店、パン屋のチェーン店Bakers Delight、そしてメキシコ料理のファーストフード・チェーン店Guzman Y Gomezと大型ドラッグストアがテストの段階から参加しています。

運営開始は近日中
「Wing」のウェブサイトいわく、彼らの施設はミッチェル郊外にあり、サービスはクレイス、パーマストンとフランクリン郊外にて、数週間の内に開始するそうです。それらの地域で上手く運営できれば、さらにはハリソンとガンガーリンでも始めるとあります。
では、昨年の終わり頃に彼らが公開したコンセプト映像をどうぞ。
なるほど、ドローンは着陸せずに荷物を集配するんですね。これなら悪意を持った人間から被害を受けるリスクが減ります。
そしてこちらは、テスト期間中たった7分で孫のために頼んだ日焼け止めが届いた、という映像です。
頭痛薬を切らした若い母親が、病気の子供を車に乗せてドラッグストアに行く手間をすべて省き、ドローンに届けて貰った映像もあります。
しかし気になるのは騒音
ドローン配達は便利ですが、いかんせんプロペラの音がやかましいのが問題ですよね。ですがこれらのプロモ映像には、それが一切聞こえて来ません。しかしブリトーを届けて貰った人が撮った動画を見ると……?
this drone delivering a burrito in Canberra is the most @HumansOfLate thing I’ve ever seen https://t.co/LZJD3HhIbspic.twitter.com/yPWFhdFtgJ
— Grahame (@GrahameBowland) 2019年3月27日
けっこう甲高く、プロペラの風切り音が響いているのがわかりますね。広大なオーストラリアの郊外だからあまり問題視されないかもしれませんし、今後改善されるかもしれません。頼んだ人も自分のためなので、多少は目を、ではなく耳をふさぐのかもしれませんね。
Source: YouTube (1, 2, 3, 4, 5, 6)、Twitter via The Guardian, Wing