人工クレーターも世界初の快挙!
2月には見事、小惑星リュウグウの地表にタッチダウンを果たし、さらにその地表へ5gのタンタル製の弾丸を300m/sで打ち込んで舞い散った砂利の粉末を回収した、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」。
4月5日には、重さ2kgの銅を約2km/sで打ち出す衝突装置(SCI: Small Carry-on Impactor)をリュウグウに向けて分離し、地表に人工的なクレーターを作るという任務を行ないました。
そしてこのたび、はやぶさ2の望遠光学航法カメラ(ONC-T)が、そのクレーターの姿を捉えることに成功。つまりこの任務が大成功した、ということが証明されました。
クレーターの大きさは?
JAXAのプレスリリースによると、トップ画像の左の画像が2019年3月22日に、そして右の画像が2019年4月25日に撮影されたものです。
これらの画像は、人工クレーターを作ったあとの調査「クレーター探索運用(事後)」(CRA2)にて、最低高度1.7kmまで降下して撮られたもの。クレーターの大きさや深さについては解析中ですが、公式Twitterでは、このようにコメントが投稿されています。
【CRA2】形成された人工クレーターの正確な大きさや形は今後詳しく調べますが、幅20mほどの領域の地形が変化していることが分かります。これほど大きな変化が起こるとは想定していませんでしたので、プロジェクト内でもさっそく活発な議論が起こっています。惑星科学の新たな進展が期待できそうです。
— 小惑星探査機「はやぶさ2」 (@haya2_jaxa) 2019年4月25日
クレーターの中、つまりこれまで地中だった場所から採られるサンプルには、何が含まれているでしょうか? 宇宙の起源解明に、少しでも近付けられたら良いですね。
今後の予定
JAXA はやぶさ2プロジェクトによると、今後のスケジュールは5月以降に2回目のタッチダウン運用、7月以降にMINERVA-II2の分離運用、そして11月~12月に小惑星を出発し、採取したサンプルと共に2020年末には地球に帰還する予定となっています。
これまでの任務は今のところ順調に進んでおり、世界初の実験調査をいくつもこなしています。残りあと数回の任務も無事に完了させ、地球に戻って来ることを楽しみにしていましょう!
Source: JAXA プレスリリース, JAXA はやぶさ2プロジェクト(1, 2), Twitter