ワシントン州、米国で初めて遺体を堆肥にする埋葬を認可したい

  • author 岡本玄介
ワシントン州、米国で初めて遺体を堆肥にする埋葬を認可したい
Image: RECOMPOSE/YouTube

生物は土に還るのが自然な姿ですもんね。

田舎にある実家を離れ、都会で暮らす人たちの多さ、そして少子化も相まって、先祖代々のお墓を管理する人が減り、様々なお墓問題が目立つようになってきた昨今。人は皆いつか死ぬというのに、そのごの処理というが大変なのが現代社会なんですよね。遺骨を粉々にして散骨する自然葬もありますが、これだってどこにでも撒けるわけではなく、制約があったりします。

お墓問題を抱えるのはどこも同じのようで、現在ワシントン州では、「SB 5001 - 2019-20」またの名を「Concerning human remains(遺骨について)」という法案を通そうという機運が高まっています。もしこれが認可されれば、遺体を堆肥にする埋葬方法が法的に確立するかもしれない、というのです。

IFLSCIENCE! いわく、もしこの法案が通れば、ワシントン州は米国初の有機還元葬を認める州となるとのこと。4月19日に議会を通過しており、あとはジェイ・インスリー知事が承認するかどうかに委ねられている状態にあります。

どうやって堆肥にするの?

この方法は、シアトルに本拠を置く公益企業、リコンポース社が「天然の有機的削減」を目指し、棺桶による埋葬と火葬の代わりに、新たな選択肢を提供するというもの。彼らはずっと議員や科学者たちと手を取り合い、この研究に取り組んできました。

遺体は温度が制御される六角柱の容器に、木片や藁、ガスなどと一緒に収められ、アルカリ加水分解により、数週間で人体を白い粉末状の灰のような物質に変え、遺族はその堆肥の一部を持ち帰ることも可能になるそうです。

ちなみにもしこの方法が確立すれば、費用は火葬より上で、棺桶の埋葬より下になるだろうとのことです。

棺桶も火葬も環境に良くない

またリコンポースのFAQページでも述べているように、人間が儀式や慣習として埋めている棺桶は自然に還らず、防腐液が地下水を汚染する可能性もあり、物理的にお墓という形で土地を占領してしまいます。ついでに棺桶だけでなく、骨壷や墓石の製造でも二酸化炭素が排出されてしまうのです。

また火葬でも、二酸化炭素と粒子状物質を大気中に放出することで環境汚染、温暖化の一因となってしまいます。加えて相続やら墓守不足やらと、親戚やお寺との間でのトラブルも起こりかねなかったりするのはご存知の通りですよね。とはいえ、どの埋葬方法を好むかはそれぞれですし、この方法はあくまで選択肢のひとつということになります。

知事がサインすれば、法律は2020年5月1日に施行されるそうです。これを皮切りに、世界中が自然還元葬を押し進めることに繋がるでしょうか?

Source: WASHINGTON STATE LEGISLATUE, RECOMPOSE via IFLSCIENCE!

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