音楽家・サカナクション山口一郎に聞いた。インプットとアウトプットと、そのあいだにある重要なものとは?

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  • author ヤマダユウス型
音楽家・サカナクション山口一郎に聞いた。インプットとアウトプットと、そのあいだにある重要なものとは?
Photo: 照沼健太

作為と無作為、そこにいたる思索の道。

サカナクションのほとんどの楽曲の作詞・作曲を行ない、ロックとエレクトロを横断した楽曲を制作する山口一郎さん。芸術や文学にも造詣が深く、音楽制作からバラエティコンテンツまでも企画する彼は、いったいどんなことをインプットし、考え、自分の一部としているのでしょう?

今回は山口さんに、「アウトプット」の元となる「インプット」の面と、インプットからアウトプットに転換する際に必要となる「思考」の部分についてうかがってみました。インプットとアウトプット、それを繋げるThinkingの工程とはいかに。


人は「違和感」に対してリアクションする

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Photo: 照沼健太

──サカナクションの音楽にはジャンルや時代性を横断する印象を感じるのですが、ジャンルレスな表現をするためにインスピレーションのアンテナを働かせている学問や文化はありますか?

山口一郎(以下、山口):昔、フォークソングとダンスミュージックを混ぜる研究をしていたんですが、その時に思ったのは、人って違和感に対してリアクションするんですよ。「なにそれ?」って思うことに対して人は反応する。なので、良い違和感というものを徹底的に探し続けました。

ポテトチップスにチョコレートを付けたりとか、TシャツでもロンTでもない七分丈とか、そういう中途半端だけど気持ち良いってところが何かしらある。初めは変だなと思っても一度触れるとそれが気持ちよくなってくるというものを、色んなカルチャーから受け入れて、音楽というかたちでアウトプットしています。

──山口さんは自分の活動に繋げることを前提に、さまざまなカルチャーに触れているのでしょうか? それとも無作為にインプットして、思考の中で自分のアウトプットに展開できるものを取捨選択するイメージですか?

山口:何かをインプットしてアウトプットしようと、計画性をもって作為的にやると、たいていうまくいかないんですよね。

いかに無作為を作為的に表現していくか

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Photo: 照沼健太

山口:ちょっと難しいんですけど、「」になるというか。何かを表現したいと思ってインプットしてアウトプットするっていう戦略的なことではなく、自分が肌で感じたり、感動や衝撃を受けたり、自分の喜怒哀楽の中で何か心が動いたものをいかに自分じゃない自分が無意識の中で表現できるか、という感じで。

たとえば、60年代的なものと90年代的なものを混ぜ合わせたらどんなものになるかという思考ではなく、それらを全部聞いて、現代の自分は何を作りたいのかって。無意識に取り組んでいく中で、ふとわれに返ったときに、それを面白いと思うか面白くないと思うか。

それで、0を1にしてしまえば、その1を50にするのか100にするのか、あるいは種類を変えるのかっていう戦略的な自分が作為をもって変化させることはできます。だから、いかに無作為を作為的に作っていくかという表現になりますね。

0を1にする段階でいかにピュアでいるか

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Photo: 照沼健太

──ではアウトプットの部分なのですが、アイデアを生み出す過程で意識的にやっているこだわりなどはありますか?

山口:僕、大義だと思う。

なんて言うのかな。自分がこういうものを作りたいとか、なぜそれを作りたいのか、それを聞いた人がどう思うのかとか、あるじゃないですか。じゃあ音楽史の中でどうしたら爪痕を残せるのかとか、爪痕を残したことでいったいどういう影響があるのかとか考えるんです。

僕らはデビューしてもう11年経つので、初期衝動だけで音楽を作るような、そういう無責任な形にはなれなくて。どうやったら自分のいる環境が良くなるのか、自分が正直に作ったものが受け入れられるようになるのかを考えたとき、そこに対して自分はどんなものを作ろうかっていう大義みたいなものがあると、おばあちゃんからお金借りてでも音楽続けられるっていうか。

──指向性のようなものでしょうか。漫然と作られた、あるいは衝動で生まれた創作とは違うといいますか。

山口:今は聞く人がたくさんいることも分かってるし、自分たちの存在みたいなものもある程度は客観視できるようになったんですね。それを踏まえた上で作るとなると、やっぱり戦略みたいなものが必要になってくるんですよ。

その戦略さえも表現の一部と思えるかどうかは、ある種、大義というものがないとコントロールできないし、1を100にする際には戦略も重要になってきます。同時に、0を1にする段階でいかにピュアでいるかっていうことも大事ですね。

──確かに、すべてが戦略的だとちょっと…っていうのは分かります。

山口:そのバランスが、なんか、僕の中では重要かなと思ってるんですよね。

正解がないことを発見することが正解な場合もある

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Photo: 照沼健太

──創作における戦略性のバランスは、その中でいかに偶発的なアウトプットをするかという無作為性にも繋がりそうですね。

山口:そう。ある意味で数学者的というか。クリエイティブ集団・Rhizomatiksの真鍋さんとちょうどその話しをしてて、数学者も問題を解くじゃないですか。でも、その問題に正解がない場合もある。この場合は正解がないことを発見することが正解で、僕もそのチャレンジばかりなんですよね。この方向性はありかなしか、決着するか分からないけど書き続けていって、最終的に形になったものがまた違う形、違う方向性のものにつながったりする。

僕はグラフィックソフトの「Adobe Illustrater」で歌詞を書くんですけど、16番目にできた歌詞と60番目にできた歌詞のAメロとBメロを合わせたり組み替えたりするんです。自分で作ったものに対して組み合わせて違う意味を持たせたりとか。

いかに集中力を高く保つか

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Photo: 照沼健太

──決着するか分からないけど書き続ける、考え続ける。そんなシビアな制作活動を可能とするために、意識していることはなんですか?

山口:いかに集中力の幅を常に高い位置で保って、いい起伏を作れるかですよね。そういえば、集中力を維持するためにも、最近は、栄養バランスも意識していますね。

糖質だけの摂取はNG。集中力を高めるにはバランス栄養

集中力を高く長く維持するためには、バランスのよい食事を摂らなくてはならないことが、栄養学や脳科学の見地から明らかになっている。

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Image: 大塚製薬

臨床試験において、「バランスの良い食事(洋風パン食)」、「栄養調整食品」、「おにぎり(具なし)」、「何も食べない(水のみ)」場合で、集中力の差を比較した。

ここで注目すべきは「バランスの良い食事」を摂った場合と「栄養調整食品」を摂った場合は、集中力を高く維持できたという点。一方で、糖質が主体の「おにぎり」の摂取では集中の度合いは低く、「何も食べない」場合とほとんど変わらない結果になってしまった。

脳のエネルギーは糖質(ブドウ糖)だけで十分だという考えは、既に古い常識。この試験の結果から、 糖質だけではなく、バランスよく補助的な栄養を摂らなくては、脳は十分に働かないことが分かった。つまり栄養バランスの摂れた食事こそが、集中力を発揮・維持する大きな要因だと言える。

―食事の内容を意識することでパフォーマンスの向上につながるみたいですね。

山口:そうですね。あと、僕は本当に、満腹になることが一番怖いんですよ。でも空腹だと集中できないし、満腹だと眠くなるから、その中間を保つように心がけています。

僕の制作方法は3時間スタイルで、3時間やって30分休むっていうサイクルの繰り返しです。で、本当に眠くなったら1時間寝て、また3時間やって1時間寝る。休憩時間を長くしてくっていうスタンスです。

これ、完全に僕の個人的な意見なんですけど、僕は寝ると終わっちゃうんですよ。3時間制作してからの1時間休憩であれば、引き続き作ってきたものに対して気持ちを向け続けていけるんですけど、しっかり寝てしまうと、起きてパソコンに向かったときには、過去のものになっているんです。

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Photo: 照沼健太

本当は1日で書き上げられたら一番ベストなんですけど、それができないから続けたくなるんですね。僕は1曲できるまでに70パターンぐらいの歌詞を書くんです、同じメロディーで。でも取材があったりすると1回途切れちゃうじゃないですか。だからラジオの収録とか、その時間を計算して、「この時間なら3時間6セットできるな」みたいな。筋トレじゃないけど。

でも、そのサイクルの中で、やっぱりどっかでご飯を食べなきゃいけない。ガッツリ食べると眠くなるから、休憩時間にリフレッシュしながら集中力を途切れさせない適度な量でバランス良く栄養補給をするっていうことをやってます。

絶対的な孤独をどうポジティブにするか

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Photo: 照沼健太

──今までのお話を聞いて、山口さんは創作というプロセスに関しても、生活のスタイルにおいても、どうコンポジションを組み立てていくかというのを重要視されている感じがしました。そうした、自分自身を統制していくような意識は、常にあるのでしょうか?

山口:僕、今まで人と暮らしたことがなくてずっと独身で、自分の世界に音楽しかなかったんですよ。今は音楽を作ることが仕事になったけど、ただがむしゃらに作ることができなくなったり、すごく苦しい時期もあって。今も苦しいんですけどね。でも、なんとかそれを打破したい気持ちもある。ブブカっていたじゃないですか、棒高跳びの。

──セルゲイ・ブブカ選手ですね。ちょっと唐突でびっくりしました。

山口:ブブカが、自分の世界新記録を自分で超えていくのを繰り返しているってことに、僕たち感動してたと思うんです。僕も自分で作ったものに自分で感動したいし、そのためには自分をどうすればいいのかを、精神的にもフィジカル的にも常に追求してます。

そこで絶対的に変わらないのは孤独で、じゃあその孤独をどうポジティブにするかという考えがいる。もちろん、ネガティブのまま深く潜っていくことも可能だけど、ネガティブをいかに前向きに作っていくかというか、これもやっぱり違和感探しなんだと思うんですよね。ただ、そこにもやっぱり限界は来るんだろうというのは最近分かってきて、また新しい発明をしなきゃいけないかなとは思ってます。



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Photo: 照沼健太

人が、あるいはクリエイターが考え続けるために必要なことのひとつに、栄養補給がある。その栄養補給のアプローチさえも山口さんは独自に模索されていました。 長く続く思考の過程において 、シビアな創作活動を続けるためには、集中力の敵である満腹感を避けつつ、バランスの良い栄養補給が不可欠のように思えます。

わたしたちの体を作るのはわたしたちが食べているもの、すなわちバランスの良い食というインプットは、良質な肉体というアウトプット、あるいはその肉体が生み出す良質なクリエイティビティに帰結するのではないでしょうか。考え続けるための食事という目線、グっとくるものがありますね。

山口一郎 × カロリーメイト

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(追記)4月12日18時20分:グラフの画像を差し替えました。なお記載情報の変更は行なっておりません。

Source: 大塚製薬

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