あとはさらなる結果を待つのみ。
およそひと月前に小惑星リュウグウへのタッチダウンに成功した、JAXAの小惑星探査機「はやぶさ2」。タッチダウンに続き、人工クレーター生成を試みるSCI(衝突装置)の射出にも成功したことを公式Twitterや各ニュースメディアが伝えています。めでたい!
小惑星リュウグウにSCIを発射!
【SCI】4月5日 13:45(JST)、Gate5の確認をしました。探査機状態は正常で、探査機の退避動作が計画どおり行われたこと、SCIの分離が計画どおり行われたこと、DCAM3の分離、動作が計画どおり行われたことが確認されました。SCI分離及び退避シーケンスは成功しました。
— 小惑星探査機「はやぶさ2」 (@haya2_jaxa) 2019年4月5日
はやぶさ2は定位置の高度20Kmから徐々に降下し、5日午前11時13分に高度500mからリュウグウへSCIを射出。射出の反動を利用し、はやぶさ2は小惑星の陰に無事退避しました。Gate5とは健全性確認のことで、SCI分離後は探査機側の温度が徐々に下がっていくため、それをもって離れたことがわかるという仕組み。
DCAM3(Deployable Camera 3)は衝突の様子を撮像する分離カメラで、衝突地点から約1km地点から撮影をします。はやぶさ2は衝突の様子を見れないワケですから、世界初の人工クレーターを初めて目撃するのは、誰あろうこのトマト缶サイズの無線カメラなのです。
管制室の様子
管制室の様子はライブ配信もされていました。緊張のSCI射出カウントダウンは1:45:45ごろ。DCAM3の分離が確認できたのが2:04:30ごろ。つつがなく予想通りのデータが返ってきたようで、2:06:00ごろからは安堵の表情も見られます。
そして、TOP画像ははやぶさ2の広角光学航法カメラ(ONC-W1)で撮影された、分離後のSCIの様子。この写真をもって、SCIの分離が計画通り実施されたと判断されました!
人工クレーターを生成する意味
衝突体が小惑星表面にぶつかると「イジェクタ」と呼ばれる破片が高速で飛び散り、飛び散るイジェクタは円錐状の「イジェクタカーテン」を形成します。イジェクタカーテンの放出過程は惑星表面の物性を反映するため、これをDCAM3が観測することで様々なデータが得られ、クレーター生成の法則を知る手がかりにもつながります。地球に衝突する小天体をバキューンと迎撃する際にも役立つとも言われてるんですよね。
などなど、人工クレーター生成には多くの意義があります。SCIの作動具合や、リュウグウに人工クレーターができたかどうかの確認は、はやぶさ2からのデータ待ちです。おそらく4月8日頃には明らかになるかと。
Source: JAXA, JAXA はやぶさ2プロジェクト, Twitter